アルデバラン・１３

馬鹿が
決まりきった方法を
大勢で何度やっても
何にもなりはしない
何も変えることはできない

世界を変えることができるのは
たったひとりでも
自分の誠をかけて嵐の中に飛びこみ
死んでくる奴だ

自分のちっぽけなプライドを
鉛のシェルターの中に守っておいて
どんなことになっても
自分だけは助かるという
準備だけは完璧にしておいて
行動を起こしても
何にもなりはしない
何も変えることはできない

民主主義の馬鹿が
大勢で起こす運動など
糞の行列だ

命を捨ててみよ
自分ひとりでも
それが正しいと信じている道なら
それが
すべての幸福のための道だと信じているなら
自分の体一つで飛びこみ
万民の投げる石を浴びて来い

たとえそれが犬死であろうと
誰も損はしないという保証で
自分を完璧に守りながら練り歩く
糞の行列よりはよっぽどましだ

馬鹿に権力を与える民主主義は
もう何も変えることはできない
自らが腐り切って動けなくなるまで
同じことを繰り返すだろう
そして本当の時代は
ある日こつ然と現れるだろう
まるであらかじめ用意されていたかのように

人間は何もしなかったのに
テーブルについているだけで
料理が出てくるように
新しい世界を見るだろう