月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アラドファル・7

2017-08-18 04:17:30 | 詩集・瑠璃の籠

うらやましいという心は
小さな億劫な心から生じています
すばらしいものになるには
一生懸命に励まなくてはならないのだが
そういうことをせず
億劫に日々を過ごしている者は
励んで美しくなった良い人が
うらやましくなるのです

自分もあんなものになりたいが
苦労して働くのは嫌だ
どうにかしてうまくやれないか

こういうことを考え始めたら
人間は際限なく愚かなものになっていくのです

簡単に人の物を盗み
自分につけるようになる
そしていいものになったつもりで
ひどく愚かなことをする
それがまたすばらしく恥ずかしく
もっと人がうらやましくなる

どんどん
自分というものが
嫌いになる
消えていきたいほど
苦しくなる

透き通るほど白いものが
好きになるのは
本当に消えていきたいからです
もう二度とこんな自分はいやだと

だが
消えていくことなどできはしない
存在というものは
生まれてしまえば
絶対に消えていくことなどできないのです
永遠に
世界に刻まれ続ける

その痛みを
永遠の幸福にしていくためには
もうその
怠惰の皮を脱ぎなさい
いつまでも
母の胎にいたがるような
怠け者の心を捨てなさい
励まなければ
人間は永遠に幸福にはなれない

神の鞭を受け入れ
馬車馬のように働きなさい
腐ったライオンのように生きるよりも
ロバのように従順に働く方が
あなたがにはよいのです
たとえ馬鹿だと馬鹿にされても

永遠の向こうに去り
人間の称号を失う前に
もういじましい自分とは
決別しなさい




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