「 直木賞つながりで、もう少し『文学』をよみたくなった
」
と
しん(親)友・チットが 言うので、
みやもとてる(かんじ:宮本輝)の 短ぺん(編)
『螢川』
を
えらんでみました。
出だし→「銀蔵爺さんの引く荷車が、雪見橋を渡って八人町への道に
(まちがいない
これぞ、文学)
(※新潮文庫では、名作『泥の河』と カップリングされています)
『螢川』は、
連想としての ほたる(蛍)
ではなく、
蛍狩りを ラストシーンにすえた、
ちゃんと ホタルが描かれている
小説です。
しかし
ただ・ホタルの生たい(態)が
記されている
わけではなく
よるべない庶民の、
フワフワした・運命や、
いっしゅん(一瞬)のきらめき
が、
ホタルに
しょうちょう(象徴)されて
明らか・・
「北陸の町外れに住む、
母と息子が、
事業に失敗して 死んだ父
想いながら、新天地へ向かう、、」
と
いうところで、ふいっと 終わる
まるで・・
蛍火のような ストーリーです。。
宮本てる(輝)や、
山本周五郎 あたりの
ヒューマニズム系作家には、
必ず
「苦労疲れした、市井の人々」
と いうのが 出て来ますが、
物語の
どこかに・・
ひとすじの光を 差し込ませているから、
どくごかん(読後感)は、
ほのあかるい・・
それが、「ホタルの希望」と いうものか・・
『螢川』は
宮本さんの「芥川賞受賞作」
ですが、
平成以降の「芥川賞作品」と
ちがって
全く、奇をてらっていない
ごく・ふつうの設定の、地味とも言える作品
です。
でも・・・
それでいて 読ませるのが、
「文学」ですよね
<おすすめ度:そこそこ>
(次回は、織田作之助の『螢』を レビューします)