まあどうにかなるさ

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母の俳句と姪の筆字

2017-01-28 20:32:09 | 日記

正月に帰省した時に居間にかけられてあった俳句の色紙
筆字は中学生の姪が書いたもの。
書道はかなりの腕前である。

 

傘寿過ぎ
なお夢のあり
枇杷の花

80を過ぎても孫の花嫁衣裳を一目見たい…
そんな夢はまだある。
枇杷の花は初冬に咲く白い小さな花である。
目立たないけど香りがよく、寒々とした冬には趣がある。
思いがけず見つけた小さな花にそんな思いを馳せた句である。

 

胸にある
父の言葉や
草珊瑚

草珊瑚は千両とも呼ばれる常緑の灌木。冬に小さな赤い球果を沢山付ける。季語は冬。
もうとっくに亡くなった父の言葉を今でも思い出すことがあると詠った句である。
母の父つまり僕の祖父が亡くなったのは50年近く前である。
草珊瑚はもしかしたら母の実家の庭に植えられていたのかもしれない。
小さな一見女性的な赤い実を見て、母ではなく何故父を思い出すのか…
幼いころの母だけの大切な記憶であろう。