フユイチゴ。地面にきらりと光る赤い実。
以前はたくさんあった山の斜面にはもうほとんどない。
かわりに庭の中にやたらと生えるようになった。
花壇に植えるような植物ではないけれど、
地面を這うだけで立ち上がらないので大目にみる。
小さいほうの葉っぱはユキノシタ。
菊は、芽が出ると適当に切って、適当にさし芽をする。
なぜか今年はピンク系に片寄り、黄色はこれ一本だけになった。
リュウノウギク。
朝顔はすっかり種になりました。
カラスウリ、あちらにひとつ…
こちらにひとつ。
またぽつりぽつりと古典を読み始めた。
どうやら秋が深まるとそういう気分になるらしい。
なんだか渡り鳥のようだ。
目的の本を読むのに、まずその背景を知るための本を読む。
その本を理解するためにまた別の本を読む。
と、例によってどんどん目的から遠ざかっていく。
そして、読みつつ、あああっ!と。
前に『酒天童子』を書いたとき、資料を山ほど読んだけれど、
これはさすがに要らないだろうと、手に取らなかった本なのだ。
いまさらながら、ここまで読んでおけばよかった!と思う。
というのは、「足柄山」と「碓氷峠」の意味が解けたから。
坂田公時(いわゆる金太郎伝説)の出身地については諸説ある。
現在は箱根に連なる神奈川県の足柄山がメジャーだけれど、
『酒天童子』では、あえてその説をとらず、「坂田」つながりから
近江国坂田郡の足柄山とした。
平安時代的にみれば近江でいいと思う。
でも、お江戸の人々の感覚では、あれはやっぱり「箱根」なんだなあ。
夏目漱石の『坊ちゃん』で、主人公の赴任先が西の方だと聞いて、
ばあやの清が「箱根の先ですか、手前ですか」とたずねる。
その箱根ですよ。
東西ふたつの文化圏の境界が、足柄山、そして碓氷峠。
江戸末期の生まれのお清さんにしてみれば、
箱根を越えて西へ行くのは外国へ行くようなものだったろう。
京の都を守護する頼光のもとには、摂津出身の綱と季武がいる。
そこへ、はるか東の境界から、公時と貞光が加わる。
そうか。
四天王って、こういう東西バランスで成り立っていたのか。
そして、足柄・碓氷ラインを対称軸として、ずーっと東を見れば、
そこにどんと座っているのが、平将門。
(いえ、このヒトはとっくに死んでるので話には出てこないのですが、
幻の黒幕っていうか、いなくてもちゃんと存在してたわけで…)
というようなことで、いま読んでいるのは『将門記』。
着陸地点はまだだいぶ先らしい。
以上、メモ兼ひとりごと。
車の持ち主が5か月ぶりに帰ってきました。
ウラシマ君、見張りご苦労さま。
本日の「いいね!」
菩多尼訶経(ぼたにかきょう)
(国立国会図書館デジタルコレクション)
文政5年(1822年)出版の植物学読本だそうです。
一切植物食気食水食火食土…って、
お経になっちゃうのが凄い。
読めないけど。