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木漏れ日の記憶を光の湯に溶かし
不思議な音楽を織って
あなたの夢に注ぎ込もう
だれにもわかってもらえず
剃刀の刃の上に住んでいるかのように
孤独だった時
いつもわたしがそばにいたことを
あなたは思い出してくれるだろう
風は冷たいだけでなかった
釘のような嘲笑が千粒も混じり
常にあなたの目をつぶそうとしていた
かなしいこころで
ひとびとのために祈っていたあなたを
彼らは影で
大声で笑っていたのだ
あなたの魂を
夢で作った貝の檻の中に隠し
わたしたちは守っていた
傷つきながらも
信じていた愛の中で生きていたあなたが
どんどん美しくなっていくのを
人々は醜い羨望の目で見ていた
あれが崩れなければ
自分の幸福はない
下郎の含み笑いが鼠のように
あちこちでうごめいている世界を
あなたは気付きながらもわからないことにして
生きていたのだ
もう自分がいなくなれば終わりだからと
終末は思いがけない形でやってくる
神がそれをお決めになったのか
わたしたちのほうがそれに耐えられなくなったのか
どちらが先なのかはわからない
ただ
運命というものを引き起こすのはいつも
愛の叫びなのだ
もう永遠に目覚めなくてよい
この世界では
玉のような月の岩戸の中で
静かに眠っていなさい
木漏れ日の向こうからやってきた
あなたの希望を
わたしが美しい音楽にしてあげるから
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