閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

小石

2017-12-16 22:22:04 | 日々

 

風は冷たいけれど光は明るい。

 

 

 

 

べつに何でもありません。ただの小石。

歩くときは、空を見ていることもあるし、まわりを見ていることもあるし、地面を見ていることもある。
都会だと、必要なものや見るべきものはたいてい「人の目の高さ」に集中しているから、上や下はあまり気にしなくていいかもしれない。
野山の舗装されていない場所を歩くときは、気をつけないとつまずいたり、すべったり、穴にはまったりするので、どうしても足元に目をやることが多くなる。
下を向いて歩いていたら、小石が目についた。
石は無数にあるけれど、他の石はたいてい角ばってごつごつしているのに、これだけがつるりと丸く、周囲の石とは色もまったく違って、不思議な感じがする。
いったいどこから来たのだろう。
河原や海岸なら丸い石は珍しくないけれど、こんな山の中で一生を過ごしても、石って自然に丸くなるものだろうか。
こんなの拾っていたらきりがないと思ったが、形も色もなんとなく可愛らしいので捨てがたく、そのままポケットに入れた。

 


うちの子どもが、鉱物コレクションに熱中した一時期があった。小学校の低学年だったと思う。
きれいな石や珍しいと思った石を見つけては拾ってきて、机のひきだしにしまいこんでいた。
宝石でも希少鉱物でもないけれど、ひとつひとつに子どもの心をひきつけた理由があり、見ればなるほどと思える。
必然と偶然から生まれた時間の造形。人造物にはない美しさとバランス、太古の昔から変わらない天然の秩序だ。
入学を機に買った勉強机だったけれど、石がいっぱいで勉強道具の入る余地はなく、やがて重さでひきだしがゆがみ、開かなくなってしまった。
そうなる頃にはさすがに本人も持て余し始めていたようで、コレクションを「野に帰す」ことを提案すると、わりとすんなり納得した。
石ころは、地面に置くと、しばらくは置かれたままそこにいるが、雨が降ったり風が吹いたりするうちに、いつのまにか埋もれて所在がわからなくなっていく。
見えなくなっても、消滅するわけではなく、遠くへも行かないから、そのへんにあることは確かで、ひきだしに入れっぱなしの状態とそんなに変わらない。
いまでも庭の花壇を掘り返すと、思いがけずきれいな石がひょっこり出てきたりすることがある。
おや、と拾い上げ、水で洗って、見やすい場所に置き直す。
花壇の縁には、いつも10個くらいそんな石が並んでいて、あらたに拾ってきた小石も仲間に入った。
だけど、きっとまた何かのはずみでころがったり落ちたりして埋もれ、また何年も何年もたってからひょっこり出てくるのだろう。
「あるべき姿」って、そういうのかもしれない。

本日のコマ吉。

子猫は小さくても…

 

あくびは大きいぞ。

 

本日の「いいね!」


東京から大阪まで飛脚になって手紙を届ける

「お江戸日本橋」の歌によれば、日本橋を「七つ発ち」して、高輪で夜が明けている。
日本橋~高輪の正確な距離がわからないけれど、ここをだいたい2時間で歩くということですね。
「行列そろえてアレワイサノサ」って、実際は踊ってるわけではなく、黙々と、ざくざくと歩いて行ったのでしょう。
小田原まではたいして高低差はなさそうだし…昔だから「信号待ち」もないし。

 

もうひとつ…こちらはメモ。

木の歌を聴く10の方法

木の枝の太さって、昼と夜では夜のほうが太いんだそうです。

日本語版出ないかなー、これ。

The Songs of Trees: Stories from Nature's Great Connectors
David George Haskell
Viking 2017
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ムクロジなど

2017-12-14 23:17:53 | 日々

ムクロジの実と、ヤシャブシの実。

 

ムクロジの新しく落ちた実は金色。
ここからだんだん紅茶色になり、振ると中の黒い種がころころいう。
一昨年の実から芽生えた苗は40センチほどに育った。

 

落葉樹の葉はあらかた散ってしまい、急に見通しがよくなった。
にぎやかだったナンキンハゼの葉も、すでに一枚もない。

 

木の枝の影をつたってどこまで行けるかな。

 

