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時悠人chosan流処世術

★責任の格差~民と官~

2007-06-27 09:50:37 | 日記・エッセイ・コラム

 食品加工の「ミートホープ社」の偽装事件は、内部告発から会社閉鎖に追い込まれ、従業員71名全員が解雇された。理不尽と承知しつつも、従うしか道が無かった従業員の弱い立場は同情する。高齢者が、これから他に職を求めることも難しいだろう。が、食に関する日本人の潔癖性は、性善説が拠り所だけにやむを得ない。

 「消費者も安い物を求めるのが悪い」との社長の迷言が余計、反感をあおった。スーパーなどが捨て値同然でバーゲンをし、それに群がる消費者の姿も愚かしい。が、それを「あんたにだけは、言われたくない」というところか。

 偽装は、食品業界だけでない。コムスンやNOVA、或いはマンションの強度不足、企業の粉飾決算も偽装工作だ。いずれも、民間企業が犯した事件は、公の場で糾弾され裁かれる。行政は、「規制緩和で緊張緩和したのだ」と、世論の批判に迎合するかのように、罰則強化を含めた再発防止策で、規制を強化するが、常に後追いである。

 昨夜、塩崎官房長官は、社保庁の「ボーナス自主返納でお詫び」に関連し、「これに応じない職員は、新機構へ採用しない」旨の談話を発表した。社保庁の職員を全ていったん解雇し、新らしく創る『日本年金機構』には、やる気のある職員だけを雇用するとの考え方を強調したものだが、見識を疑う。返納総額10億円で、全員が身分保証されるのかとの疑問がわく。

 年金制度自体の欠陥が噴出しているのに、新機構法案を急ぐ理由が全く理解できない。看板を塗り替えたら、またまた大切な情報が欠落し兼ねない。一番実務に詳しいのは現組織構成員以外にはいない。不祥事の後始末を最後までさせるべきだ。民間とちがい、身分は保証されているのだから。