つづきまして「移動する雄しべ」の観察(後編)です。
ソシンロウバイ (2月6日)
まず、つぼみです。つぼみは丸くて小さくて黄色いです。
次の日(たぶん)開花した花です。
開花当初は 活動しているのは(花弁に隠れていますが)中心にある 雌しべだけです。
問題の雄しべは、花弁にもたれかかって 眠っている?ようです。
指で花弁を押し広げて 雌しべが見えるようにしてみました。
なお、糸くずのようなのが 雌しべの柱頭部分で、周囲のスタンドみたいな器官は 仮雄しべ です。
本当のおしべは 葯の部分を花弁のほうに向けている「へら」のようなシベです。
別の花で 中を覗いてみています。
一つの雄しべ(右下)が 今 起き上がりだしています。
なお、一番内側の花弁の表面に 蜜が付いているのが分かります。
すべての雄しべが起き上がり、めしべのほうへ集まってきました。自ら花粉を出す前に 雄しべにはやらなければならないことがあります。それは (受粉したであろう)雌しべをしっかりガードする役目です。
これもまだ 雌しべのほうへ集まってきた雄しべの段階です。
雄しべは最終的には 雄しべの先を密着させて それから 葯を割って花粉を出します。
この花では すべての雄しべの葯が割れて花粉が外に出ています。
終期の花です。
葯から出た花粉が 花弁のほうに飛び散っています。
前回も述べたように、この時期 花粉を運搬するポリネータは ハエやアブばかりです。ミツバチたちは 冬眠して体力を温存しています。
ロウバイ (2月2日)
雌しべ活動期の花です。
雌しべを取り囲んで、花粉を出している 雄しべ活動期の花です。
花粉も出し切って そろそろ散る寸前の花です。花弁が透き通るように色褪せています。
終期の雄しべと 集まってきたハエ です。
なお、花弁の中心部がこのように赤くなっている花が半数くらいありましたので、ソシンロウバイとせず 単に「ロウバイ」としています。
ソシンロウバイ(2月2日)
開花直後の雄しべが横たわった状態の花は見られず、早くても このような 雄しべが雌しべのほうへ向かって起き上がった状態の花ばかりでした。
同じ花の 雌しべに焦点を合わせたものです。
糸くずのようなのが 雌しべの柱頭です。
同じ時期にある 別の花です。
なお、花の色は 蕾のときが いちばん黄色が濃く、開花が進むにつれ(雄しべ期になるにつれ)色褪せていくようです。
雌しべを包んで、外に向かって花粉を盛んに出している雄しべです。
でも この花、めしべの柱頭が完全には 覆われていないですね (´∀`)
ロウバイ(2月3日)
最後に、花弁の中心部が赤紫色をしたロウバイの観察を簡単に。
まず、雌性期の花です。
二つの花は時期が違います。
下が若くて、雌しべ活動期(雌性期)の花。
上が その後 雄しべが 雌しべを包んで 花粉を出している雄性期(雄しべ活動期)の花。
雄性期(雄しべ活動期)の花のアップです。
雄しべが 雌しべを覆うとき、これでもかというほどしっかり口を閉ざすばあいもあれば、この花のように、めしべが天を仰げるように窓を作っておく程度の花もあるようです(^^)/