まあどうにかなるさ

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公園のベンチに似合う人

2017-02-11 23:14:03 | コラム

公園のベンチを見て、ふと考える。
ここへ座ったとして、風景の中で僕はどんな風に他人の目に映るだろう。
こんなおっちゃんだし、絵になる風景とは思わない。
全身から人生の深みを滲み出すような渋さは全くなく、中年男が少し疲れた雰囲気を漂わせながら、風景との違和感を少し醸し出す様な残念なビジュアルになるだけだと思われる。
スーツ姿のサラリーマンは職場や移動中の電車や車が似合っている。普通に考えると無縁である公園のベンチには似合わないのも道理である。
公園のベンチに座って絵になるのは、例えば小さな子供を遊ばせながら、優しい微笑を浮かべて見守るような母親。例えば、木陰のベンチで読書を楽しむ若い女性。
案外、老人もベンチと合うのではないかと思う。特に何をするわけでもなく昔をふと思いながら、余生の時間を噛みしめるようなまったりとした時間を過ごす。
これは絵になると思う。
アベックはどうだろう?
ゆっくり話ができるかもしれないが、喫茶店でなく何故その公園なのだろう…などと余計なことを考えてしまい、風景として二人が溶け込んでいるかどうかは二の次になってしまうように思う。
今では公園のベンチは、腰を下ろしてスマホをするために使われるのがほとんどであるように思う。
公共のモノではあるのでどのように使うかは自由だし、公園のベンチはみんなのモノなので、誰が使おうと構わない。
だけど、ベンチに座って絵のなるような人が座っている場面は少なくなったようにも思う。