クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

運慶の小説(松本清張「小説日本芸譚」感想)

2017-11-19 | 本と雑誌

 力づよい・肉体美を 見せつけ、「鎌倉彫刻界」に

しん(新)時代の いぶきを

吹きこんだ

 ぶっし(仏師)・うんけい(運慶)・・

 その、あっとう(圧倒)性を 代表するのが、

東大寺南大門

こんごう(金剛)力士ぞう(像)

です

 このぞう(像)、「運慶・快慶が作った

教科書に

書いてあるので、

 2人のことを、おやこ(親子)だと 思っている人も

けっこう・いるはず


ですが

 れきし(歴史)にくわしい・うちのチット

によれば、

2人には

血のつながりはなく、

 同じ「慶派」というグループに ぞくする、

兄弟・弟子

だということ


 立場的には、一門のボスの子である、うんけい(運慶)

ほうが

で、

 かいけい(快慶)は、うんけい(運慶)のことを「若棟梁

あおぎながら

 うんけい(運慶)とは ことなる・スタイル

仏ぞう(像)を

つくり、

うんけい(運慶)と 同じくらい

かっさい(喝采)を浴びた

おとうと弟子

なのだそうです


 かいけい(快慶)が好きな・うちのチットは、

しずかで

とうと(尊)さを

たたえる

かいけい(快慶)の作風から、

 「よくまあ、この人が、運慶とペアで、あんな

ごっつい

金剛力士像を 製作したもんだ・・」

などと

思ってたのですが

 そのことを、昭和の「社会派推理作家」、松本せいちょう(清張)が、

小説の中で

同じように ぎもん(疑問)に

していて

 

 「あれは、どっちが運慶か快慶か 分からんじゃないか。

快慶を 

あれほどまでに自分に統制するとは、

運慶ってやつは

すごい統制力をもった男だな」

などと、

ぐんしゅう(群衆)の一人に

つぶやかせたり・してるのを

見つけて、

よろこんでいました



 松本せいちょう(清張)のたんぺん(短編)

「小説日本芸譚」は、

・運慶

・世阿弥

・千利休

・雪舟

・古田織部

・岩佐又兵衛・・・

など、

 れきし(歴史)上の ビッグアーティストに取材し、

一人30ページくらいで

切り取った、

エッセンス・ノベル


 その中で、うんけい(運慶)は、野心あふれる

「革命児として

描かれてます

 主人公・うんけい(運慶)は、それまでの、「上品で正統的な、

仏像彫刻の本流」に あきたらず、


あらあらしくも

 生きた人間の体に にくはく(肉迫)するあたらしい

「彫像」を 

世におくり出す・・。

 すると、武士の世の おとずれが、うんけい(運慶)の作風を

受け入れて

うんけい(運慶)は

いちやく・トップ

おどり出す

 

しかし、そのじつ

 うんけい(運慶)の心の中には、天才のおとうと弟子・「快慶」への

しっと(嫉妬)

うずまいていた・・


 という、切り口です


 ・・・自分には作れない、せいひつ(静謐)で、

上品な

仏さまを 

ほり出せる・かいけい(快慶)

に、

じわじわと おそれをかんじる、うんけい(運慶)。。

 

 松本せいちょう(清張)らしい、男の世界のゴワゴワの中に

うんけい(運慶)を

放り込んだ、

一作です・・


 チットは、はじめてよんだ時、すごく面白い

思ったそうですが、

今は

ちがう・かんそう(感想)を

もっているらしく、

こんなことを 言っています

 

さすがは松本清張、

  面白い目線だよね~。さもありなん、な

  まるで、本気にしちゃいそう

 

 でもさあ・・・

 ラストシーンで、無著・世親像を刻む・運慶の耳に、

若いやつらの声が

聞こえてくるのよ


『運慶か、もう古いな。

 大体、あいつのものは 人間くさくて本尊なんか彫れやせん。

 せいぜい肖像くらいのものだ。』


っていう

一言ね。

 それを聞いて、運慶は がっかりするんだけど・・、


それはおかしい、

思うわ。

だって、

あの『無著・世親像』を見て、

尊さを感じない人間なんて、いる 


 あの2体は、あきらかに、拝みたくなるレベルだよ。。


だから

松本清張先生のまとめ方、

今はちょっと、納得いかないかな


・・・・・


そこで、おわれば

よかったのですが、、


「もうちょっと、わかりやすく説明するね



 といって、チットが、とだな(戸棚)から、買いおきしていた

ロッテの

「パーティパック

出してきてから


わからなくなって きてしまいました。。



 「ほら!こっちこれが、快慶ね ふんわり・やさしい 

カスタードケーキ

上品で、飽きが来なくて・・

私はふだん

こっちが好きなのよ

 

 でも・・ 時々、こっちの、くどいくらいに甘い

チョコパイが

猛然と

食べたくなるの

これ好きな人には、分かると思うんだけど・・

そこには

チョコパイにしかない、

あらがえない・魅力があるんだわ

独特の・・。


つまり、これが、運慶


両者の

この、すばらしさは・・

決して、くらべることなどできない。ねっ わかった」(チット)



・・・・・


 おにいちゃあん~。

 さいごのあれ、だそく(蛇足)じゃない~?」

芸術論は、落としどころが難しいな。」








 















 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする