初日、新宿ピカデリーで見てきました。
外は快晴、見終わった後の心も快晴といった感じです。
なんか、いいんですよね、走り方が。出演者の本気がそのまま。
体が切れていて、足運びが鋭い。テンポも速く、着地して蹴り足を巻き戻し、
地面からの反力で膝が自然に高く上がる。
格好いいんです。上下動の少ないフォームは長時間走り込んで、
体に覚え込ませたものに間違いない。
そうでなければ、中継風の映像構成をするとき、絶対ばれます。
どういうことかというと、この映画は、全身ショット、アップショットだけではなく、
ビル上からの俯瞰、ヘリからの空撮まで使い、走り方をありとあらゆる方向から
撮影しているのです。もし「部分」でしか走っていなければ、絶対偽物であることが
分かってしまうと言う危険な構成なのに、いや、本当に箱根駅伝の正月中継を
見ているのではないかと思えるほど、役者たちの走りに違和感が無いのです。
だってそうでしょ。普通、野球ものとかを映画でやる場合、えらくアップばかりで、
全身映像なんてほんの少し。それでも全身が映ったとたん、体ができてないわ、
力のバラスがバラバラだわでガッカリすることばかり。
そんな不満が今回はまるでなく、ストーリーラインにとけ込んでいるのです。
主役・ハイジを演じる小出恵介、走(かける)役の林 遣都はもちろん、
箱根に駆ける無謀とも思える夢に挑む青竹荘の10人みんながやりとげています。
2時間の映画ですから、ストーリーの豊かさ、とくに登場人物それぞれの個性や
それを育んだ20年前後のヒストリーは小説や漫画と比べものにならないほど
薄められてしまうのですが、映像と音の迫力が、青春のさわやかさ、希望、努力
友情を真っ直ぐに届けてくれることとなるのです。
そう、もう一度大学生に戻りたい。劇場を出るときに真っ先にでた、私の正直な
感想です。