またまた話はさかのぼって,出張の初日。チャドルパギの名店,三角地のボンサンチプに行きました。
ホテルにチェックインしたのが夜8時過ぎ,フロントで友人と待ち合わせたのが8時半だったので,ミョンドンからタクシーを飛ばして店についたのは9時すぎでした。7時頃には行列ができる人気店でも,この時間になるとすでに店内は空席が目立つ。
「久しぶりですねえ」
私の顔を覚えていてくれました。
「何時までですか」
「10時までです。まだ十分時間ありますよ」
と感じよく迎えてくれました。
チャドルパギは2万ウォン。最後に来たときより多少値上がりしたようです。しかし,味は昔のままなのが嬉しい。チャドルを二人前平らげ,次にヤン(ミノ)を注文。ミノの歯応えも昔のままでした。チャミスルは二本目に突入。
9時半を過ぎると新しい客は入れない。どうやらわれわれが最後の入店客だったのようです。
「テンジャンはどうしますか?」
アジュンマが聞きにくる。ここに来る理由の半分はこの絶品のテンジャンチゲにあるので当然頼むのだけれども,まだ網の上にはヤンが残っている。
「もうちょっとしてから…」
と言ったにもかかわらず,アジュンマはテンジャンをもってくる。本当は肉を食べ終わって,網を取り去って,炭火の上に直火でテンジャンの鍋を置くのですが,まだ肉があるのでテンジャンの鍋はテーブルの上に置かれる。
9時45分を過ぎると店の片づけが始まる。そして,しばらくしてスップル(炭火)アジョシが炭火を下げにくる。
「いや,まだですよ」
するとアジョシの表情が曇る。われわれは急いで残りのヤンを平らげ,網をとってテンジャンチゲの鍋を置く。われわれがテンジャンチゲとパプ(ごはん)に取りかかり始めたのが9時50分。掃除をしながらテーブルのわきを通りすぎるアジュンマたちの表情が明らかに不機嫌になっているのがわかります。
(あの,入店時の微笑みはどこへ行ったのか)
「10時まで」というのは,客が10時までいていい,というのではなく,自分たちが店の出る時間のようです。
もちろんアツアツのテンジャンチゲを10時ぴったりに食べ終わるはずもない。10時を過ぎたところで,アジュンマの攻撃が直接われわれのテーブルに及び始めました。テーブルの上のカンジャンとかテッシュとかを片づけ始めるんですね。表情はこれ以上ないほど険しい。
(しかし露骨だなあ…)
10時5分になるとこれ以上いたたまれない状況に追い込まれ,われわれもついに腰をあげたのでした。
だいたい韓国の飲食店は,日本に比べて感じの悪い店員が多いけれど,これは人気のある店ほどひどいような気がします。
最初に思いつくのがムギョドンにある冷麺の老舗,南浦麺屋。
(文句があるなら来なくていいのよ)
というかんじ。それでもおいしいから行ってしまうんですけどね。
そして,コリアナホテルの裏にある明洞カルククス(ミョンドンにあるやつとは関係がないようです,念のため)。ここのマンドゥーククは,大きなのが5つ入っていて,味も絶品。夏はネンコンククスが旨い。私は,以前の事務所がこのそばだったので,昼御飯に週一回は行っていた。
あるとき,うっかり財布を置き忘れたんですね。午後3時ごろに気がついてとりにいってみると,幸いなことにレジで預かってくれていた。
「チョンマルコマプスムニダ」
さっさと受け取ろうとすると,アジュンマ,なかなか渡してくれない。財布を見つけて,ちゃんと保管していたこと。それはどんなに親切な行為であるかを,こんこんと説明してくれる。
(はあ…。でも客の忘れ物を保管しとくのは当たり前だと思うんだけど)
ぐだぐだ言われ続けると
(もしかして,暗にというか露骨に「謝礼」を要求しているのか?)
