アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ヤブツバキ - 六景

2021-02-23 18:00:00 | みんなの花図鑑

葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」は 北斎72歳の時の作品です。




「三十六景」といいますが、実際は 46図からなる錦絵です。




ヤブツバキは「一般的に椿(ツバキ)と呼ばれ、園芸品種の基本種となっている」(みんなの花図鑑「ヤブツバキ」)
学名 : Camellia japonica




花弁の色が褪せていますが、これは 下に落ちたもの。
「野生種では咲き終わった花が丸ごと落下するのもサザンカとの違いであり、「武士たちは、これが打ち首を連想させるとして忌み嫌った。」との俗説が知られる。」(庭木図鑑 植木ペディア「ヤブツバキ」)




ツバキ(ヤブツバキ)には 500を超える品種がある。「白侘助」「白唐子」「一休」「白長楽(しろおさらく)」「白玉(しらたま)」など (同上)



「花の中心部からは大量の蜜が分泌される。ヤブツバキの花が咲く季節は花を訪れる昆虫が少なく、花粉の媒介は主にメジロなどの小鳥が行っている。この季節、森を訪れると顔がヤブツバキの花粉で真っ黄色になっている小鳥を見ることができる。」(植物雑学事典「ヤブツバキ」)




ソシンロウバイとのコラボ咲き(^^♪




サザンカは秋から冬に花が咲く。ツバキは晩冬から初春。(同上)

サンシュユ、セイヨウサンシュユ - 競い咲き?

2021-02-23 09:27:01 | みんなの花図鑑
サンシュユ

安城総合運動公園のサンシュユです。



ランニングコース横に植えてあるサンシュユの一つです。



サンシュユはミズキ科。昨日のトサミズキはミズキが付くけれどもミズキ科でなくマンサク科でした。
こちらはミズキが付かないけれども ミズキ科ミズキ属 の木です(^^ゞ



グミに似た赤い実が生り、果実酒にします。
「和名は山茱萸を音読みしたもの、訓読みだとヤマグミ。」(三河植物観察「サンシュユ」)
「花は直径2~3㎝の黄色の4弁花。」「雄しべ4個」「葯は惰円形。子房は倒卵形」(同上)




セイヨウサンシュユ

こちらは 安城デンパークのセイヨウサンシュユです。品種名は「オーレア(Aurea)」



当地のサンシュユの中では このセイヨウサンシュユが一番開花が早いようです。(毎年そうなのかはチェックしてませんが)



サンシュユとセイヨウサンシュユ、花では区別できません。サンシュユの幹の樹皮のほうは薄く歳をとると剥がれてきます。







トサミズキ - 一番咲き?

2021-02-22 20:05:25 | みんなの花図鑑

きょうサンシュユの花を撮りにデンパークに行ったら、鉄砲山への橋のたもとのトサミズキの花がもう咲いていましたよ



ロウバイの花と入れ替わるように、トサミズキの花が咲きだすのかな?



よく間違えるんだけど、トサミズキは ミズキ科じゃなく マンサク科。



赤いのは 雄しべの葯。葯が割れると 中から黄色い花粉が出てきます。



園内にはたくさんのトサミズキが植わってますが、ここのが一番早いようです。


フブキバナ - 吹雪で何も見えません

2021-02-22 09:13:34 | みんなの花図鑑

名前が書いてないのですが、フブキバナでよかったでしょうか?
穂状花序の小花を観察しようとするのですが、吹雪で何も見えません<>?



フブキバナはシソ科の落葉低木。離れてみれば こんな風。



それでは 満足できないので、もっと近づいて シベがどうなってるか見てみたいのです。











「雄しべは葯が紫色。花柱の枝は紫色。」(三河植物観察「フブキバナ」)


フリージア - おしべ・めしべ

2021-02-21 18:14:08 | みんなの花図鑑
デンパークにて。

フリージア (Freesia refracta) は「南アフリカのケープ地方に10種あまりが分布しているが、オランダでの品種改良により現在では150以上の園芸品種が存在する。」(wiki 「フリージア」)




どうして花の原産地は 南アフリカのケープ地方が多いのでしょう?