大きなカタツムリの殻。長径5センチ近い。左巻き。
年に一個か、二年に一個くらいは拾っている気がする。
生きたものも、このサイズは年に一匹見るか見ないかだ。
カタツムリの寿命ってどれくらいなんだろう。
拾った殻は水できれいに洗い、しばらく机の上などにころがしておく。
どうやって写真撮ったらきれいかを考えたり。

 

本日のコマ吉。

きょうの枕は…

 

真鈴おばちゃんだ。

 

真鈴、喉の奥で小さくうなってるけど、めげないコマ吉。


そして、まだコマとのツーショットが1枚もないクレ兄ちゃんは、どうしているかというと…

このところ、ジャッキー・ハバロフスクとの抗争が本格化しており、新任警備隊長はちっとも家に帰ってこない。
やっと帰ってきたと思ったら、寒いお外に長くいるせいか毛が厚くなり、首回りなんかも太くがっちりして、なんだか急におとなっぽい体型になっていて、びっくりした。
しかし…歩き方がおかしい。
右前足を床につけず、持ち上げたままだ。
けんかして、傷めたかなあ。
ふだんはとてもフレンドリーな猫だけど、こういうときは人にも他の猫にも触られたくないらしい。
おちびのコマが遠慮なしに寄ってくるのも気に障るのだろう。
ゴハンは食べに来るものの、ちょっと目を離した隙に、ひょこひょこ歩きでじつに素早くどこかへ消えてしまう。
お外は広いし、猫が隠れようと思ったら隠れ場所はいくらでもあり、容易にみつかるものではない。
たまたま物置をのぞいたら、上の棚にちらっと耳が見えたので、チャンス!と思い、そーっと戻って踏み台とキャリーバッグを持ってきて、有無を言わさずとっつかまえ、そのまま病院へ。
足先を痛がっていると思っていたら、先生は上腕部をみて、「あー、これだな」と。
目立たない小さい傷があって、そこから細菌が入って腫れていたらしい。
以前さんちゃんも同じことがあった。猫の傷は3~4日たってから腫れてくることが多いそうだ。

…ということで、お注射2本、おくすり5日分。

この薬が、とっても小さい錠剤で、それをさらに半分に割って飲ませなきゃならないので、うっかりすると割ったカケラを見失いそうになる。
飲ませること自体はむずかしくない。
それよりも、気まぐれにしか帰ってこないクレを、朝夕きちんと確保するのが一苦労。
でもまあ、骨折とかじゃなくてよかったです。

 

本日の「いいね!」


瓶の中の風景

フィンランドの写真家 Christoffer Relander の作品。

 

おまけ。

リスさんの雪かき

かわいい…

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2017-12-11 22:26:25 | 日々

「この冬一番の寒さ」が日々更新されていく。
朝起きると、ベランダにうっすら氷の膜がはったようになっていた。
すべらないよう気をつけてゆっくり歩く。
ヴィヴァルディ「四季」の冬の章のように。

半分凍り水玉。

 

ブルーベリーはまだ紅葉が残っているが、もう春の新芽の準備もしている。

 

 

 

あ、もう溶けたかな。

 

 

 

 

 

 

ちらちら咲いている雪柳。

 

本日のコマ吉。

子狐っぽい。

 

きななは「逃げ遅れて固まってる」状態から「ま、いっか」状態に徐々に移行しつつあり。

4か月くらいで来た子猫というのは初めてだし、冬に子猫を迎えるのも初めてだ。
(きなちゃんは真冬に来たけれど、おそらく7~8か月にはなっていた)
いま4か月だとすれば、生まれたのは8月。
猫の夏仔は弱いと言うけれど、それは暑さに弱いのではなく、まだ小さいうちに寒い冬がきてしまい、冬はどんな生物にとっても食べ物が少ない厳しい季節だからだ。
一年を通して安定した食料と住まいが提供される環境では、いつ生まれてもあまり違わないのかもしれない。
むしろ寒い季節のほうが、猫同士くっつきやすいから、早くなじむことができ、コマは得をしていると思う。

ミニおいなりさん。

 

本日の「いいね!」


「はらぺこあおむし」カフェ

期間限定で、銀座にオープン。

少し前、ニューヨークの「ティファニー」にカフェができ、「ティファニーで朝食を」が現実になった…というニュースを見た。あの「ティファニー・ブルー」よりは「あおむし」のほうがはるかに美味しそうに見えるのが不思議。

 

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1週間

2017-12-09 15:03:23 | 日々

子猫の1週間は、ヒトなら1か月くらいに相当するかもしれない。
くしゃみはほとんど出なくなり、なんだか一回り大きくなった気がするコマ吉。
鼻のぐすぐすが、あとちょっとかな。
いまのところ、粗相もしないし、おいたもしない、とても良い子。
でも、好奇心はぐんぐん上昇中! まだまだこれから!

