なぜ俗語に文法がなかったか。それは、必要がなかったからです。俗語は、人間が生まれてすぐに母から学び始め、成長するにしたがって自然に習得する言語、すなわち「母語」です。一方、ラテン語は中世ヨーロッパにおいてすでに話し言葉としては「死語」であり、意識的に学ぶことによってしか習得できない書き言葉でした。そして、ラテン語を正しく読み書きできるためには、文法が必要であり、効率的な習得のためにも有効でした。 . . . 本文を読む
「インドネシア語には文法がないから易しい」 このインドネシア人の言葉を聞いて、大昔(たぶん30年以上前)に読んだ本を思い出しました。田中克彦という言語社会学者の『言葉と国家』(岩波新書、黄版)です。幸い、まだ保管していたので、その内容を紹介したいと思います。 この本には、ドイツの言語学者マウトナーの「文法の誤りなどというものは、文法が発明される以前にはまったくなかった」という言葉が引かれています。 . . . 本文を読む
大阪に戻ってから、中津(梅田から地下鉄で1駅)にあるインドネシア料理屋に行きました。2か月ぶりぐらいです。 このお店は、日本に10年以上いるインドネシア人の店長さんと、大阪の大学に留学中のアルバイト男性の二人でやっています。 留学生は、大学で「測地学」という難しそうな学問を勉強中。日本語学校から大学に入学したときは、授業の日本語のスピードが速すぎてついていけないと言っていました。「大学の授業、ど . . . 本文を読む
ずいぶん前に、東京・大塚のミャンマーバーを紹介したことがあります(→リンク)。 大阪に転勤してから足が遠のいていたのですが、久しぶりに行ってみました。このお店は、カラオケもあって、週末、特に日曜日にカラオケを歌いに来るミャンマー人で賑わうと聞いていました。平日の仕事で疲れた労働者、留学生たちが、一週間のストレスを発散しにくるのだとか。 日曜日の夜、テーブル席に2グループ、そしてカウンタ . . . 本文を読む
韓国出張から帰った翌日、慶州で地震があり、発生直後、韓国の知り合いからラインが入りました。「ソウルも揺れたけど、日本はどう?」「大阪では感じなかったよ」 私が韓国に駐在していた11年4か月の間に、実際に体感した地震は1回だけ。ソウルの、ビルの2階にあるカレー屋さんで昼食をとっていたとき、つり下げ型の照明器具や大型テレビがゆらゆらと揺れました。震度としては「3」ぐらいだったでしょう。 今回の慶州地 . . . 本文を読む
三日目の土曜日は移動のみ。 ホテルの前で流しのタクシーを拾います。煙草を取り出して、火をつけようとしたとき、ピンチャ(空車)のタクシーが来ました。煙草をしまって乗り込もうとすると、「たばこ、吸いなよ。メーター倒さないで待ってるから」というキサニム(運転手さん)の言葉にあまえて、一服しました。「私も煙草吸うから、気持ちがわかるんだよ」 少し会話して、ぼくが日本人だということがわかると、いろいろと話 . . . 本文を読む
二日目の夜、現地駐在員は私よりも前に韓国入りした出張者も含め連日つきあってくれていたので、この日は遠慮し、個人的な友人と食事をすることにしました。 在韓20年のKさん、前回の出張ではちょうど一時帰国していてすれ違いでしたが、今回は幸いソウルにいました。「じゃ6時半にホンデイプクの2番出口で」 待ち合わせの場所に10分ほど遅れて到着すると、Kさんはまだ来ていない。5分ほど経ったとき、場所を間違えた . . . 本文を読む
二日目のお昼はプデチゲを食べました。 プデチゲの「プデ」は漢字で書くと「部隊」。そしてこの部隊というのは、美軍(米軍。韓国で米国のことを美国(ミグク)といいます)の部隊のことです。 1950年に韓国戦争(朝鮮戦争)が勃発し、朝鮮半島は混乱の極致に陥りましたが、それが落ち着いたころ、米軍の基地の周辺には、米軍から横流しされた物資を使った食堂が次々とオープンしました。米軍が持ち込んだスパム(缶詰の肉 . . . 本文を読む
二泊三日の韓国出張です。 出張が直前に決まったため、チケットをとるのに苦労しました。ようやくとったのがANA便で、往路は関空→仁川、帰路は金浦→羽田→関空。(なんで羽田に寄らないとなんないんだよ)と思いましたが仕方がない。 早朝に関空を出発し、機内で簡単な軽食が出ます。 日本のソース焼きそばの上に半熟のオムレツと鶏のから揚げが載っている。そしてチューブのコチュジャン . . . 本文を読む
週末に妻が大阪に来ました。 なんでも、娘たちと海外旅行に行くのに、東京出発便よりも大阪出発便のほうがかなり安いということで、私の家に泊まるということでした。 長女と三女は勤め先の夏休みがフレックスで、二人とも9月にとることにした。それでいっしょにどこか海外に行こうという話がまとまったそうです。それに私の妻も便乗。「何食べる?」「焼き肉。前に来たときに行ったあのお店、おいしかったから」 新大阪に「 . . . 本文を読む
8月の終わりに、結婚した次女の夫の実家(久留米)から宅急便が届きました。 開けてみると「巨峰」でした。なんでも久留米は巨峰栽培の発祥地だとのこと。たくさんとれるようです。 しかし、ダンボール一箱で、量がはんぱじゃない。優に20房以上あります。(これ、とても食べきれないぞ) 大阪に住む娘に連絡すると、週末は仕事で平日も午後のシフトが多く、夜遅くに帰るとのこと。渡す時間がありません。私の単身赴任先の . . . 本文を読む
朴裕河教授に対する刑事裁判が、8月30日に行われました。 この裁判は、朴教授が「国民参加裁判」の申請をして、その可否を判断するための準備期間が設けられていたために延びていましたが、朴教授は、「『帝国の慰安婦』に対する誤った認識が広まり、国民が公正な判断をできる環境にない」と判断したため(→毎日新聞)、7月19日に申請を取り下げ、この日、一般的な裁判として初公判が行われたものです。 公判 . . . 本文を読む