「能登の皆さん、7月8日を楽しみに待っていて下さい」と、ラジオを通してパーソナリティが興奮気味に紹介した。続いて、ゲストのカリスマ・パティシエが自画自賛のコメント。
曰く、3年前に中越地震が発生した際、被災者に美味しい物を提供しようと、現地に出向き、高級料理(寿司・フランス料理等)を振舞ったら喜ばれたとか。後日、国交省から感謝状をおくられ、その意図を汲んで、仲間とボランティア組織を立ち上げ資金集めを開始。その矢先、能登地震が発生したので、現地慰問をするのだそうだ。
スタッフが事前調査に出向いたら、住民が仕事や後片付け作業に追われて昼間は不在の状況なので、昼の時間帯を空けておいて欲しいとラジオで呼びかけていた。東京からの日帰りになるので、住民に協力してくれというのがその理由。大物のボランティア活動って、凄いんだ!
私のような天邪鬼は、つい勘ぐってしまう。「日頃、あまり高級な料理を食べる機会がないだろうから、私が腕を奮ってご馳走を並べましょう。食足りてこそ、パワーも沸いてくるというものです。有難いことでしょう。」と。その料理人が、どれほど高名な人物か知らないし、関心もない。単なるボランティア活動に名を借りた売名行為に映る。「好意から発した行為」と認めつつも、政府が浅はかさを助長しているようでもあり、素直に歓迎できないでいる。