今週も麺’sウイークになってしまったけれど・・・
雪のもたらす冷たい一日を終えると、体は芯から冷えて、
イメージはあったかーい汁を一緒にいただく麺類になっています。
そこで、BURUTUSラーメン・うどん・そば特集で見つけていた
新宿の新進気鋭のうどん店「慎」さんを思い出したのです。
最寄り駅は小田急線の南新宿。代々木ゼミに行く人でもなければ
それほど使うことのない駅でしょうが、夜になるとここに居を構える
人以外に、駅の周りに人の姿がありません。
あるくこと4分、都会の夜空にそびえるJR東海病院や、
代ゼミのビルの壁を抜けて、ひっそりたたずむ長屋の一軒に・・
あ、長屋は言い過ぎ。そんなふうな、小さなビルの連なりということですが。
見つけました、うどん、という蛍光灯に照らされた看板が闇に浮かんでいます。
店の中は、まさしくウナギのなんとか。
カウンターが5席と、壁沿いにテーブルが3つ。
店の方は2人いて、無骨を絵に描いたような、だけどお顔を拝見すると
微笑ましい感じのする、どっしり体型の男性がカウンターと、調理場で働いています。
まず目につくのは、大きな釜と製麺機です。
実はこちらはオーダーすると、寝かしたうどん玉を出してきて軽く伸したあと、
客の目の前で製麺機に入れて、打ち立ての麺が作り出さされ、そのまま茹であげられるという
システムなのです。
これ、なかなかに楽しい。間違いなく、おなかの減り具合がますます食欲を増してきます。
できますものは、ようやくすれば茹でたうどんと、天ぷらが何種類か。
酒飲み以外にはそれだけです。
私たちは、冷たく締めた麺に、げそ天、鳥天、ちくわ天をつけました。
10分近くゆで時間があって出てきますと、それはそれはつやつやで美しく、
この輝きは滅多に見たことがありません。これこそ打ち立てゆでたての真骨頂でしょう。
口にほおりこんで、すすった唇へのあたり、なかで踊るようにしなる麺は実に好ましい物でした。
軽く息をすうだけで、ほんとうにつるつるつるーと、なめらかに、まっすぐに流れ込んで
くれるのですから。
そんなわけで、なぜか温かい汁の麺ではありませんでしたが、
たっぷりの麺で幸せになることはできた週末を前にした夜なのでした。
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