上野の東京国立博物館へ『正倉院の世界』を見に行ってきた。
奈良では毎年『正倉院展』が開催されているが、東京で開催されるのは38年ぶり。正倉院に収められていた宝物の代表作が公開されている。
奈良、東大寺の横にある正倉院には9000点にものぼる文化財が収められている。そのうち国内で製造されたものは9割。1300年もの時を超えて文化財を現在に伝えているのである。
校倉作りと呼ばれる正倉院の建物は三角形の切り口の角材を横にしていくつも重ねて作られている。晴れた日には角材の間にわずかな隙間が生まれ、風通しをよくし、雨の日は角材が膨張して隙間を塞ぎ、湿気をシャットアウトする。保存技術の粋を集めたタイムカプセルのような巨大な防湿庫である。現在は昭和に建てられた防湿を完備した近代的な建物に文化財を移している。
展示会では正倉院実物大の部分模型が展示されていた。 床まで3メートルくらい、かなり大きな建築物だ。
今回の展示会の目玉は『螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんのごげんびわ)』
世界でも現存する五弦琵琶は正倉院に残されたものだけだそうだ。(写真は絵葉書)
この度、8年をかけて復元された『螺鈿紫檀五弦琵琶』も同時に展示されていた。実際に演奏された音を録音したものが会場で流されていてとても美しい音色である。明治にも一度復元されたことがあり、そちらも展示されており、撮影がOKだった。
大仏を建立した聖武天皇と光明皇后の思い出の品の一つ、平螺鈿背八角鏡(絵葉書)
銀薫炉(絵葉書)
紺牙撥鏤碁子(絵葉書)
螺鈿紫檀阮咸(明治に復元されたもの)