新春早々、またぞろ日本人の海外(とりわけ米国への)留学者数が
減少していることを憂えるメディアの記事に出くわしました。
9日の東京新聞社説は「なぜ留学希望者が減ったのか」その背景を
探っていました。三大理由として挙げられていたのが、「経済不況」
「就職難」「少子化」で、大学三年から始まる「就活」も、学生生活
から留学する時間的余裕を奪っているとあります。
これらはすべてもっともだし、同意もするけれど、コロ子は日本側の
事情ですべてを説明するのは無理だと思っています。
アメリカへの留学が半減してしまった最大の理由は、ズバリ、かの国の
「日本人を吸い寄せる力」が衰えたからです。
50~60年代、アメリカはあらゆる面で世界をリードし、夢を与えて
くれました。今でも他国にリードは保っていますが、かつてのような
「ぶっちぎり」感は無くなりました。むしろ、社会・外交・経済で
目を覆いたくなるような事件が目につきます。
では、マスコミや有識者が執拗に日本人の米国留学者減少を心配するか、
そのヒントを
読売新聞(8日)が与えてくれたので引用。
(引用開始)米国の大学による日本人留学生の獲得活動がここ数年、
続々と打ち切られ、「留学フェア」など、日本での宣伝イベントが先細り
になっていることが、米関係機関の調査で分かった。
かつては有望な市場だった日本が米国への留学生減少を受けて見限られ、
中国などに「標的」を移行する動きで、
日米関係への将来的な影響
が懸念されている。
IIEは、国際教育交流では全米でも権威ある機関の一つで、フルブライト
奨学金事業を行う日米教育委員会とも関係が深い。ペギー・ブルーメンソール
IIE副理事長は、戦後米国に留学した人々が各界で活躍してきた歴史を踏まえ、
「(
日米関係にとっても)10年、20年単位で考えると極めて深刻な事態 だ」
と日本人留学生の減少を危惧している。(引用終了)
将来の「日米関係」のために留学せよというのでは、若者を揺さぶれません。
アメリカが、日本の若者を吸い寄せる、ぶっちぎりの「先進性と寛容さ」を
取り戻した時、おのずと留学者数もリバウンドするんじゃないかなぁ。