元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」

2006-05-07 07:30:21 | 映画の感想(あ行)

 (原題:WALK THE LINE)大した感銘も受けなかったのは、まずホアキン・フェニックスの役作りがピンと来なかったせいだ。

 私はジョニー・キャッシュというミュージシャンを名前しか知らなかった。ラスト近くに本人の歌声が流れるが、それほど歌は上手くない。たぶんパフォーマンス技術よりも、過激な歌詞と独特な存在感が醸し出すカリスマ性で売った人なのだと思う。だからホアキンが必死にキャッシュに似せて彼の人生をなぞろうとしても(歌も吹き替えなしだ)、真から成り切っているようには見えず、単なる“物まねショー”にしかならない。

 映画の内容については、別に言及すべきこともない。底辺から成り上がって、お決まりのドラッグ三昧、無茶苦茶な私生活を送った後、晩年には落ち着いたと・・・・まるで絵に描いたような話だ。

 「レイ/Ray」もそうだが、ハリウッド製の音楽関係の伝記映画ではどうしてこうも在り来たりのネタしか示せないのだろうか。もっと思い切った独創的な切り口を期待したいところである。

 本作でオスカーを取ってしまったリーズ・ウィザースプーン(彼女も吹き替えなしで歌っている)は熱演だが、あの御面相では共感は呼べない(爆)。鑑賞に耐えうるルックスの女優を起用すべし。

 なお、小さい頃に兄を亡くした主人公の生い立ちに、ホアキンの兄リバーに対する想いをオーバーラップさせてしまったのは、私だけだろうか。
コメント
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