今年1冊目の新刊です。
「おすしのせかいりょこう」(鈴木まもる絵・金の星社)
回転寿司の絵本です。
そして、すごく絵がきれいです。
画像は →こちら
ええと、中身はタイトルのとおりで、
お寿司たちがぞろぞろと団体旅行に出かけちゃう話。
テーマは「食を通じた異文化コミュニケーション」かな。
うへえ、なんだそりゃ? と思った方は、
その時点ですでに作者の思うツボでございます。
「絵本のつくりかた」のカテゴリでも書きましたが、
わたしはお寿司には特に詳しくありません。
回転寿司の店に入ったことも3回くらいしかないので、
ネタは画家におまかせしました。
でも、回転寿司はどのようにして発明されたか、とか
(ビール工場のベルトコンベアからひらめいたらしい)、
日本の回転寿司の海外進出の現状とか、
いろいろ調べたのが、たいそう面白かったです。
今回初めて知ったことですが、
回転寿司の回転は、右回りでしょうか、左回りでしょうか。
どっちでもいいんじゃないかと思っていたら、
じつは右回り=時計回りが圧倒的に多いんですってね。
日本人には右利きの人の割合が多い。
つまり右手でお箸を持っている。
当然、左手で皿を取る。
そうすると、右から流れてくる皿を左手で受けて取る、
というのが自然な動作なんだそうです。
しかも、手が右利きの人は、目も右利きで、
右方向から来るもののほうが見やすいのだとか。
これ、気分の問題だけじゃなく、
逆回りにすると、食べる数が何パーセントだか減る、
という研究報告まであるらしいのです。
わたしは調べものが好きなので、本を1冊作るたびに、
このような副産物的な雑学知識がどっとふえます。
それだけにとどまらず、
流しそうめんはどっち向きが食べやすいんだろうか?
などと、また新たな疑問がポコポコとわいてくる。
いや、そうめんの絵本は作らないと思うけど。
たぶん。
私信ですが、としえさん、猫柳さちこさん!
お送りしましたのでこの本は買わずにお待ちくださいね。
おすしのせかいりょこう | |
竹下文子 文 鈴木まもる 絵 |
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金の星社 |