コンビニ袋に紙玉を入れて一結びしただけのおもちゃが気に入って、投げると飛んでいき、くわえて得意げに持ってくる。
足元まで持ってきて、ぽとりと落とし、お座りして待っている。
こちらが気がつかないと、そおっと膝に前足をかけて、「くふくふ」と鼻を鳴らして催促する。
誰も教えたわけではなく、こういうことは生まれつきする猫としない猫がいるようだ。

 



これは、むかし飼っていたジャム太というオス猫。生後3か月くらいのとき。
この子も「持ってくる猫」で、当時はわたしもまだ原稿用紙に書いていたから、書き損じの紙を丸めたのやねじったのがいつもそこらじゅうにころがっていた。
室内飼いだと、とくに若いオス猫は体力を持て余すらしく、人がいくら遊んでやってもきりがない。
つきあいきれないので、ゴム紐におもちゃをくくりつけて天井からぶらさげ、ひとりで遊べるようにしてやったが、いつまでもいつまでも飛んだりはねたりして飽きるということを知らず、こっちが心配になるほどだった。
ジャム太も茶トラで、白い部分が多く、尻尾がきれいに長かった。
記憶の中のジャム太はコマ吉に似ている感じはしないけれど、あらためて写真を見るとよく似ている。
3歳になる前に町から田舎に引っ越してきて、のびのびと暮らし、生き物は一度もとったことがなく、家出もせず闘争もせず、21歳まで生きた。
いまのところ、わが家の歴代猫の長寿記録である。
コマちゃんも長生きしなさいよ。

 

「あどけない子猫」ふうに撮ってみた。 

 

 

 

 


カジカジ!
(このポケモン柄は、子どもが小学生のとき体操着入れか何かを縫った余り布です)

  

おやあ? コマ吉、その大きな黒い枕は…

 

さんちゃんだ!

 

さんちゃん、えらいなあ。えらいねえ。


本日の「いいね!」


落ちない石、落ちたら猫が!


地震で姿をあらわした南阿蘇の「守猫」。
さちこさん、教えてくださってありがとう。

「落ちる前」はこんなふうだったんですね~。
縦3m、幅2m、重さ約5tの石は、割れることもなく下の山林に着地し、あらたなパワースポットとなっているとか。

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新入り・その2

2017-12-06 23:01:09 | 日々

おめめがきれいになりました。
(さっそくマットを破壊しているところ)

もう猫ドアの出入りは完全にマスターした。
紙玉を追いかけて部屋じゅう走り回り、くわえて持ってくる。
反射光や、ハエのような小さいものに反応し、ジッと見つめる。

 

コマちゃんに椅子とられた。

 

さんちゃんとの大きさの比較。

 

「コマ吉、ごはんは残さず食べるのだぞ」
「はい、親方」

 

やや? きなコマ、奇跡のツーショット!

 

ややや??
2度目ともなれば、もはや奇跡ではない。

寒いので、コマ吉は誰かにひっつきたいんだけど、寄っていくとみんなするりと逃げてしまう。
きなちゃんだけが寛容、というわけではなく、おそらく毎度逃げ遅れてこうなるのだろう。
夜は、初日からわたしの布団に入ってきて、大丈夫か?と思うほどぐにゃぐにゃにノビきって寝ているコマちん。
この子は人の首とか髪の毛が特に好きみたいで、夜中でも明け方でも、寝ている頭にまとわりつき、盛大にゴロゴロ、フゴフゴいいながら、行きつ戻りつ長々と甘える。シャンプーやコンディショナーの成分のせいだろうか。

 

油揚が中に入っているいなりずし。

 