という気がしてきました。
(いや,間違いない。謝礼の要求だ。こんなお得意さんにむかってそんなことをするのか)
こうなるとこちらも絶対に謝礼は払わないぞ,という気持ちになってしまいます。結局,5分以上説教を受けたあと放免されました。そのときは「二度と行くまい」と思ったのですが,やっぱりその後も通いましたけどね。
ホテルにチェックインしたのが夜8時過ぎ,フロントで友人と待ち合わせたのが8時半だったので,ミョンドンからタクシーを飛ばして店についたのは9時すぎでした。7時頃には行列ができる人気店でも,この時間になるとすでに店内は空席が目立つ。
「久しぶりですねえ」
私の顔を覚えていてくれました。
「何時までですか」
「10時までです。まだ十分時間ありますよ」
と感じよく迎えてくれました。
チャドルパギは2万ウォン。最後に来たときより多少値上がりしたようです。しかし,味は昔のままなのが嬉しい。チャドルを二人前平らげ,次にヤン(ミノ)を注文。ミノの歯応えも昔のままでした。チャミスルは二本目に突入。
9時半を過ぎると新しい客は入れない。どうやらわれわれが最後の入店客だったのようです。
「テンジャンはどうしますか?」
アジュンマが聞きにくる。ここに来る理由の半分はこの絶品のテンジャンチゲにあるので当然頼むのだけれども,まだ網の上にはヤンが残っている。
「もうちょっとしてから…」
と言ったにもかかわらず,アジュンマはテンジャンをもってくる。本当は肉を食べ終わって,網を取り去って,炭火の上に直火でテンジャンの鍋を置くのですが,まだ肉があるのでテンジャンの鍋はテーブルの上に置かれる。
9時45分を過ぎると店の片づけが始まる。そして,しばらくしてスップル(炭火)アジョシが炭火を下げにくる。
「いや,まだですよ」
するとアジョシの表情が曇る。われわれは急いで残りのヤンを平らげ,網をとってテンジャンチゲの鍋を置く。われわれがテンジャンチゲとパプ(ごはん)に取りかかり始めたのが9時50分。掃除をしながらテーブルのわきを通りすぎるアジュンマたちの表情が明らかに不機嫌になっているのがわかります。
(あの,入店時の微笑みはどこへ行ったのか)
「10時まで」というのは,客が10時までいていい,というのではなく,自分たちが店の出る時間のようです。
もちろんアツアツのテンジャンチゲを10時ぴったりに食べ終わるはずもない。10時を過ぎたところで,アジュンマの攻撃が直接われわれのテーブルに及び始めました。テーブルの上のカンジャンとかテッシュとかを片づけ始めるんですね。表情はこれ以上ないほど険しい。
(しかし露骨だなあ…)
10時5分になるとこれ以上いたたまれない状況に追い込まれ,われわれもついに腰をあげたのでした。
だいたい韓国の飲食店は,日本に比べて感じの悪い店員が多いけれど,これは人気のある店ほどひどいような気がします。
最初に思いつくのがムギョドンにある冷麺の老舗,南浦麺屋。
(文句があるなら来なくていいのよ)
というかんじ。それでもおいしいから行ってしまうんですけどね。
そして,コリアナホテルの裏にある明洞カルククス(ミョンドンにあるやつとは関係がないようです,念のため)。ここのマンドゥーククは,大きなのが5つ入っていて,味も絶品。夏はネンコンククスが旨い。私は,以前の事務所がこのそばだったので,昼御飯に週一回は行っていた。
あるとき,うっかり財布を置き忘れたんですね。午後3時ごろに気がついてとりにいってみると,幸いなことにレジで預かってくれていた。
「チョンマルコマプスムニダ」
さっさと受け取ろうとすると,アジュンマ,なかなか渡してくれない。財布を見つけて,ちゃんと保管していたこと。それはどんなに親切な行為であるかを,こんこんと説明してくれる。
(はあ…。でも客の忘れ物を保管しとくのは当たり前だと思うんだけど)
ぐだぐだ言われ続けると
(もしかして,暗にというか露骨に「謝礼」を要求しているのか?)
という気がしてきました。
(いや,間違いない。謝礼の要求だ。こんなお得意さんにむかってそんなことをするのか)
こうなるとこちらも絶対に謝礼は払わないぞ,という気持ちになってしまいます。結局,5分以上説教を受けたあと放免されました。そのときは「二度と行くまい」と思ったのですが,やっぱりその後も通いましたけどね。
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