プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★案愚のコロナ旅行:番外編(1/2)

2020-04-25 08:19:30 | 日記・エッセイ・コラム
 妙高関温泉の内湯に浸かろうとして、先客がいたので、離れて湯船に入ったところ、「どちらからですか?」と話しかけられた。

 「東京からじゃないですよ!」と応じたので、先方は、「そんなつもりじゃないんです。私は、富山からです」と名乗り、あとは笑い話になった。

 コロナのせいで、お互いに疑心暗鬼になり、ちぐはぐな対話になったのだと分かり、コロナ憎しで話し込み、長湯になった。

 最近、「私はうつさないと思う しかし あなたはうつされると思う」と、自分に言い聞かせていても、無意識のうちに「東京からじゃない」と口に出るほど、東京都の対策に不安を感じている。


 

★案愚のコロナ旅行⑤ゲンゲ

2020-04-24 07:43:18 | 日記・エッセイ・コラム
 4月8日の夕食は、ホテルで紹介して貰った魚津駅前近くの寿司屋に入った。

 富山県の魚の代表格といえば、氷見鰤やホタルイカ、紅ズワイガニ、シロエビ等があげられるが、最近、注目を集めているのは大衆魚「ゲンゲ」。

 水深200m以深に棲む深海魚で、体長20㎝ほどで細長く、身は白く透明感があり、全身ヌルヌルとしたゼラチン質で覆われている。

 今が旬なので、天婦羅か唐揚げを作って欲しいと頼むと、「ゲンゲなんか寿司屋で出すもんやない!」と、手厳しい一言が返って来た。

 ホテルのフロント係に「職人気質の親父で、不愛想だが腕は確か」と言われたことを思い出し、大将のプライドを傷つけた自分の不勉強ぶりを恥じ、詫びた。

 二代目が、とりなしてくれたが、気まずい酒になった。しかし、骨まで完食出来る絶品の鰤大根を、もう一度食べるために、出直したいと思っている。

★案愚のコロナ旅行④「春の四重奏」

2020-04-23 08:41:10 | 旅行記
 今回の旅行の一番のお目当ては、富山県東部に位置する朝日町舟川の桜をテーマにした「春の四重奏」見物で、規模と華やかさでは、伊豆の河津桜並木に及ばないが、ユニークさでまさると思う。

 残雪が残る朝日岳・白馬岳を背景に、舟川の両岸600mに植えられた280本のソメイヨシノの桜並木と菜の花、チューリップが鮮やかなコントラストを醸し出し、一幅の絵画を見るような感動を与える。

 北アルプスを遠望しつつ、色とりどりのチューリップと菜の花畑を縦横に縫う畦道をゆっくり歩いた。
せわしげに舞うモンシロチョウを目で追っていたら、コンサート会場に踏み込んだ錯覚を覚えた。

 蝶がコンダクターで、北アルプスと桜に、チューリップと菜の花が奏でるハーモニーに誘われて、童謡「おぼろ月夜」の一節を口ずさんでいた。

 コロナ・ストレスから解放された刹那だったが、妻に「へたな五重奏」と冷やかされ、我に返った。

★案愚のコロナ旅行③妙高&魚津

2020-04-22 08:18:56 | 旅行記
 4月7日午前11時過ぎの金沢駅構内は、閑散としており、新幹線ホームにも人影がまばらで、街中よりも感染する心配がなさそうだった。

 金沢から上越妙高まで、新幹線で約1時間の旅だが、乗客は一車両に数人だけで、マスクは不要だった。ホテルの送迎バスも、我々夫婦の貸し切りで恐縮した。

 また、ホテルでは、食事時間を分割予約制にし、テーブル間を広く取り、合図を待って料理を運ぶなど、随所に配慮が行き届いており、嬉しかった。

 二日目。JR関山駅からの「妙高はねうまライン」も、上越妙高駅から黒部宇奈月温泉駅間の新幹線も車内はがらんとしており、ここでもマスク不要だった。

 黒部駅からタクシーで、約15分ほどで舟川に着く。
2時間後に迎えを頼んだら、「仲間とシェアしたいから、他の者が来る」と返されたので、改めてコロナ災禍の不条理を感じた。

 魚津駅前のホテルを予約し、昔の知り合いの蒲鉾店を訪ねたら、開店休業の状態でご主人は不在だった。翌朝、埋没林見学の予定を取りやめ、黒部宇奈月温泉駅から新幹線で金沢へ戻った。

 

★案愚のコロナ旅行②自己責任

2020-04-21 07:57:55 | 日記・エッセイ・コラム
 私達夫婦の趣味は、「マラソンと旅行」だが、2月の「浜松シティマラソン」を最後にすべてレースが中止になり、旅行だけを楽しみにしていた。

 しかし、国の「緊急事態宣言」を受け、4月27日の上高地の「開山祭」と8月の秋田の竿灯まつりが中止になったことを、予約していたホテルからの連絡で知った。数年がかりで、ようやく宿を確保でき、念願が叶ったと喜んでいたので、ショックが大きかった。

 そんな折に、首相夫人が堂々と旅行に出たと知り、腹を据えかね、私も、禁を破ることにした。

 政府が、都合の悪い時によく使う「自己責任」というやつだ。国が、7都府県に、「緊急事態宣言」を出す4月7日から二泊三日の行程で、妙高関温泉と魚津舟川の桜見物に出かけた。

 その後、自宅待機しており、22日までに症状が出なければ、自己責任を果たしたことになる。都合の良い理屈を持ち出す自分が惨めでもある。