昨日、コムスンが同系列会社に営業譲渡することに厚労省が待ったをかけた。「看板をかけ替えるだけで実態が変わらないのでは、国民の信頼を得られない」というのが、”凍結”指示理由。だが、待てよ。これと同じ事を今、厚生労働省がやろうとしているではないか。
社会保険庁が不祥事だらけで、信頼出来ないから「年金機構」に変えるというのと、コムスンの場合とどう違うのか?宙に浮いた年金記録や保険料不正免除、或いは、グリーンピア等への年金基金流用などの責任をうやむやにするために、看板をかけかえようとしているのではないのか?
「現在の組織のままでは、信用出来ないから機構改革する」との論理は、政府の管理監督責任を回避する方便としか映らない。年金や介護保険制度は、国の社会保障制度の根幹を成すもの。それを長期にわたって蝕んできた真因を解明し、解消するまでは当事者を逃がしてはいけない。”人事凍結”(塩漬け)が鉄則だ。
「美しい星50」構想を自画自賛している総理には、歴代厚生大臣・社会保険庁長官の処分や、報酬を自主返還する等のケジメを国民の前に見せて欲しいものだ。外国なら暴動が起きて当然とも言われる今回の年金問題。サミット開催に莫大な費用を使わずに、議長国を辞退して世界に恥をかく位の頑迷な覚悟の程を示せるなら、「戦う政治家」なのだが、、、。内政を欠いて外交も無い。
いささか言葉が過ぎたが、今まで少数の声に耳を傾けずに、自分の尻に火がついた途端、民主党の元厚生大臣を名指しで批判するさまは滑稽でもある。今夏の参院選では、「年金・介護問題」、「政治と金」問題を、国民一人一人が真剣に見つめなおす機会にしないと、今後ますます住みにくい「みにくい国」になることは目に見えている。