陰にひそむ心をないことにし
かたくなに作った仮面を生きようとする
馬鹿者は救われぬ
本当の自分を忘れ
偽物の自分を立て
これこそが自分だとうそぶく
馬鹿者は哀れに縮む
本当の自分の正体を知ろうともせず
ただそれを馬鹿なものと思い込み
それを心の外に押し出そうとする
あまりにも自分がつらいからだ
あまりにも馬鹿なことをしたからだ
あれは自分ではないのだ
あんなことをしたものなど
自分ではないのだ
逃げることのできない自分から
逃げようともがき続けてきた
馬鹿者はとうとう壊れる
もはや二度と元には戻れぬ
壊れた自分を抱いて
馬鹿者は永遠の黄昏の世界に落ちる
明けもせず暮れもせぬ
中途半端な光の中で
永遠に自分をごまかして
生きようとするのか