(原題:2 Days in the Valley )96年作品。ロスアンジェルスのサン・フェルナンド・バレーを舞台に、ひとクセありそうな男女10人がある殺人事件をきっかけに微妙に交錯し、それぞれの人生のタイミングに遭遇する2日間の人間模様を描く・・・・と書けばえらくマジメな人間ドラマかと思われるが、これは良くできたブラック・コメディである。
非情な殺し屋(ジェームズ・スペイダー)とその相棒(ダニー・アイエロ)が、深夜民家に押し入り、首尾良く“仕事”を終えたと思ったら、それは被害者の妻(テリー・ハッチャー)の手引きであり、密かに彼女とデキていた殺し屋は口封じのため相棒を殺した・・・・と思いきや、実は生きていて、嫌みな美術商(グレッグ・クラットウェル)の家に乱入して家人を人質に取り、殺し屋への復讐のチャンスを窺っていると、エリック・ストルツとジェフ・ダニエルズの刑事コンビがそれを嗅ぎつけ・・・・という感じで次々と雪崩式にドラマが拡散していき、やがてラストに向かって収束していく。
散らばっていたキャラクターが映画が進むにつれジグソー・パズルのように収斂していくという作りはロバート・アルトマンなどが得意とするところだが、この映画はロケーションを限定し、もっと娯楽の側に振られている。観客に展開を読む楽しみを与えてくれるあたり「ユージュアル・サスペクツ」を連想させるが、あれほど硬派の犯罪ドラマっぽくはない。かなり笑えるシーンが多い。もっとも、キャラクター設定の非凡さがそれを支えているのは言うまでもないが・・・・。
特に冷血な犯罪者を楽しそうに演じるスペイダーと、尿路結石の発作に苦しみながらも口八丁手八丁で殺し屋と渡り合うクラットウェルの存在感は際だっている。売れない脚本家兼監督の役でポール・マザースキーが出演しているのには笑った。マーシャ・メースンやキース・キャラダインなどがオイシイ役どころで出演しているのも嬉しい。
監督はテレビ出身でこれがデビュー作のジョン・ハーツフェルド(後に「15ミニッツ」等を撮っている)。混み入った脚本をテンポ良くさばいて見せる。劇中に登場する奇抜なデザインの現代アートも、この映画をスマートに演出している。
非情な殺し屋(ジェームズ・スペイダー)とその相棒(ダニー・アイエロ)が、深夜民家に押し入り、首尾良く“仕事”を終えたと思ったら、それは被害者の妻(テリー・ハッチャー)の手引きであり、密かに彼女とデキていた殺し屋は口封じのため相棒を殺した・・・・と思いきや、実は生きていて、嫌みな美術商(グレッグ・クラットウェル)の家に乱入して家人を人質に取り、殺し屋への復讐のチャンスを窺っていると、エリック・ストルツとジェフ・ダニエルズの刑事コンビがそれを嗅ぎつけ・・・・という感じで次々と雪崩式にドラマが拡散していき、やがてラストに向かって収束していく。
散らばっていたキャラクターが映画が進むにつれジグソー・パズルのように収斂していくという作りはロバート・アルトマンなどが得意とするところだが、この映画はロケーションを限定し、もっと娯楽の側に振られている。観客に展開を読む楽しみを与えてくれるあたり「ユージュアル・サスペクツ」を連想させるが、あれほど硬派の犯罪ドラマっぽくはない。かなり笑えるシーンが多い。もっとも、キャラクター設定の非凡さがそれを支えているのは言うまでもないが・・・・。
特に冷血な犯罪者を楽しそうに演じるスペイダーと、尿路結石の発作に苦しみながらも口八丁手八丁で殺し屋と渡り合うクラットウェルの存在感は際だっている。売れない脚本家兼監督の役でポール・マザースキーが出演しているのには笑った。マーシャ・メースンやキース・キャラダインなどがオイシイ役どころで出演しているのも嬉しい。
監督はテレビ出身でこれがデビュー作のジョン・ハーツフェルド(後に「15ミニッツ」等を撮っている)。混み入った脚本をテンポ良くさばいて見せる。劇中に登場する奇抜なデザインの現代アートも、この映画をスマートに演出している。


