ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

産科医療補償制度、本日より開始

2009年01月01日 | 出産・育児

新年、明けましておめでとうございます。

旧年中は、多くの方々に支えていただき、みんなで知恵を絞り、みんなで力を合わせて、多くの困難を一つ一つ何とか乗り越えてきました。

本当にありがとうございました。

産婦人科を志す新しい若い仲間もだんだん増えてきつつあり、未来にかすかな希望も見えてきました。みんなで力を合わせて、今年を素晴らしい年にしたいです。

燃え尽きないように体力温存をはかりつつ、途中棄権しないで自分の責任区間を完走して、次世代にタスキをつなぎたいと思っています。

本年も旧年中と同様に、ご支援ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

コメント(私見):

産科の医療現場では、予期せぬ事態が時に起こり得ます。「産科医療補償制度」では、通常の妊娠・分娩にもかかわらず、分娩に関連して重度の脳性麻痺となった赤ちゃんが速やかに補償を受けられ、重度脳性麻痺の発症原因が分析され、再発防止に役立てられることによって、産科医療の質の向上が図られ、安心して赤ちゃんを産める環境が整備されることを目指しています。

本制度は、分娩機関(分娩を取り扱う病院、診療所、助産所)が加入する制度です。日本医療機能評価機構の産科医療補償制度に関するホームページによると、12月24日現在で、本制度の加入率は98.6%(病院・診療所:99.2%、助産所:94.8%)に達しました。加入している分娩機関では、産科医療補償制度のシンボルマークが院内に掲示されます。また、加入分娩機関は同ホームページ上でも検索できます。

****** 読売新聞、2008年12月31日

出産事故1月1日から補償 重度脳性まひに3000万円

【要約】 出産時の医療事故で脳性まひになった子どもに、医師の過失がなくても総額3000万円を支給する「産科医療補償制度」が1月1日から始まる。医師の過失の立証が困難で、訴訟が長期化しやすい出産時の事故について、早期解決と被害者救済を図るのが目的。訴訟件数が減れば、産科医不足対策にもつながると期待されている。

(読売新聞、2008年12月31日)