月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アンタレス・11

2015-02-12 06:53:41 | 詩集・瑠璃の籠

幸せばかりの人生などない
怠ることはいけないことだが
今はその試練の中で
傷ついた小鳥のような自分自身を
鍵をかけた心臓の中に守っていなさい
息子よ

つらいことがあったのだろう
耐えられないことがあったのだろう
今の世界は
おまえの魂が生きていくには
苦しすぎるのだ
まるで糞が化けたトロルのような
お化けばかりが生きている

おまえの心に
今何が棲んでいようと
わたしはおまえを愛している
いつも愛している
心配はない 
自分以外は誰も入れない卵の中で
好きなだけ馬鹿になっているがいい

時に
窓から風を入れようとして
外を見たら
鳩がまっすぐに空を横切ってゆくときがある
金色の日差しが柔らかい腕のように
おまえを抱く時がある
それは わたしがおまえを愛していることを
知っている愛が わたしの代わりに
おまえを愛してくれるのだ

おまえに何があったとしても
おまえが何をしたとしても
わたしの胸で
おまえへの愛は暖かい小鳥のように
生き生きとうずいている

暗がりの中で痛む孤独の傷を
十分に味わうがいい
だれにも触れられたくない影を抱いて
生きることの苦しさを感じて
魂の部屋で涙をかみしめているがいい
いつかそれが
おまえの人生の宝石になるだろう

愛している
おまえのために わたしは
おまえが生きられる本当の世界を作ってやろう
すべての馬鹿を浄めて
間違っていることにすべて
バツをつけやろう

息子よ
世界を変えるのには
たった一粒の
真の愛だけで十分なのだ
それは
早々と人生に疲れた息子を
愛する親の心だけでもいいのだ

わたしは 天使存在
愛するわが子ために
世界を変える




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