アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ナツミカン、キンカン - 甘くなるのは?

2021-02-18 18:22:13 | みんなの花図鑑
ナツミカン

ナツミカンの学名は Citrus natsudaidai
そう、ナツダイダイ(夏橙)なんですね




この辺の事情が ウィキペディアに書いてあります。
「明治期には萩藩において、職を失った武士への救済措置として夏みかんの栽培が奨励されており、当時植えられた夏蜜柑の木が今も萩市内に多く残る」(wiki 「ナツミカン」)




「この果実は「夏みかん」という名称で今日広く知れ渡っている果実であるが、本来の名称は「夏代々(なつだいだい)」である。しかし、明治期に上方方面へ出荷する事となった際に、大阪の仲買商人から、名称を「夏蜜柑」に変更するよう言われ、それ以来商品名として...「夏みかん」または「夏蜜柑」の名前で広く知れ渡ったのが真相である」(同上)




「晩秋に色付くが、春先までは酸味が強く食用には向かない。この為、長らく生食には供されなかったが、初夏になると酸味が減じることが分かり、明治以降、夏に味わえる貴重な柑橘類として価値が認められ広く栽培されるようになった」(同上)

晩秋に色づいて それから半年余りかけてようやく甘くなるというわけですね



キンカン

手前が キンカンです。
下のほうに見えてるのは 奥の ナツミカンです。




「名の由来は、黄金色のミカン(蜜柑)の意味から金橘、金柑の中国名が生まれて、日本ではそれを音読みしてキンカンとなった」(wiki 「キンカン」)





このキンカンは 妻の実家のキンカンです。
昨年義母が99歳で亡くなり、実家の庭は今は手入れする人がいません。



このキンカンは甘いのよ、と妻は言います。
確かにそうなのですが、ナツミカンと同じで、木にぶら下がったまま時間が過ぎれば過ぎるほど 甘くなると言います。




ただし、鋭い棘があるので、実をもぐときは 注意が必要です (^_-)-☆




タネツケバナ - アブラナ科

2021-02-18 08:53:01 | みんなの花図鑑

今日もまた 雪が ほんの少しですが、舞っています。




これは 先日(もっと暖かい日)、シナマンサクの木の下の水田畦に咲いていた水田雑草です。




4弁花なのでアブラナ科であることは覚えているのですが・・・名前が出てきません。




結局 家に帰ってアブラナ科を検索するまで「タネツケバナ」という名前が思い出せませんでした (ToT)
「和名の由来はイネの種もみを水に漬け、苗代の準備をする頃に咲くことから。」(三河植物観察「タネツケバナ」)




「一見ナズナに似ているが、果実が細長い。」(同上)




萼片は4枚で、花弁も4枚。「雄しべ6個まれに4個。雌しべ1個。」(同上)





「一見ナズナに似ているが、果実が細長い。」(同上)




〔参考〕ミチタネツケバナ

よく似た外来種のミチタネツケバナは 果実が長くて上につんつん伸びているのが特徴です。

シナマンサク、アカバナマンサク

2021-02-17 19:52:11 | みんなの花図鑑
シナマンサク

朝、梅の花を見ながらご近所さんと話してたんだけど・・・




植物は りっぱだな~
季節が来るとちゃんと花を咲かせる (^^ゞ




シナマンサクは「シナ」の付かないマンサクより少し早く咲くようです。




同じような花なのに どうして「シナ」マンサクと分かるのかって?
葉が落ちずに枝に残ってますね。それでシナマンサクと分かります。




長い短冊状の(リボン状の)花弁は、つぼみのときは 萼の中に くるくる巻き取られて入っています。




アカバナマンサク

「図鑑には花弁の基部が赤く染まったものをニシキマンサク、
花弁全体が赤く染まったものを、アカバナマンサクと呼ぶと書かれているが、
山野では赤色の範囲が広いものから、狭いものまで様々で、
実際にはニシキマンサクとアカバナマンサクの中間型くらいのものが、
最も多く見られる。」(Biglobeウェブリログ・里山再生計画「アカバナマンサク(在来種)」)




「名札には「赤花マンサク」と書かれていることがあるが、
これは品種改良で生まれたマンサクで、
日本の山野に自生しているマンサクではない。」(同ブログ「赤花マンサクの正体」)




