まあどうにかなるさ

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埼玉の立ち位置

2019-09-29 00:25:51 | コラム

映画『翔んで埼玉』が予想外のヒットを飛ばし、県内では思いがけないロングランとなった。
埼玉県が思いっきりディすられた内容にも関わらず、埼玉県民は自虐的なジョークを楽しむかのように映画館に足を運んだのである。
この映画は埼玉県以外では成立しえなかっただろうと思われる。
何故か埼玉は関東ではあたかも片田舎のような扱いを受けている。
でも、それはみんなが言うほど埼玉は田舎ではないという共通認識をもつが故、しゃれとして県民もあえて受け入れている感がある。
埼玉県は特徴がない。埼玉と聞いて思い浮かぶ個性がない。
県としての没個性は全国でも群を抜いているのではないだろうか。元々東京のベッドタウンとして発展した経緯があるため、県民に郷土愛が希薄であることが要因だと思う。
首都圏ではあるが、都会的なイメージはなく地味。海もない。それなりに名所はあるが全国的ではなく、遠くからわざわざやってくる観光客は少ないと思う。千葉県にある東京ディズニーランドのようなキラーコンテンツがない。
埼玉県の立ち位置は独特である。
関西で埼玉県に匹敵する立ち位置の県はないと思う。
東京都に対しての神奈川県は大阪府に対して兵庫県、千葉県は和歌山県が匹敵すると思うが、埼玉県に匹敵する県は関西にはないのではないだろうか。京都府は全く違うし、奈良県が似ているかもしれないが、奈良県には歴史があり、埼玉県にはそれはない。奈良県から歴史的な要素を取り除けば埼玉県の立ち位置と少し似るのかもしれない。
そんな特徴のない埼玉県だが、都道府県の人口では全国第5位。
そして、県庁所在地のさいたま市の人口は約130万人。これは仙台市や広島市よりも多く、京都市と肩を並べる数である。埼玉県に百万都市がある事さえ、関東の人でも知らない人が多いのではないだろうか。さいたま市の大宮は関東でも有数の繁華街である。印象としては新宿や池袋にも引けを取らないと思う。
埼玉県内の市の数は全国一、実は埼玉県はイメージに反して案外都会的な要素も多い県ではある。