今回、産婦人科専門医認定審査の申請資格および卒後研修指導施設の新規ならびに更新指定基準がかなり厳しくなりました。
これからは、2年間の初期臨床研修を修了して産婦人科専門研修を希望する者は、3年間の専門研修期間のうち6ヵ月以上を、大学病院(もしくは産婦人科専門医が4名以上在籍し多くの論文を発表している一般病院)で研修することが義務付けられるようになりました。
産科DICなどのハイリスク分娩や婦人科悪性腫瘍などは、症例が集中する一部の研修施設でしか十分に経験できないので、卒後研修指導施設指定基準を厳しくするのは非常にいいことだと思います。
今回の改定によって大学病院で研修する者を増やそうという狙いもあると思います。多くの若い医師が大学病院で産婦人科研修を開始してくれたら、いずれ地域の病院に配属されて大活躍してくれるはずなので地域医療にとっても非常に望ましいことだと思います。
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日産婦誌62巻5号999頁、2010年5月
会員へのお知らせ
学会会員各位
専門医認定審査の申請資格、卒後研修指導施設指定基準の一部改訂について
専門医認定審査の申請資格および卒後研修指導施設の新規ならびに更新指定基準に下記の条件を加えることといたしました。
1. 専門医認定審査の申請資格について
3年以上(初期研修も含めて5年以上)の産婦人科専攻医研修期間内に以下の要件を満たすこと:
1) 6ヵ月以上の期間、大学病院もしくは産婦人科専攻医が4名以上いる施設で研修すること。その期間は、周産期、婦人科腫瘍、生殖内分泌、女性ヘルスケアの4つの領域のうち、少なくとも周産期医療を含む2つ以上の領域を研修していること。
2) 日本産科婦人科学会(日産婦)総会・学術講演会に1回以上出席していること(30点シール1枚以上)。
3) 日産婦の10点以上のシールが発行されている学会・研究会で筆頭者として1回以上発表していること。
4) 筆頭著者として論文1編以上発表していること。(注1)
適用開始時期
1) は平成23年4月からの産婦人科専攻医研修開始者に適用
2)~4) は平成22年4月からの産婦人科専攻医研修開始者に適用
2. 卒後研修指導施設指定基準について
1) 過去5年間にその研修施設勤務者が筆頭筆者である論文を3編以上発表していること。(注1、注2)
注1:産婦人科関連の内容の論文で、原著・総説・症例報告のいずれでもよいが、査読制を敷いている雑誌であること。査読制が敷かれていれば商業誌も可。
注2:移行措置として研修指定病院認定申請時あるいは更新時までの5年以内の論文が、平成23年申請・更新の場合:1編以上、平成24年申請・更新:2編以上、平成25年以降の申請・更新:3編以上とする。
平成22年5月
社団法人 日本産科婦人科学会
理事長 吉村泰典
中央専門医制度委員会
委員長 櫻木範明