山野に自生するアカバナマンサクは マンサクの変種で、花弁の周りには黄色い縁取りが残っている。
このように全体が赤いのは 園芸品種のアカバナマンサクということです。




ウメ - 雪が降ってきました

2021-02-17 10:05:50 | みんなの花図鑑

今日は週2回のゴミ捨ての日。ゴミステーション横の紅梅と白梅が満開近し!
帰ってカメラをもって さー、撮るぞぉ (^_-)-☆



ところが、ゴミを捨てに来たときは 青空だったのに・・・




何だか 空が曇ってきて 冷たい風がピューっと吹いてきたぞー




白梅をバックに 紅梅を撮ろうと思うのだが、空が白くなってきて 白梅が浮き上がらない・・・




おや、何か降ってきたぞー




雨かと思ったら・・・




何と!
雪ではないか~~~




先日、めしべの無いウメの花があると教えてもらった。




それ以来、梅の花を見ると、めしべがあるかどうか、一応 チェックしてるんだけど・・・




めしべが無いのは 紅梅に多い気がします。

ともかく大急ぎで帰って、洗濯物取り込まなくっちゃ (´・ω・)







ロウバイ - 移動する雄しべ(2)

2021-02-16 21:00:00 | みんなの花図鑑

つづきまして「移動する雄しべ」の観察(後編)です。



ソシンロウバイ (2月6日)

まず、つぼみです。つぼみは丸くて小さくて黄色いです。




次の日(たぶん)開花した花です。
開花当初は 活動しているのは(花弁に隠れていますが)中心にある 雌しべだけです。
問題の雄しべは、花弁にもたれかかって 眠っている?ようです。




指で花弁を押し広げて 雌しべが見えるようにしてみました。
なお、糸くずのようなのが 雌しべの柱頭部分で、周囲のスタンドみたいな器官は 仮雄しべ です。
本当のおしべは 葯の部分を花弁のほうに向けている「へら」のようなシベです。




別の花で 中を覗いてみています。
一つの雄しべ(右下)が 今 起き上がりだしています。
なお、一番内側の花弁の表面に 蜜が付いているのが分かります。




すべての雄しべが起き上がり、めしべのほうへ集まってきました。自ら花粉を出す前に 雄しべにはやらなければならないことがあります。それは (受粉したであろう)雌しべをしっかりガードする役目です。



これもまだ 雌しべのほうへ集まってきた雄しべの段階です。




雄しべは最終的には 雄しべの先を密着させて それから 葯を割って花粉を出します。
この花では すべての雄しべの葯が割れて花粉が外に出ています。




終期の花です。
葯から出た花粉が 花弁のほうに飛び散っています。




前回も述べたように、この時期 花粉を運搬するポリネータは ハエやアブばかりです。ミツバチたちは 冬眠して体力を温存しています。




ロウバイ (2月2日)

雌しべ活動期の花です。




雌しべを取り囲んで、花粉を出している 雄しべ活動期の花です。




花粉も出し切って そろそろ散る寸前の花です。花弁が透き通るように色褪せています。




終期の雄しべと 集まってきたハエ です。
なお、花弁の中心部がこのように赤くなっている花が半数くらいありましたので、ソシンロウバイとせず 単に「ロウバイ」としています。





ソシンロウバイ(2月2日)

開花直後の雄しべが横たわった状態の花は見られず、早くても このような 雄しべが雌しべのほうへ向かって起き上がった状態の花ばかりでした。




同じ花の 雌しべに焦点を合わせたものです。
糸くずのようなのが 雌しべの柱頭です。




同じ時期にある 別の花です。
なお、花の色は 蕾のときが いちばん黄色が濃く、開花が進むにつれ(雄しべ期になるにつれ)色褪せていくようです。




雌しべを包んで、外に向かって花粉を盛んに出している雄しべです。
でも この花、めしべの柱頭が完全には 覆われていないですね (´∀`)




ロウバイ(2月3日)

