閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

風船たち

2008-03-17 09:21:50 | 日々

畑に出てブロッコリの「三番芽」を摘む。
大きいのはピンポン玉くらい。
小さいのはビー玉くらい。
ぽきぽきと指で折り取っていけば、
すぐにざる一杯になる。
背中に日ざしがあたたかい。
どこかでうぐいすが鳴いている。

冬の出盛りに、ずっしりと充実した立派なのを
収穫したあと、そのまま株をほうっておけば、
この可愛いブロッコリがたくさんたくさん出来る。
さっとゆでて、おしょうゆとかつおぶしをかける。
大きいのを小分けにほぐしたのと、どう違うのかと
聞かれればうまく答えられないけれど、
あきらかに違うのです。
野菜とも野草とも言えるような春のたべもの。

子どもの頃の春休みを思い出す。
れんげを摘んで、つくしを摘んで、
まだ水の冷たい磯ではニイナという巻貝をとった。
春の野の遊びはたのしい。
でも、その天候は変わりやすく、
どこかすうすうと心もとない首筋。
どこにも結ばれていない風船の糸。

いまはまだふらふらと漂っている風船も、
もうじききちんと結ばれて、互いに肩をぶつけあい、
自分の糸をつんつんひっぱりながら暮らし始める。

 

コメント
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