「ケープ半島は地中海性気候でありはっきりとした季節がある。」(wiki 「ケープタウン」)
「10月から3月まで続く夏は暑くて乾燥している。半島は東南から強い風をしばしば受けるが、これは「ケープ・ドクター」と呼ばれている。汚れを吹き飛ばし、空気を清浄にするからである。」(同上)




さて、花蕊愛好家?にとっては フリージアのはっきりしたおしべ・めしべは 花弁とともにまたとない観賞の対象になります(^^)/




こうしてみると、シベは 花筒の天井側に着いているようです。




おしべ(手前)とめしべ(奥)がとても近い距離にあります。




めしべ(奥)の柱頭は 3つの分かれ、その先がさらに2つに分かれているようです。




開花直後のおしべ・めしべ?




雄しべの葯は縦に長いです。葯が割れて 文字通り 粉状の花粉が出ています。




続々・ツバキ展より - デンパーク

2021-02-21 10:30:00 | みんなの花図鑑
デンパークのツバキ展、最終回は主として 白~黄色のツバキ(Camellia)を紹介していきます。


ツバキ 「白羽衣(しろはごろも)」

羽衣(はごろも)の自然実生から生まれた品種。



白色で八重の蓮華咲き、筒しべ、肉厚の中~大輪のツバキです。






ツバキ 「フラワー・ガール」

デンパーク・コレクションのひとつで、解説板には 次のようにあります:
ツバキ ’フラワー・ガール(Camellia 'Flower Girl') は ツバキ科の常緑樹で、アメリカで交配された品種です
(C.sasanqua 'Narumigata' x C. reticulata 'Damanao') 。



鮮やかなピンク色の大輪花を咲かせますが、花びらは繊細で薄くしわがあるのが特徴で、クシュッとした可愛らしい花です。
デンパーク人は1999年に導入されました。





黄色ツバキ 「金花茶(キンカチャ)」

デンパーク・コレクションのひとつで、黄色いツバキです。
以下、解説板の解説をコピーします。

金花茶 (Camellia chrysantha)は中国南部からベトナム原産、ツバキ科の亜熱帯低木です。
花は光沢のある鮮やかな黄色で、蝋細工のような美しさが特徴で、日本へ導入されたのは1979年。
徐々に知名度は上がっているようですが、黄花のツバキはまだまだ珍しい花といえます。



デンパークの株は2000年に導入された、花つきのよい系統です。





黄色ツバキ 「黄鳳(きほう または おうほう)」

先ほどの黄色ツバキ「金花茶」と「白鳳」の交配により日本で作出されたのが この「黄鳳」(Camellia hybrid 'Kiho')ということですが・・・



ごらんのように、黄色というよりほとんど白です。





黄花ツバキ 「初黄」

やはり デンパーク・コレクションのひとつです。以下、その説明書きより

開花時期:12月下旬〜2月上旬
黄花ツバキ'初黄' (Camellia japonica x chrysantha 'Shyokou')は、ツバキ科の亜熱帯低木です。
1989年、ヤブツバキ '鳴立沢' (しぎたつざわ)と 金花茶(キンカチャ)を交配してできた品種で、日本における黄花ツバキ交配種のなかで最初に作出されたという点では貴重な品種といえます。
デンパークでは1997年に導入し、毎年冬に展示しています。



黄色ツバキの自生域について以下のpdfに面白いことが書いてあります。

「黄花ツバキの分布範囲は、中国の広西自治区からベトナム北部に連続し、地質的には地殻変動により海底の石灰岩が隆起したカルスト地帯の連なりにほぼ一致する。」(箱田 直紀(人間環境学科)「黄花ツバキの系譜と育種の現状」pdf)


以上、長々とデンパークのツバキ展にご紹介でした。いろいろなツバキが観賞出来て(名前に「?」のものもあり)面白かったです\(^o^)/

続・ツバキ展より - デンパーク

2021-02-20 18:00:00 | みんなの花図鑑
安城デンパークのフローラルプレイスのツバキ展のつづきです。


ツバキ 「ベティシーフィールド・シュープリーム(Betty Sheffield Supreme)」

白地に濃桃~紅の覆輪の入る、半八重~牡丹咲きの中~大輪で、花弁は少し波打つ



親種は 優秀な枝変り品種を生む木として知られている「ベティ・シーフィールド(Betty Sheffield )」。




本種は その枝変わり種。





ツバキ 「ハワイ」

淡い桃色の大唐子咲き~牡丹咲き



刻み弁が カーネーションのよう。



エレガンス系品種‘C.M. ウィルソン(C.M. wilson)’の枝変りで花弁が刻み弁(鋸歯弁)になったもの。
日本への紹介は1964年




ツバキ 'Nuccio's Pink Pearl'

園芸品種 日本原産




外側の花弁が濃いピンク、内側の花弁が淡いピンクになる。千重咲きで中輪









ツバキ 「ピンク・ダリア」






ツバキ 「薩摩紅」






ツバキ 「つたの細道・赤百合」

作出:日本 園芸品種の自然実生から生まれた品種
一重 長筒咲き





ツバキ Camellia cv. (品種名不詳 軟風?ではない?)

