世界的・きげき(喜劇)王・チャールズ=チャップリン の
日本びいきは、
日本人を
たいへん・しんらい(信頼)し、
しつじ(執事)として、やとっていたことに たん(端)を
発する
というのは
わりと有名な話、だそうですが、
「その、執事という職業の人を 題材にした、傑作小説がある。」
と
うちのチットが 言うので、
ちょっと・ここで
ご紹介させて いただきます
その小説のタイトルは、「日の名残り(ひのなごり)」
書いたのは、
日本生まれのイギリス人作家、「カズオ・イシグロ」っていう人です
(日本でも知られはじめていますが、イギリスでは売れっ子作家で、
この小説で、
「イギリス最高の文学賞」をとった、大物です)
作品は、タイトルの通り、「大英帝国」の光が
かげった、
「第二次世界大戦」前後を
ぶたい(舞台)と
しており、
大戦前夜のイギリスにおいて、「ダーリントン・ホール」
っていう
「伯爵のお屋敷」
で
しつじ(執事)をしていた、
「スティーブンス」っていう、50代男性が、主人公です。
主人公・スティーブンスは、名士「ダーリントン卿」に
長年仕えた、
バリキャリのしつじ(執事)
「イギリス執事界」における、さいこう(最高)クラスの
しつじ(執事)で、
およそ 「執事に必要な条件」、すなわち、
口がかたい、
忠実、
気が利く、
ぬかりない、
手ぎわがいい、
ていねい(丁寧)きわまりない、
etc・・
を
全部もってる・だけでなく
名門の内向きを 取り仕切るに、あたいする、
「品格」を
そなえています
お話は、彼が、ダーリントン・ホールで はたらいていた時の
出来事を
じゅっかい(述懐)するかたちで すすみますが、
その中で語られる、「プロとしての執事のあり方」や
「矜持(きょうじ)」といったものが、
読者につよく・うったえかけてきて、 (←砂糖)
まるで、
NHKの「プロフェッショナル・仕事の流儀」でも、
見ているかのような、
発見や、なっとく(納得)が あったりします
とくに
戦前のイギリスやしき(屋敷)で 開さい(催)された
パーティのようすや、
そこに集う人々
の
丹念な描写 は、
クリンたちみたいな、「極東の庶民」には、
まるっきり
知るよしもなかった、
きちょう(貴重)な
けしき(景色)・・
また、かくのごとき・きぞく(貴族)の邸宅で、大きなパーティーを
切りまわす、
スティーブンスの はたらきが 見事で、
「本物の上流階級の館、って、こういうものか」
と、
かんしん(感心)させられます (←ミルク)
なにしろ・・、「執事というものはイギリスにしか
存在しない。
イギリス以外は
『召使い』という。」
という、言い方が あるらしいですから (・・すごい。)
さて・・、
そんな世界を、よくまあ、日本生まれの「カズオ・イシグロ」が
調べ上げたものだ
と
かんしん(感心)しますが、
カズオ・イシグロ作品の おもしろいところは、
こういうことを 描きながらも、主人公・スティーブンスが
けいあい(敬愛)する主人、
「ダーリントン卿」にまつわる 政治の話を、
ちょっと、ミステリー仕立てに まぜこんでみたり、
はたまた、「主人公・スティーブンスと、女中頭の淡い恋」
を
もどかしげに 組み込んで、
(このあと、ふたりは どうなるの~~)
って
つづきを 気にならせる
話運びに あります
のちにつくられた、映画のほうでは、「職業的責務」にしばられて、
実らなかった「恋の思い出」
に
重きがおかれているように
見えましたが、
原作のほうでは、「ダーリントン卿」が、いと(意図)せずして
まきこまれていく
ナチス=ドイツの 対イギリス工作
の
黒々した・フンイキが
伝わってきて、
こわい・みりょく(魅力)が ありました・・。
(ステキな「ダーリントン卿」は、のち・売国奴扱いされて
死にます)
そして、
スティーブンスは、、
・・・・・
すいも 甘いも かみわけた・・
しつじ(執事)と、ふるきイギリスの お話です。