青い街が見える
うねうねうねったその向こう
曖昧な空を冠した街がある
無一文でそこに辿り着いた僕は
その煙るような街並みを通り過ぎた
雲が支配するようなその街は
僕の遥か生まれる前に栄えたような
大都市の亡き骸のごとく
ひっそりと横たわっていた
真っ白な欲望色したビルが立ち並ぶ居様は
僕の角膜を貫徹して
少しも遠慮しない太陽の可視光線のように
僕の表象を色々と混乱さ . . . 本文を読む
明くる日の朝を
出迎えよう
時を抱きしめるように
術を思い出すように
なにもかにもを奪った夜を
忘れるように
枕を置きっぱなしで
玄関を飛び出せば
約束された交差点で
僕と君は
何の前触れもなく
鉢合わせる
狼狽えるまでもなく
君は僕で
僕は君だ
何かが違っているようだけれど
少なからず
僕のうちの何かは
君なんだ
そんな君の目の中心から
さりげなく . . . 本文を読む
ロックを奏でる思考状態に
手放しで称賛を
夢で見てきたあらゆる国道沿いを
思い出すように
風は吹いて
見上げた空の青さに押し広げられるように
高原はありふれていた
透明な欲望を漲らせて
僕は草むらで仰向けになった
肉体の旋律が土を伝って
地球の核へと浸透していった
ような気がした
何を思い出すかが、ここでは重要で
青空を蝕む僕の卑猥な妄想は、あのアゲハ蝶に . . . 本文を読む
時を追い越して
さる時代の咆哮を
思い浮かべて
この身体を
浮かべる
三途の川
ゆっくり
その水面を漂うままに
昼寝を続ける能天気な僕は
いわゆる真っ白な昼に
埋もれているすずろな魂
そのまま暗黒へと滑り込んでいきながら
夢現つの物語を駆け抜ける一陣の風のように
夜の静寂を探索して巡廻するように
この行方も知らぬ暗夜行路を進もうとするのは
我が純朴にして透明な意 . . . 本文を読む