アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

アメリカセンダングサ - 野のクリスマスローズ

2021-01-16 17:11:38 | みんなの花図鑑

アメリカセンダングサの痩果が、先ほどアップした クリスマスローズに似ている?!と思ったのはたぶん私だけ (^_-)-☆




私だって いつもそう思ってるわけじゃないんですけど。




そう思ったのは、痩果のこの渋い抹茶色の色合いが クリスマスローズの奥ゆかしい萼片の色に似ているなと一瞬思ったからでしょう。



センダングサの ひっつき虫というと、単に 暗褐色とか 濃く褐色などモノトーンが多いですけど、このアメリカセンダングサの幅広の痩果は時に 花のような色になります。




アメリカセンダングサ(キク科センダングサ属)の痩果は「長さ5~10㎜、扁平、長さ2.5~5㎜の芒(冠毛)が普通2個あり、小さな逆刺が多数つく。」(三河の植物観察「アメリカセンダングサ」)




「頭花の外側につく痩果は幅が広くて短く、内側につく痩果は長く、鱗片の幅も外側のものが広い。」(同上)






クリスマスローズ - 蜜腺(ネクタリー)

2021-01-16 09:23:46 | みんなの花図鑑

「クリスマスローズの花弁のように見えるのは萼片です。」
何かコメントを!とパソコンのマイフォルダを開けると、上記のような文章がずらり。
一年経つと そんな基本的なことまで 忘れてしまってる自分に唖然としました (´∀`)
花弁ではなくて萼片なんだ!
ということは 花弁はどこに?



「本来の花弁は退化して蜜腺になり雄しべの周りに並んでいます。」(はるなつあきふゆ夕菅の庭「クリスマスローズの蜜腺」)
そうそう、そうだったんだよね (^^)/
この黄色い筒のことだよね



「クリスマスローズ入門の頃は蜜腺より萼片の色や形を追ったものです。
 今年は「蜜腺」を見つめてみます。」(同上)
ハイ、今年もよろしく \(^o^)/




「蜜腺(ネクタリー)は漏斗状、長さ5mm前後で、短い柄があります。
数は10〜20枚前後。1列に並ぶものも、二重・三重になるものもあります。
その色も様々で黄緑、緑、褐色、紫などの濃淡があり、濃いものはダークネクタリーと呼ばれます。」(同上)





蜜腺(ネクタリー)以外の器官では、大麦みたいな葯と 米粒みたいな花粉をつけた たくさんの雄しべが目につきます。




おしべの群れの中心にある めしべが受粉すると、周囲のおしべや 蜜腺(元の花弁)が次々と脱落して、子房が膨らんで 果実になるんですね(上のほうの画像の花の中心にあるクチナシの実みたいな器官がそれ)



マサキ - ある晴れた日に

2021-01-15 22:26:44 | みんなの花図鑑
Windows Updateが3時間くらいかかったという話のつづきですが、確認してみたら 更新プログラムのバージョンは バージョン2004 というものでした。いま 一番新しい Windows 10 用更新プログラムは version 20H2 なので、近いうちに また 3時間 パソコンが使えなくなると思うと 気が重たくなります。。。
ブログの更新は やはりパソコンのほうがやりやすいので。




これは 雨の前の快晴の日に 撮りためておいた マサキの実です。



果皮が4つに割れ、中から種子が出ているのですが、朱色に輝いているのは 仮種皮 という膜です。











果皮は4つに割れるので、種子も 4つ出てくるのかと思うと、意外と3つだけの果実が多いです。









ナンテン - 雨に濡れ

2021-01-15 15:41:02 | みんなの花図鑑
10時ごろから Windowsのアップデート始めたら、いつまでたっても終わりません。そのままにして買い物に出かけて帰ってみたら ようやく終わってました。噂によると、どうやら3時間たっぷりかかるようです(ToT)


こちらは雪がなかなか降りません。



降っても 雨だけです。









どうも季節感に乏しいなあ.....



ビワ - 蜜を求めて4

2021-01-14 20:08:09 | みんなの花図鑑

<蜜を求めて>シリーズは ポインセチア、ドンベア、サザンカの3部作で終わったのですが、きょう、もうひとつ蜜を出す花を見つけちゃいました。ビワの蜜です。補遺としてシリーズに追加します。



ミツバチが来ていました。
ということは・・・




この花のどこかに蜜があるということ!



「ミツバチ君、どこを舐めてるの?」




たいていの蜜は めしべの付け根にあります、ビワはどうかな?



