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「だから笑介」と漫画のタイトルを言っても、覚えている人は
そう多くはないかもしれません。
ただ私たちフサオマキの間では、「小麦輸入の担当商社マン」
として深く感銘を覚えている人物です。
日本のパンやケーキはとても美味しくなったといいます。
確かに、美味しいものがたくさんあります。
ただ、もっと美味しい小麦由来の食べ物を口にしてしまいました。
チューリッヒの夕ご飯はPULCINOという、表通りと裏通りの
間にある、まるで京都の町家のように、奥行が深いイタリアンレストランです。
英語もドイツ語も今ひとつ得意でなさそうなウェイターに導かれ、
裏通りに向かった2段テラスの上側の席につきました。
チョイスしたのが、前菜に焼き野菜のモッツアレラチーズ添えとトマトスープ。
ここで、水牛チーズのさわやかさと、トマトの酸味をスープのうまみで喉奥に
クリーンヒットしてくれる妙技を堪能。
日本人らしくメインにしてしまうパスタに期待が高まります。
そして、そのとおり、小麦の実力を知ることになったのが、
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どっしりと口に含めば含むほど膨らんでいくパスタの味が
もう楽しくてしょうがなく、うほうほと食べながらに小声を
あげてしまうほどでありました。
本当に、小麦のもつグルテン独特の甘みがどこまでも続きます。
喉に流し込むのが惜しまれます。
もちろんこの地の豊かな体格の人々を満たすべく、皿の量は存分に
あるのですが。
そんなことを忘れてしまうくらいに、ひと匙で満足を覚えたわけです。
これまでも結構パスタは好きでしたが、
この日本のリストランテでも、輸入食品店でも味わったことのない
パスタは、どうしたものなのでしょう。
これはきっと小麦の質によるものに違いない、というのが
食後の結論となりました。
だから、ぜひ、美味しい小麦を選んで持ってきてねと、
商社マン笑介に呼びかけたくなったのでした。
さすが、ヨーロッパの小麦ですね!
よね。やはり土壌の、違いか 歴史の、違い
でしょうか?
それでも、岡本には本場の味に近いパンがあるから
羨ましいです。