アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

シナヒイラギとアメリカヒイラギ - 似たもの同士4

2020-11-20 20:09:19 | みんなの花図鑑
「似たもの同士」シリーズ、「カエデとモミジ」で最後にしようと思いましたが、クリスマスの飾りをつけるクリスマス・ホーリーのことで誤解とか混同があるようなので、急遽 シリーズに追加しました (^^)/



クリスマスのころになると、「クリスマス・ホーリー」と称して上の2つが店先に並びます。両方とも 葉の周縁に棘があって そこが「ヒイラギ」に似ています。でも上の2つとも モチノキの仲間で「ヒイラギ(モクセイ科)」とは全然種類が違います。

左は シナヒイラギ(モチ)、別名 チャイニーズ・ホーリー。
右は アメリカヒイラギ(モチ)、別名 アメリカン・ホーリー。
別名に出てくる「ホーリー」というのは holly すなわち 「モチノキ」のことで、Holy(聖なる)とは発音が違います。

実は もう一種類ホーリーがあって、その名を セイヨウヒイラギ(モチ)、別名 クリスマス・ホーリー といいます。

●クリスマスの飾りを付けるモチノキならば、みな「クリスマスホーリー」なのでしょうが・・・
ヨーロッパでは セイヨウヒイラギ(モチ)が クリスマスホーリーとして、
アメリカでは アメリカヒイラギ(モチ)が クリスマスホーリーとして、
東洋では シナヒイラギ(モチ)が クリスマスホーリーとして、流通しているようです。

●セイヨウ > アメリカ > シナ の順で ヒイラギの葉に似ています。

●シナ > アメリカ > セイヨウ の順で 流通しています。つまり 日本で ホーリーといったら シナヒイラギモチがほとんどなのです。



シナヒイラギ(モチ)

単に「ヒイラギモチ」とも。
シナヒイラギモチと言えばいいものを 端折って? シナヒイラギ で終わっちゃうから ヒイラギの仲間と間違えられます。




ヒイラギモチ(シナヒイラギ、チャイニーズ・ホーリー)の葉は四角張っているのが特徴。
ヒイラギの名が入るけれど、アメリカヒイラギ(モチ)や セイヨウヒイラギ(モチ)の葉ほどは ヒイラギに似ていません。




別名 チャイニーズ・ホーリー。
モチノキ科の証拠に 赤いモチノキそっくりの実が生ります。言うなれば、モチノキとは 葉が違うだけ、とも (^_-)-☆




日本でクリスマスのころ出回るクリスマスホーリーは この チャイニーズホーリー(ヒイラギモチ)がほとんどです。




学名Ilex cornuta (Ilexはモチノキ科、cornuta は四角張っている、角が尖っているの意)。葉の特徴を種小名にしています。





アメリカヒイラギ(モチ)

アメリカヒイラギはアメリカに多いヒイラギモチ。葉のかたちは シナヒイラギモチよりよほど ヒイラギに似ています。



あまり呼ばれないけれど、別名アメリカンホーリー。英名も American holly。



葉の大きさも チャイニーズ・ホーリーよりやや小さめ。ヒイラギの葉により近いです。
学名は Ilex opaca。


アメリカヒイラギ(モチ)は 北アメリカ東部から北部を原産地とするモチノキ科の常緑樹です。
セイヨウヒイラギとよく似ていますが、アメリカには本来セイヨウヒイラギがなく、本種をクリスマス飾りとして代用しています。





カエデとモミジ - 似たもの同士3

2020-11-20 10:58:53 | みんなの花図鑑
「似たもの同士」シリーズ、最後は やっぱり、カエデとモミジ!。


ご存じのように、植物学上 カエデとモミジは同じなんです。というか、どれもカエデ科で モミジ科という科はないのです。

でも、日本人は カエデとモミジを区別します。上の画像、左は トウカエデで カエデ です。右は カエデ科ですが モミジと呼びます。
一般的には、葉5つ以上の深い切れ込みがあり、掌手の平を広げたような形状をしているものは「もみじ(紅葉)」と呼ばれ、それ以外の切れ込みが浅く葉先が細かな形状をしているものを「かえで(楓)」とすることが多いようです。

でも切れ込みの深さで呼び分けているのではないとする意見もあります。
以下引用
「モミジとカエデを区別しているのは日本人だけです。

外国ではカエデ属植物を全て「maple」と呼ばれています。モミジもカエデも同じカエデ属の植物ですので分類学的に言えばカエデという大きなくくりの中にモミジという種の群があるイメージです。 日本での認識はイロハモミジ(Acer palmatum)、オオモミジ(Acer amoenum)、ヤマモミジ(Acer matumurae:近年のゲノム解析の結果オオモミジと分類される傾向があります)が現在日本で認識される「もみじ」に当たります。その他形は似ていてもハウチワカエデ(Acer japonicum)やオオイタヤメイゲツ(Acer shirasawanum)、コハウチワカエデ(Acer sieboldianum)は分類学的にはこれらはpalmata Sect. (カエデ節)のくくりに分類されますが日本では「かえで」ですので、葉の切れ込みの深さで「もみじ」と「かえで」が識別されているわけではありません。」(モミジカエデ研究所「もみじとかえでの違い」)(太字引用者)



トウカエデ

於大公園(東浦町)前の街路樹のトウカエデ。



カエデの代表とするにはあまりに個性豊かですが・・・



「新緑、紅葉ともに美しく生長が速いのに加え、大気汚染にも強いので街路樹としてよく植えられている。中国原産で江戸時代に渡来した外来種だが、街路樹ベスト5に入るほど身近な樹木。」(森と水の郷あきた「樹木シリーズ132 トウカエデ」)



イタヤカエデ

安城デンパークにて。


何となく撮っていたので、葉の大写しがありませんが、たしかに 葉の切れ込みが浅く7裂(?)しているので モミジ ではなくカエデと呼んだほうがよさそうです。




サトウカエデ

もう一つ、カエデを。これは デンパークにあったものです。あまりきれいな紅葉とは言えませんが・・・



実はこれ 北アメリカに分布するカエデで、カナダの国旗になっているあの カエデ (メープル)です。どうです? 似ていますか(^^♪







於大公園のモミジ(カエデ属)

大池の畔の モミジです。








デンパークのヤマモミジ (カエデ属)

樹名板がありました。合成して貼り付けておきます。













東公園(岡崎市)のモミジ(カエデ属)

雨の直前に撮ってきましたので ちょっとピントが浅いです。



いろいろ種類はあるのでしょうが、名前はすべて分からず (ToT)



昨日、東公園に行って一番驚いたのは 周回道路から 公園内に入ろうとすると 鉄パイプで作った頑丈な柵で 入れないようになってるんです。コロナ対策で設けたのなら すべての入り口を閉じるはずなのに、どうしてここだけ・・・



と思ったら、横に掲示がありまして 「イノシシが花ショウブ園を荒らして困っています。開けたら閉めてください」と!



市街ですよ! こんなところにまで イノシシが来るようになったのか!




黄葉するモミジ。切れ込みは深いので カエデ ではないだろうくらいしか分からず (ToT)












最後は、手前の丸い葉の木(カツラでしょうか?)にピントを合わせてみました (^^)/