ありました!
透明だから 見えにくいけど、向かって右側のおしべの下、全部「蜜」です\(^o^)/




ちょっと奥のほうに 焦点を移動してみました。



露出を変えたりしてみるのですが、相手は 透明ですから、ちょっとわかりにくいですね



まあ、このキラリと光っているところなんですけど (´・ω・)



ひとつのビワの木に数えきれないくらいの花が付いているのですが、蜜が分かる花は 数えるほどしかありませんでした。
ビワの蜂蜜は (養蜂家は冬季にミツバチを働かさないので)量が多く取れず「幻の蜂蜜」と呼ばれる高級品です。



セイタカアワダチソウ - ごわごわ

2021-01-14 15:35:24 | みんなの花図鑑

(2015-12-10撮影)
これは私が昔、セイタカアワダチソウの冬の姿とはつゆ知らず、掲示板にお伺いを立てたときのコンデジ画像です。
「セイタカアワダチソウではありませんか」と言われて のけぞりました(ToT)



(以下、2021-1-14撮影)
遠くから見ると ふわふわもふもふとした感じのセイタカアワダチソウの綿毛も・・・




近くで見ると剛毛で、触れば刺さりそう。












さらに進むと、こんな殻(総苞)の部分だけのこります。






クチナシ - 遅かりし

2021-01-14 09:50:00 | みんなの花図鑑

時期になると、いつも写真を撮らしてもらう散歩コースのお宅のクチナシ。



きのう ようやく青空になったので、撮らしてもらいに行ったら、奥様に「もう色褪せちゃってきて・・・」
「どうしてもっと早く12月に来ん(かった)?!」と叱られてしまいました。



確かに 果実の先端の 本来6本ある萼片が ぽろぽろと落ちて不格好です。



クチナシの実は古くから着色料として使われていて、栗きんとんの黄色はつとに知られていますが、実は 黄色以外に 青や赤色の着色成分を持っているそうです。



クチナシの実はヒヨドリなど鳥も好きな植物のようです。


プリムラ・ジュリアン ‐ おしべめしべ

2021-01-13 17:13:28 | みんなの花図鑑

ミニ花壇に植えてあった2つめの花は プリムラ・ジュリアン。
プリムラというのは サクラソウ科の花で、このジュリアン以外にも ポリアンサ、オブコニカ、マラコイデス、シネンシスなどがあるということです。雲南サクラソウもプリムラの仲間でした。



で、トピックの おしべめしべ に移りますが、この花、前のスウィートアリッサムのおしべ・めしべと比べて ちょっと変わってますね?



見えているシベは 大きな葯を付けたおしべです。めしべが見えないのです。




ということは??
キク科などのように、雄しべが成熟するときと めしべが成熟するときと タイムラグを作っているのでしょうか?




別の株の花を見てください。 こんどは 丸いめしべだけがあり、おしべは見当たりません。




もっと近づいて花筒の奥を覗き込んでみると、下のほうに 雄しべらしき環状の器官が見えます。雌しべが先行して成長したあと、これが 今の雌しべの位置まで成長して 雄しべ活動期になるのでしょうか?




調べてみると、「雌しべ期・雄しべ期」の仮説は間違っていることが分かりました。
実際は めしべとおしべは同時に活動するのだけれど、 株によって、めしべのほうが背が高くおしべのほうが背が低い花(長花柱花)と、 おしべのほうが背が高くめしべのほうが背が低い花(短花柱花)と 2種類あるというのです。
なんのために??

プリムラのばあい、ちょっと花筒があって判りにくいので、ソバの花で説明します。

ソバの 長花柱花 (めしべのほうが おしべよりずっと高い)

アリ さんが花粉媒介者(ポリネータ)になるケースで 説明します。
アリさんが長花柱花の蜜をなめにやってきました(↑)。アリさんは背の低いポリネータです。雄しべが背の低い長花柱花の蜜を吸うとき 体に花粉が付きます。(めしべは高いところにあるので 触れません)


ソバの 短花柱花(めしべは 雄しべの半分くらいの高さしかない)

さっきのアリさんが 今度は 短花柱花のところにやってきました。こんどは アリさんと同じくらいの高さにあるのは めしべの柱頭です。こうして 先ほど長花柱花のところで付けた花粉が 短花柱花の めしべに付きました。無事 他家受粉成功です(^^♪

身体の大きな ハチさんのばあいは 今の逆です。
(雄しべのほうが背が高い)短花柱花で花粉をつけ、(めしべのほうが背が高い)長花柱花に行って授粉すると、これまた他家受粉がうまくいくというわけです\(^o^)/

さらに、ミソハギのおしべには 一つの花に 長いおしべと 短いおしべとあって、
 a. 長いおしべ > 短いおしべ > めしべ (短花柱花)
 b. 長いおしべ > めしべ > 短いおしべ (中花柱花)
 c. めしべ > 長いおしべ > 短いおしべ (長花柱花)
のように、3タイプの株があるということです。

このプリムラのばあい、先ほども言いましたように、トランペット型の花筒なので、たとえば ハチさんが筒の奥の蜜を吸おうとすると、雄しべにも雌しべにも触ることにはならないのか、少し 疑問です。

