新刊。翻訳絵本です。
『きみはライオン!』偕成社 2017年9月刊
しんこきゅうして はじめるよ
がぁーっ!と ほえて ライオン
ぱーたぱーた ちょうちょ
ぴょんと はねたら かえる
みんなで いっしょに やってみよう!
「たのしいヨガのポーズ」という副題がついています。
表紙の男の子がやっているのは、ヨガの「ライオンのポーズ」。
(クレちゃんも真似してま~す)
以下、蝶のポーズ、犬のポーズ、蛙のポーズ、などなど、動物になったつもりで一緒にやってみよう! という、子どものための「ヨガ入門絵本」です。
作者ユ・テウンさんは、韓国に生まれ、ニューヨークで活動している絵本作家。
版画をベースにした絵は、落ち着いた深みのある色がきれい。
やわらかい手触りとぬくもりが感じられ、わたしは一目で好きになりました。
子どもの表情や動作がとても自然で可愛らしいのです。
アメリカの絵本らしく、いろいろな人種の子どもが出てくるのですが、違和感がなく親しみやすい気がするのは、同じアジアの人が描いているからかもしれません。
昔は「ヨガ」っていうと、インドの行者とかヒッピーとか……まあちょっと特殊な人たちがやってる難しそうなイメージがありましたが、いまはもうそんなことはないですね。
最近は、産後のママが赤ちゃんと一緒に参加できたり、子どもを対象にした教室もふえているそうです。
本格的にやるには、呼吸法とか、いろいろあると思いますが、この絵本には難しいことは何も書かれていません。
まずは、ゆる~く「ごっこ遊び」から。
身体を動かすのが大好きな子どもたちは、絵の中でポーズする動物と子どもを見たら、きっと真似したくなっちゃうでしょう。
だから、読んであげるなら、おやすみ前より日中のアクティブな時間帯がおすすめかな。
おとながやっても、なかなか気持ちがいいですよ。
もちろん、絵本として、ただ眺めてのんびりするだけでも、じゅうぶん楽しめます。
原文は、余計な説明がなく、非常に簡潔で、リズミカルなので、その雰囲気を生かすようにと考えました。
ひとつひとつの動作を的確に伝えるだけでなく、大きな自然への感謝をこめて、「おひさま おはよう」と、明るく一日のスタートができるように。
ちょっと久しぶり翻訳のお仕事、楽しかったです。
「猫のポーズ」をすると、クレがすごく喜んで、ゴロゴロ、ゴロゴロいいながら、おなかの下を行ったり来たり。
おかあさん猫みたいに思えるのかしらね。
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きみは ライオン! |
ユ・テウン・作絵 竹下文子・訳 |
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偕成社 2017年 |