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後に「ゲット・バック・ツアー」と呼ばれることになる、1989年9月からスタートしたポール・マッカートニー10年ぶりのワールドツアー。
そのまさに初日の9月26日オスロ公演を収録したライブ・アルバム。
以前(と言っても随分前になるけど)この初日の音源は「NORWEGIAN NIGHT」というタイトルでリリースされていたものがファンにはお馴染みかな。
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レーベルのインフォによると、同一ソースながらジェネレーションの若いソースを使用とのこと。
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既発盤では派手なヒスノイズが全編に渡って入っていたのが、こちらではほぼ気にならないレベルまで目立たなくなっている。
演奏部分も大きく捉えられて、ヒスノイズを除去したというより、やはりジェネレーションの若いソースなんだと思う。
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カットインだった「I Saw her Standing There」の冒頭部分も他公演音源から綺麗にパッチされていてストレスなくライブ全編を楽しめる。
記念すべき初日の音源が再び定番音源として楽しめるようになったのは大きい。
あらためてこのライブを聞いて見ると、初日とは思えないくらいポールもリラックスしていて、会場も盛り上がっているのが意外。
披露される曲が全て「新曲」だと考えれば、例えば日本だったら「次の曲はなんだろう・・・?」と固唾をのんで身構え、緊張感ある一瞬の静寂でも訪れそうだけど、まったくそんな事がない(笑)。
当時ライブ初披露となるビートルズ・ナンバーを、これほど連発されたら自分なんか半狂乱になりそうだけど(いや実際なった)それほどでもない(笑)。
逆にこのリラックス・ムードがミュージシャンにはいい方に作用したのかも。初日とは思えないこなれた演奏が披露されている。
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近年のツアーにも繋がるソロ期のツアーの、まさに初日が音質UPして楽しめる。
このツアーが初めての生ポール・マッカートニー体験だった自分には重要な一枚。
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それにしてもジャケットに使われている写真のポールの顔はビートルズしてる!