園芸品種(cv.) ですが、品種名は報告されていません。








雄しべの中の 3つに裂けた雌しべの柱頭が目立つ花です。









サザンカから ツバキへ

2021-02-19 16:00:00 | みんなの花図鑑
サザンカ

そろそろサザンカも終わりですね。




サザンカの雄しべは 根元で合着していません(後で見るように、ツバキは根元で一体となっています)。




手前のサザンカの花は すこし八重化しつつあります。




同じ株なのに、こちらは 一重です。




花弁が八重化するのは おしべが花弁に変化すると言われています。




この花は 花弁が八重化しつつありますが、雄しべがまだ少し残っています。




ツバキ





椿の雄しべは 基部で合着して王冠のようになっています。




王冠のような雄しべの中に 雌しべがあります。先の柱頭は6つに裂けています。



ツバキ(港の曙、デンパーク)

港の曙(みなとのあけぼの)は、ツバキの園芸種「関東月見車」とルチエンシス(ヒメサザンカ)の交配種で、
桃色地に底白ぼかしが入る、一重咲き、猪口咲き、極小輪、多花性のツバキです。(nae-ya「ツバキ(椿):港の曙」より)




甘い香りと花付きがよいのが特徴で、開花期には可愛らしい花をたくさん咲かせ、同時に香りも楽しめます。
開花期:11月~3月
(同上)





アブラナ、コウサイタイ - がん予防

2021-02-19 10:42:58 | みんなの花図鑑
ともにアブラナ科の花です。

セイヨウアブラナ (以下、単にアブラナ)

アブラナだけでなく、一般に「アブラナ科の野菜にはがん予防効果があるといわれており」(wiki 「アブラナ科」)・・・




「アブラナ科のイソチオシアネートの効果とも、
イソチオシアン酸の誘導体が肝臓で抱合反応などによって解毒する作用を持っている酵素に働きかけるためだともいわれている。」(同上)




でもこういう効果は 葉の部分が主体で、特に花がもつ効用ではないようです。アブラナ科の ワサビ、からし、大根おろしなどのツンとして辛いのは 「篩(ふるい)部に「ミロシン細胞」という特殊な細胞があり、」「植物体が傷つくとミロシン細胞内の酵素(ミロシナーゼ(英語版))が配糖体を加水分解してイソチオシアン酸アリルを遊離」(同上)するから辛いのだとか。


篩(ふるい)部というのは 下図の黄色の部分のことらしいです(あやふやでスミマセン)

出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Original File:Xylem and phloem diagram.svg




ところで、アブラナによく似た花に カラシナがあります。
アブラナのほうが少し早く咲きだすといわれてますが、時期が重なる季節は どう区別するのでしょうか?




よく言われているように、 葉の付け根が耳型になり茎を抱いています。カラシナ(セイヨウカラシナ)ではそのようなことはありません。



必ず茎を抱いているかというと、こんな部分もあったりで、万能の方法というのでもないようです。
あと 生えている場所が 畑のばあいは アブラナ、川の堤防などでは カラシナのことが多いようです。
(あまり自信が無いので、アブラナの話は このあたりで m(_ _)m)




コウサイタイ(紅菜苔)

畑に植えてらっしゃる方は 何を今ごろ?と思われるかも (´・ω・)




花はアブラナ科特有の十文字の4弁花で、茎が紫色をしているのですぐ分かります。
茎の色は 寒いとより鮮やかな赤紫色になるそうです。




揚子江中流域(武漢のあたり)で成立したとされ、日本では1970年代頃から栽培が始まったようです。




横から見るとこんな感じで・・・ 昨日の タネツケバナ とよく似た果実を付けています。




花弁が4個なら、雄しべも4個かと思いますが、5個見えますね?

「アブラナ科植物の花の基本数というのは「4」になります。蕚片が4枚、花弁も4枚、という形です。では、なぜ、雄しべが4の倍数になってないかということなのですが、」(以下、つづきを読みたい方は 植物Q&A 「アブラナの雄しべの長さ」 をどうぞ (^^)/)