愛が遠くなる
愛が去ってゆく
幻の幸福を惜しんで
愛を裏切り切ったあなたから
愛が遠く離れてゆく
こんなことはいつかやめると
言いながら
決して離さなかった
嘘の糸を編んで
あなたは広大な世界のタペストリーを作った
永遠にそこに住んでいたい
幻の王国を作った
絵物語の中に込めた
あやしげな隠喩の中に
魚のように
痛いエゴを解き放った
何もかもは自分のためだと
ほかのものはすべて
奴隷に過ぎないと
馬鹿者よ
生き残った真実の
最後の一粒が神を呼び
偽物の世界が一気にひっくり返る
愛のふりをした嘘の正体が
太陽の下に明らかになる
もう二度と
愛しはしないと
風のような神の言葉を浴びながら
馬鹿者よ
あなたは縮んでゆく
壊れた世界の残骸の中に
立ち尽くしながら
なぜこんなことになったのかと
ぼんやりと考える