このカテゴリはお久しぶりです。
が、じつはあまり書けることがなくて…。
Mはパプアニューギニアに取材に行ってきたあと、
専門の鳥関係の絵をずっと描いています。
それが終わったら、3つほどある「新たなプロジェクト」の
どれかが(あるいは同時に?)始動する予定なので、
また少しずつご報告していけると思います。
わたしのほうは、いろんな画家さんと
いろんな絵本をつくっていて、
絵ができて校正が出たのが1冊、
ラフができたのが2冊、
それぞれ「すごくいい!」のばかりで、わくわく嬉しくって、
ああ誰かにしゃべりたいなあ。
でも、まだ内緒。
絵本じゃないんですが、ドルフィン5の初校が出ました。
初校というのは「1回目の校正」のことです。
校正というのは「印刷の間違い直し」のこと。
もうイラストも入っています。
これをB4の紙に見開きで刷ったのが80枚以上あるので、
自分の机では広げることができず、
階下の大きい食卓に持っていって作業。
校正は、ふつうに文章を読んでしまっては駄目で、
機械的に「文字を見る」ようにします。
これにはちょっと特殊な頭の切り替えが必要。
うまく「校正モード」に入ったときは、お米粒の中の
砂粒のように、間違いがパッ、パッと浮き出て見えるのです。
わたしは原稿段階で納得いくまで推敲をするので、
校正で文章を大幅に直すことはほとんどありません。
こまかいミスと、ルビ(ふりがな)をチェックするだけ。
(今回、イラストはぜんぶモノクロなので、
位置とか、縮小率とか、傾きとかを直してもらいます)
原稿が手書きの時代は、写植オペレーターさんの
読み間違い、打ち間違いもあって、校正は時間がかかりました。
いまはデータで渡すので、直しはほんとに少ないです。
でも、だからって安心してはいけない…
じつはドルフィンの前作で、「試験管」という文字が、
わたしの原稿の変換ミスで「試験官」になってて、
初校の2度目の見直しでやっと気づいて。
こういうの、目では見ていても、頭が見過ごしてるんですね。
あぶなかったー、と編集者さんに言ったら、
その人は「発泡スチロール」を「発砲…」と
やっちゃったことがあるそうです。
(あああ、ばらしちゃった、ごめんなさい!)
日中とにかく暑いので、集中するのがむずかしい。
ふと気がつくと「読んで」しまっている。
「いかんいかん」と戻って、切り替えて、じっくり「見る」。
セミの声がじわんじわんと紙にしみこんでいきます。
冬の話なのに。