うすあじだよ。

 

本日の「いいね!」

猿蟹合戦(村田安司 1927年)

時鳥さんおすすめ「日本アニメーション映画クラシックス」よりシェア。
(サイレント映画なので音声は出ません。念のため)

 

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新入り

2017-12-04 22:12:30 | 日々

名前はコマです。
オス、推定4~5か月(というのはお医者さんの見立て)。
Mが最初に「困ったちゃん」と呼んでいたので、こまった→コマちゃんになりました。
正式名称は、「駒吉」では芸者さんみたいなので…「駒次郎」かな?
まだ慣れないので、「ちびすけ」とか「トロちゃん」とか、その時々でいろんなことを言ってしまう(笑)

 

これくらいの子猫は適応が早い。
来た日のうちに、くるくると家じゅう見て回り、2階にもひとりで上がり、ごはんの場所、お水の場所、寝心地の良い場所、ストーブがあったかいこともすぐ覚えた。

さんちゃんに挨拶をする。

コマは大きい猫たちが気になってしょうがない。
物おじせず、どんどん近寄っていく。
真鈴おばちゃんは怖いけど、珊瑚おじちゃんはそんなに怖くない。
クレ兄ちゃんは最近パトロールに忙しく、コマが寝てる間に帰ってきて、起きる前に出かけてしまうので、よくわからない。
きなこおばちゃんは…まだまだ謎の存在です。
 

茶と白のバランスがなかなか良い。
大きくなったら美猫になるかも。

 

翌々日には、猫ドアの「入る」をほぼマスター。
「出る」も、あとちょっと。 

 

よく寝る子猫は良い子猫。
まずは鼻風邪と結膜炎を治そう。

 

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本日のゲスト

2017-12-02 11:23:00 | 日々


典型的な茶トラの男の子。
1500グラム…生後3、4か月くらいかなあ。
シッポ長くてまっすぐ。目はゴールド。
ちょっと風邪気味だけど、食欲はあり。
非常に人なつこい。
膝にのせると、あたりに響き渡るようなゴロゴロ!

 

とりあえず湯たんぽいれて。

はてさて、どうしたもんでしょうか。

 

こちらは一昨日の夜の訪問者。
マヌルネコではありません。
ちょっとお久しぶりのジャッキー。
冬物の毛皮を着こんでいるので、ジャッキーというより、もうちょっと重々しい名前が似合いそう。
ハバロフスク、とか。
(毛皮=重々しい=ロシア系という思いこみがあるらしい)

まさか、茶トラ坊はキミの子ではあるまいね?

 

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さんぽ

2017-12-01 23:39:13 | 日々

お天気が良いので…

 

お出かけしましょう。

 

ならんで歩く。

 

真鈴(手前)と、さんちゃん。
この子たちは仲が良く、家の外でもよく一緒にいるけれど、たいていは1匹出てきて、いつのまにかもう1匹も来て、なんとなく合流して、つかず離れずそのへんにいるという形。
こんなふうに2匹が同じ方向へ、足並みそろえてすたすたと歩いていくのは非常に珍しい。

いったいどこへ行くのかとついていってみたら、じきに止まってしまった。
別に目的があったわけではなく、たまたま気分が乗って歩調がそろっただけ、なのかな。
このあと、クレも出てきて、いつものように3匹ばらばらにくつろいでいた。

風が吹き、雨も降り、もみじはだいぶ色褪せ、ちりちりになってきた。

 

今年も綺麗だったね。

 

咲き残りの野菊。

 

と、こちらは一回り小さい園芸種の「姫小菊」。

売れ残りっぽい苗を買ってくると、小さいビニールポットに根がぎゅうぎゅうに詰まっている。
地面におろしてやると、ほっとしたように身体をのばす植物もあれば、環境の変化にびくっと縮こまる植物もある。
今年のビオラと姫小菊は「のびのび」だ。



今年の南天は実つきがよい。

 

みっしりと黒いシオデの実。

 

野いばらの実も、ちらほら。

 

本日の「いいね!」

特にパンダ好きではありませんが、可愛かったので。

じゃまパンダvsおじさん

じゃまパンダvsおねえさん

人間の幼児とおんなじだ。
本場では意外と手荒に扱われてるのね(笑

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