メラク・３７

心の関節を柔らかくしなさい
上にも下にも　右にも左にも
しなやかに動く
心の関節を持ちなさい

あなたがたの心はまだ
一方向にしか曲がりません
それはわかりますか
つまりは　自分の方が偉い
という方向にしか
曲がらないのです

その心の関節を
一度　逆の方向に曲げてみなさい
自分の方が間違っている
という方向に曲げてみるのです
すると思いがけない世界が見えてきます

こんな簡単なことで
すべてがうまくいくのかという
奇跡が見つかるのです
それだけで　苦しみが半減するという
涼しい現象が起こるのです

届かないと思っていた幸福が
すぐそばにあることが見えてきます
あれほど苦労しても
決して手に入らなかった宝石が
自分の胸に輝いていることに気づくのです

心を柔らかくしなさい
どんな方向にでも曲げられる
フレキシブルな関節を持ちなさい
発想の転換というのは
こういうものです
時には大事なものを自ら捨てる
そういう方向に行くことで
たくさんの人の幸せをつくることができる
そういうことを知ることができます

幸福とは自分のかなえたい夢をかなえることではない
自らの心を調整することで
見えなかったものが見え始めるということです
そして自分が幸福になることよりも
みなを幸福にすることのほうが
ずっと幸福だということに気づくことです

最初は痛みを感じるでしょう
曲がらない関節を　曲げられない方向に
無理に曲げられるような痛みを感じることでしょう
しかし　それに耐えてみなさい
折れても　ちぎれても構わない
心の関節を　今までは曲げられなかった方向に
無理にでも曲げてみなさい

屈辱に涙が出ますか
喪失感に凍りつくような寒さを感じますか
だが　痛みは一時のこと
慣れてくれば　それが一番よかったことなのだと
気づくことができます

絶対に負けたくない相手に
負けてみなさい
そして心の傷に手当てをしながら
風の中で笑ってみなさい
微笑みはあなたの心を美しくするでしょう
何もかもは　とても簡単なことだったのだと
わかるでしょう

自分が負ければよかったのだと
それだけで　みなが幸せになれるのだと
それがわかっただけで
あなたは幸せなのです

柔らかな心の関節を持ちましょう
ちぎれるような痛み
ねじり切られるような苦しみ
すべての心の苦しみを耐えて
今までは曲がらなかった方向に
自分の心を曲げてみなさい

そこに　本当の愛が
見えてくることでしょう