ソバのばあい、同じタイプの株同士で 人工受粉しても ほとんど結実しないと言われています。
プリムラの花の人工受粉の記事を読んでも、同じ花のおしべとめしべで手っ取り早く自家受粉させる方法が書いてありますが、「自家受粉を続けると株の性質が弱ってきます」。

植物が長い時間をかけて、自家受粉を避ける意匠を編み出してきたのですから、人工受粉するときもその心意気を大切にしたいものです。




スウィートアリッサム - おしべめしべ

2021-01-13 09:16:24 | みんなの花図鑑
街角の小花壇に 2種類の花が植わっていました。両方ともとても小さい花です。


ひとつは このスウィートアリッサム。花壇には 単に「アリッサム」と印字したバーコード票が刺してありましたが。



スウィートアリッサム
「以前はアリッサム属に分類されていましたが、現在はニワナズナ属に分類されるようになりました。アリッサム属は今でも存在するため、アリッサム属の植物じゃないのに、アリッサムと呼ばれています。とても紛らわしい植物なので、単にアリッサムと呼ぶのではなく、スイートアリッサムと呼ばれることが多いみたいです。」(そら色ネット>身近な植物図鑑>08月 > 草花・野菜 > アブラナ科 > アリッサム)



直前の記事にあったのですが、「アブラナ科の花弁は皆 4弁花」なんですってね




この白色のほうは西尾市憩の農園で撮ったものです。
私の最近の関心は シベ にあります。花が小さければ、マクロレンズで拡大して カメラに収めてから観察しています。




その結果、おしべは6本、めしべは円盤のような柱頭のものと分かります。



この画像では めしべが おしべより 少し低いところにありますが、総じて アリッサム(スウィートアリッサム)では めしべとおしべは 同時に、ほぼ同じ高さにあることを観察しておきます。

次回で、一緒に咲いていた「プリムラ ジュリアン」のおしべ・めしべを観察します。スウィートアリッサムとは別の事実が観察できることでしょう(^^♪



ロマネスコ - 登山?

2021-01-12 13:06:28 | みんなの花図鑑

JA産直に野菜を買いに行きました。そしたらこんな面白いものが!




一つ買って、すぐ店の前でラップをはがし 左手で持ち上げて右手で パチリ。
この火山、 登るには 相当高い (^_-)-☆



この火山、同じ格好をしたミニサイズの火山で出来ています。




さらに一つの「ミニ火山」は たくさんの「ミニミニ火山」で出来ています。
つまり、全体がその相似形をした個々のパーツから出来ているのです。
こういう構造を フラクタル構造といいます。

とても分かりやすい説明と絵がありましたので、お借りしました↓

(出典:数学の面白いこと・役に立つことをまとめたサイト「フラクタル構造を持った野菜”ロマネスコ” – その奇妙な形が面白い」より)




何でこんな摩訶不思議な火山!もとい、野菜ができるんでしょうか?!




東京大学大学院理学系研究科の塚谷裕一教授によれば、フラクタル構造をもったロマネスコの由来について次のように述べています。

「ブロッコリー、カリフラワー、ロマネスコは、人工的に品種改良されているため、特殊な形状をしているのです。これらは本来、花のつぼみになるべきところに枝が生えます。そういう突然変異を、人々が長年かけて選んで、改良してきたわけです。そして、その枝から、また花のつぼみなるべきところができますが、そこにもつぼみではなく枝が生えます。この繰り返しの軽めなものがブロッコリーです。そしてその程度の著しくなったものがカリフラワーで、さらにもっと進んだものがロマネスコなのです。」
(exciteニュース「ロマネスコの不思議すぎる見た目は、突然変異の究極の姿だった」)




「ブロッコリーもカリフラワーもロマネスコも、人間が改良に改良を重ねて、突然変異をたくさん蓄積させて作り上げた人工品です。あの食べるところは花のつぼみの元になる部分ですが、非常に小さいですよね。(つづく)」(日本植物生理学会・みんなのひろば・植物Q&A「ロマネスコという植物の形のメリットを教えてください」回答者:塚谷 裕一教授)



「もともと菜の花やハボタンの花のように、真っ直ぐな茎のまわりに1つずつ順に花を並べて咲くタイプの植物だったのですが、品種改良の結果、その花のつぼみになるべきところに枝ができ、その枝の花のつぼみなるべきところに枝ができ、さらにそのつぼみができるべきところに枝ができ・・・・(つづく)」(同上)




という繰り返しをやるようになってしまったのが、ブロッコリー、その程度の著しいのがカリフラワー、さらにもっと進んだのがロマネスコというわけです。ですからフラクタル構造になっているのですね。」(同上)




稲妻(いなづま)なども フラクタルなんですって!