プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★趣味と道楽

2007-06-06 08:50:13 | 日記・エッセイ・コラム

 友人に多趣味を自認するご仁がいる。ゴルフ、カラオケは言うに及ばず、一刀彫、そば打ち、おまけにカントリー・ウエスタン狂でバンジョーまで弾く。いつも、「忙しくて暇が無い」とこぼしている。

 それにひきかえ、私はというと、「走ること」以外に披露出来る趣味はない。以前は、読書、音楽、旅行、落語・観劇、美術鑑賞、スポーツ観戦などと並べたものだが、これらは趣味ではなく、道楽の部類に属すると思い出した。

 趣味とは、一つのことに我を忘れて没入する楽しみではないのか。今も読書は好きだし、寄席や美術館にも足を運ぶ。旅行好きは人後に落ちない。しかし、所詮は自ら汗して創りあげているものではなく、出来合いの料理を味わっているようなものでしかない。

 創作の趣味といえば、唯一、若い頃に油絵を描いたことがあり、友人の新築祝いに無謀にも処女作を贈った。彼は、応接間に飾ってくれた。20年経って、その絵が物置き行きになったと知った時、返してくれとも言えず、筆をとる気力が失せた。道具は押入れ深く眠っている。好意に発したものでも、自分の趣味を他人に押し付けた無遠慮さを後悔した。

 走ることを趣味と言えるのは、自発的行為として実践でき、何よりも楽しいから。「いつでも、どこでも、誰にでも」でき、「誰にも迷惑をかけない」のが、私にぴったり合った趣味のようだ。道楽はできるだけ多く、趣味は少なくして、与えられた時間を有効に楽しみたい。