最後に、花弁の中心部が赤紫色をしたロウバイの観察を簡単に。
まず、雌性期の花です。




二つの花は時期が違います。
下が若くて、雌しべ活動期(雌性期)の花。
上が その後 雄しべが 雌しべを包んで 花粉を出している雄性期(雄しべ活動期)の花。




雄性期(雄しべ活動期)の花のアップです。
雄しべが 雌しべを覆うとき、これでもかというほどしっかり口を閉ざすばあいもあれば、この花のように、めしべが天を仰げるように窓を作っておく程度の花もあるようです(^^)/









ロウバイ - 移動する雄しべ(1)

2021-02-16 16:00:00 | みんなの花図鑑
ソシンロウバイ (1月31日)

月日の経つのは早いもので、もう2月も半分過ぎました。これは 1月31日~2月6日のあいだに、各地のロウバイの花の観察をした結果をまとめたものです。遅くなりましたが、記録としてアップしておきます。
長くなるので、2回に分けて掲載します。



ロウバイの花の何を観察したかといいますと 「移動する雄しべ」の観察です。
ロウバイの花は 開花直後は 花弁に触れて横たわっていて 4,5日してむっくりと起き上がるというのです。
このソシンロウバイは 残念ながら 花弁に横たわっている雄しべの画像は撮れませんでした。
取れた画像のうち 一番初期のものは このように 花弁から離れて 雌しべのほうに移動しだした雄しべたちの画像です。



同じ花に もっと近寄ってみたもの。
ピントが合っている透明の糸のような器官が めしべ(の柱頭)です。
ロウバイの花は 両性花で おしべとめしべがありますが、活動する時期を変えて自家受粉を避けています。
開花直後は 雌しべの活動期です。
その後数日して 雄しべが 雌しべの周りに集まってきて 雄しべ活動期に移行します。




おしべは 活動する前に めしべを包み込んでしまいます。




これは 雄しべが花粉を放出した後の花です。



同じことを 別の種類のロウバイで見てみます。



マンゲツロウバイ(1月31日、西尾市憩の農園)

こんどは、開花直後の 花を見ることが出来ました。
おしべはこのように 花弁に張り付くように横たわっています。
開花してしばらくは 中心の雌しべだけが活動します。




中央に 糸くずのように立っているのが 雌しべの柱頭です。




4、5日して 横たわっていた雄しべが おもむろに? 起きだします。
雌しべを取り囲んだあと、葯が割れて、中から花粉が出てきます。




とてもいい匂いがして蜜を出すロウバイの花ですが、この時期に活動するのは ハエやアブの類がほとんどです。




盛んに花粉を出す 雄しべ期のロウバイの花です。




花粉をほぼ出し終わった終期のロウバイの花です。




ロウバイ(1月31日)

こんどは 花弁の中心部が赤紫色のロウバイを観察します。
開花直後の花は 一段と黄色が濃いようです。
中心に立っているのが 雌しべです。
この花は 開花してからしばらく経っているらしく、雄しべのほうは 花弁の上に横たわっているか、一部起きて雌しべのほうに近づきつつあるものもあります。




この花では すべての雄しべが起き上がり、めしべを取り囲み始めています。
(雄しべの葯(花粉の袋)はいずれも外側を向いていることに注意です)




この画像では、シベの状態がよく分かりませんが、いずれの花も 雄しべが 雌しべを包み込んでいます。雄しべ同士がぶつかり合い、まるで雌しべを隠しているようです。




雌しべを取り囲んだ雄しべは 順に葯を割り花粉を出しだします。





花粉を出し終わった雄しべです。





寒桜?、寒緋桜?‐ あなたは誰?

2021-02-16 08:51:19 | みんなの花図鑑

菅生川にレンジャクがいないか見に行ったとき、レンジャクどころか 餌のヤドリギの宿主のエノキそのものが切り倒されて無くなっていたことはお伝えしました。その代わりみつけたのが、このサクラの花です。
堤防の桜並木のところどころに 咲いていました。




ところが ネームプレートが無いので 種類が分かりません。
早咲きの桜というと寒緋桜なのですが、それにしては花弁の色が淡いので、別の品種ではないかと思うのです。




京都の方が 「寒桜」というサクラを紹介しておられました。このサクラによく似ています。

【カンザクラとは】
・カンヒザクラとヤマザクラ系統ザトザクラ(あるいはハヤザキオオシマ)の雑種とされる
・名所である静岡県熱海市付近では寒中(1月中旬)に咲くため、カンザクラと名付けられた。
・秋季からポツポツと咲き続けるフユザクラやジュウガツザクラを除けば、春一番に咲くサクラであり、この一品種ともされるカワヅザクラやオオカンザクラを含めて話題になりやすい。
・花はやや小さめの一重で、直径は2.5~3.5センチほど。蕾は濃いピンク色だが花は淡いピンク色になる。
(庭木図鑑 植木ペディア > カンザクラ より)




