アドラー心理学を知っていますか。
その中心的技法に、『勇気づけ』というものがあります。
これはその名のとおり、
失敗して落ち込んでいる人や何かで悩んでいる人に対して、
困難を乗り越える力が持てるように男匁づけてあげる心理療法のことです。
相手とお互いに尊敬・信頼にもとづく交友的協力関係を築くときに、
効果があるといわれています。
そこで、
あなたも身近に失敗して落ち込んでいる人や
問題を抱えて悩んでいる人がいたら、
勇気づけてあげてください。
ただし、
やみくもに「頑張れ」「頑張れ」という言葉を
連発すればいいというものではありません。
相手に負担を与えないように、
「そんなに悩んでいるなら、僕も協力するから
一緒になって問題解決に当たろうよ」
「とにかくやるだけやってみよう。
僕もできる範囲で協力するから」という、
共感を示す言葉を投げかけてあげることです。
また、
相手にもよりけりですが、
ときには「叱咤激励」も大事です。
その場合、
ただ叱るのではなく、
リラックスさせたり、
希望を持たせるようないい方をするのがポイントです。
これを、まさに実践していたのが、
本田宗一郎氏です。
本田氏は、
仕事で失敗を犯し、
落ち込んでいる社貝に向かって、
よくこんな言葉を投げかけたといわれています。
「キミらしくないなあ。いつものとおりに考えて行動すればいいんだよ」
「これ以上悪くなりようがないんだから、気楽にやろうじゃないか」
要するに、
社員に余計なプレッシャーを与えないようにしながら、
その人にしかない才能を発揮させるように努めたのです。
このように、
相手に同情するだけが喜びを与えることではないのです。
ときには励まし、
人によっては叱唯激励することも、
喜びを与えることにつながっていくのです。
そして、
叱唯激励されたほうは感動し、
あなたに絶大なる信頼を寄せるようになります。
そのプロセスの山から、
縁が育まれていくのです。
■ 叱咤激励の前に、希望を与える ■