別の株です。こちらは 先ほどより色が濃いようです。




蕾などを見ると、ほとんど寒緋桜の紅色です。




寒桜は 寒緋桜と山桜系統里桜との雑種ということで、色の濃さにはバリエーションがあるのかも。







ヤナギ - モフモフと

2021-02-15 17:40:19 | みんなの花図鑑

郷東川の川辺に ヤナギの花が咲いてます。



今年は 早いんですかねぇ(それとも例年並みなのか?)




ところでこのヤナギ、何というヤナギなのか?名前が分かりません。




ネコヤナギなのか、それとも 川縁に生えているので カワヤナギ なのか?




帽子をかぶってるのも、一部ありました。




見分けが難しいのは、このヤナギ、雌株だからです。




雄株のときは 雄しべを見て 2本が合着しているか、とか、途中まで合着しているか(Y字型)、とかで 区別できる場合もあるのですが・・・



雌株のばあい 雌花だけではその区別法も役に立ちません。
それに ネコヤナギやカワヤナギの雌花の画像をみても、こんなに雌しべの柱頭が赤くなってる画像がありません。

これは珍しいヤナギなのでしょうか??

〔追記〕
めしべの柱頭が「赤い」ヤナギが検索しても出てこないと言いましたが、さらに検索していたら なんと「みんなの花図鑑」に
「コリヤナギ [行李柳] 柱頭は紅色」
とあるじゃありませんか?!
ちょうど fuyuさんからもコメントがあり、「ヤナギ、ハート型、柱頭」で検索され「イヌコリヤナギ」がヒットしたと情報をいただきました。
イヌコリヤナギとコリヤナギは仲間なので、調べたところ
イヌコリヤナギの柱頭は黄色く、コリヤナギの柱頭は紅色
と区別されていました。
ということで、このヤナギは コリヤナギ(行李柳)ではないかと思います。

ヤドリギ - レンジャクいずくんぞ?

2021-02-15 08:08:57 | みんなの花図鑑

まず最初に、これが ヤドリギの実です。形は マスカットを小さくしたような感じです。




(すこし引いて)これが、このように、冬でも青々している葉とともに なっています。




(さらに引いて)どこに生えてるかというと、このように エノキの枝に 根を下ろしているのです。




(さらに引いて)全体はこんなふうです。これは結構ついているほうですが、極め付きは 落葉樹のエノキの木が冬なのに全身緑で覆われてしまい常緑樹のようになることもあります。(この記事 の一番下)




逆光で見た ヤドリギ。 右の空は タコ(カイト?)。




そして この実を冬鳥のヒレンジャクが食べに来るのです (^^)/
ヤドリギの実は見た感じは マスカットを小さくしたような感じなのですが、食べてみると味は無く、一番の違いは とても粘っこいのです。
(この粘っこさから 副作用のない抗がん剤としての効果を期待する人もいます)

上の記事は 奇しくも 3年前の2月14日に撮ったものですが、久しぶりに きのう(2月14日)行ってみたら公園整備で 大きなエノキの木(ヤドリギの宿主)が全部切り倒されて跡形もなくなっていました(ToT)




青々と茂ったヤドリギの森?が無くなって、レンジャクたちはどこへいったのでしょうか?
3年前には ヒレンジャクイカル まで歓迎してくれたのに。。。

ヒヨドリ - 食事中。。

2021-02-14 18:22:15 | 野鳥

久しぶりに 岡崎公園の菅生川畔のヤドリギに ヒレンジャクが来ていないか、見に行ったら、ヤドリギの宿主のエノキの木が 公園整備のため切り倒されて跡形もなくなっていました。
仕方がないので、ヒヨが何やら大きなものをぱくついているところを連続撮影し憂さを晴らしました。。。
























飲み込んだ直後です。





こちらは 梅の花を食べているヒヨドリです。




同上