月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ブラキウム・7

2016-07-12 04:18:16 | 詩集・瑠璃の籠

つらい思いをするのが嫌だと
ただそれだけの理由で
あらゆる馬鹿をしてしまうというのが
馬鹿というものです

その結果
それ以上はどこにも進むことのできない
虚無の壁に阻まれ
暗い矛盾の穴に落ち込み
永遠に同じことを繰り返す
そういう状態にはまってしまう
それが馬鹿というものなのです

なぜそんなことになるのか
それは明らかに自分が間違っているからなのですが
人間の馬鹿はそれを考えるのがつらいので
つらい思いをするのが嫌だと
絶対に認めようとはしないのです
それでまた
同じことを繰り返し
同じ苦しみの中であえいでいく
なんでこんなにつらいのか
なんでこんなにつらいのか
そればかり考えて
何もしようとしない
それが馬鹿というものなのです

馬鹿が人を殺しても
人からとんでもないものを盗んで
社会をめちゃくちゃにしても
女と寝るために
大枚の金をかけて嫌なことをしつくしても
その行動に
高等な理由などどこにもありはしない
ただ
つらいのが嫌だから
それだけなのです




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アルヤ・5

2016-07-11 04:24:17 | 詩集・瑠璃の籠

あなたがたは
苦しさを感じるとき
自分の感情を止めることを覚えた
それは
昔のあなたがたには
できなかったことです
小さなころのあなたがたは
苦しみによって起こった感情のままに
自分を行動に駆り立てていた

だがそれが
あまりに苦しい現実を引き起こすということを
学んだあなたがたは
そうなる前に
自分の感情を止めるということが
できるようになったのです
それが自己存在の
進歩の形の一つです

だが
感情を止めても
苦しみはなくならない
寂しさもなくならない
何かをしない限りは
なんの解決にもならないということを
あなたがたはそろそろ学び始めている

そこから次には
どういう段階に踏み出せばいいのかを
考えなさい
自分で考えなさい
そうすればあなたがたは
また新しいことができるようになるでしょう

自己存在の進歩は
まぎれもなく今
あなたがたの中で起こっているのです
あなたがたは石のように
永遠に何も変わらないものではないのです
決してそういうものではないのです




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ブラキウム・6

2016-07-10 04:43:06 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿が
好きなようにして
偉い人をすべて殺し
自分たちばかりを偉くして
嘘と盗みだけで世界を作ったら
幻のように
美しい世界になった
すばらしい世界になった

これでもう
なんでもやっていいんだと
一番美しい女を
馬鹿にしようとして
あらゆる馬鹿をやったら
女をすべて殺してしまった

自分たちが正しいのだと
大きな勘違いをして
馬鹿をやれば
すべての願いが叶うのだと思って
馬鹿なことをしつくして
一番好きな女を
無理やり自分のものにしようとしたら
女は永遠に消えてしまった

猛然と
しつこく
あらゆる愚かな知恵を使って
すべてを手に入れようとしたら
愛が忽然と消えた

もう何もない

すべては
あの女だけだったのだと
彼女だけが世界だったのだと
気付いた時には
すべてが遅い

人間の男は
とうとう
彼女にふられきったのだ





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アルフェラッツ・10

2016-07-09 04:21:12 | 詩集・瑠璃の籠

だれかのせいにしたいと
なにかのせいにしたいと
ありもしない理由を探して
あちこちをさまよっているうちに
人間は闇にはまりこんでゆく

ゴミと糞の沼を
周りに作り
その中に浸りこみ
平然と糞を食って
生きるようになる

すべては人のせいだ
すべては神のせいだ
おれは何もしてはいない

道化の仮面で陰部を隠し
巧みに愛をささやいて
馬鹿な女に
セックスをさせようとする

痛いのはだれのせいだ
おまえのせいだという意味で
愛していると
おまえは言う




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アルヤ・4

2016-07-08 04:18:43 | 詩集・瑠璃の籠

痛い思いや
つらい思いをするときは
自分の殻を破っているときだと思いなさい
さなぎのように
幼いころの自分を守っていた
硬いプライドを脱ぐときに
人は
自分が壊れてしまうかのような
幻に落ちるときがあるのです

それを怖がって
もう合わなくなった子供の服を着るように
元の自分に戻ろうとすれば
もっとつらいことになる
勉強不足の自分を恥じて
他人に嫉妬ばかりする自分がいやで
自分以外のすべてを馬鹿にしてしまうような
愚かなものになって
自分も他人も苦しめる
長い迷いの月日の落ちてしまう

痛い思いや
つらい思いをするときは
もう古い自分を脱ぎ捨てるときがきたのだと思い
自ら今までの自分を壊していきなさい
そうすればあなたがたは
今まで見も知らなかった
新しくも美しい自分に出会うことができるでしょう

自分とはこういうものだったのかと
新しい自分との出会いに
あなたがたは芯から驚き
自己存在の真実に感動することでしょう
自分を信じるとは
そういうことなのです

神がすべての命の中にしかけた
美しい奇跡の秘密が
確かにあるということを
信じるということなのです




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アルヤ・3

2016-07-07 04:28:34 | 詩集・瑠璃の籠

自分のしたことを
自分のしたこととして
誇ってはいけません
あらゆるものが助けてくれるからこそ
自分も自分のすることをすることができる
そのことを
十分にわかっていなさい

あなたがたは
少しでも気に入らないことがあると
すぐに人を否定してしまうが
それはいけないことです
自分を知っている人というのは
とても大切なものだからです
敵でも味方でも
自分のことを知ってくれている人がいる
そのことが
あなたがたを豊かにしてくれるのです

見知らぬ他人よりは
積年の敵の方が
あなたがたにとっては大切なのです
自分に深くかかわり
その魂を知っている
そのことが
永遠の友を
自分のために作ってくれるのです

とるにたらないような小さなものでも
愚かなことばかりする馬鹿でも
自分を知ってくれている人のためには
少しずつよいことをしていきなさい
そしてそのかかわりを
だんだんと美しく変えていきましょう
そうすれば
あなたがたはすばらしい友を得ることができる

永遠の友というのは
意外と
敵の中にいるものですよ
彼らは痛いことをするが
本当はあなたを愛しているのです




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ブラキウム・5

2016-07-06 04:21:55 | 詩集・瑠璃の籠

虚無の風に打たれ
悲しげに滅んでゆく
女の美しさに打たれ
あまりにも
ひどいことをした
ひどいことをした
こんな自分に
耐えられない

石のキリストを背負い
大河を渡る聖者のように
何もない女を背負い
果てしない海を目指せ
人間の男よ
岸に戻ってきてはならない

海には糞尿があふれ
おまえの足を食う馬鹿が
大勢で住んでいる
痛ましい馬鹿が
お前を滅ぼそうと牙をむいている
だがもはや後戻りはできない

十字架を背負い
刑場に向かうキリストのように
おまえの運命を目指して進め
おまえが背負っている女は
おまえの罪のように重い
だが二度と女は
おまえの足になることはできないのだ
おまえが女を
永遠に自分の足にしようとしたからだ

二度と帰れぬ岸を振り返ることなく
海の中に新たなる道を作れ
それ以外に生きる未来はない
永遠に
神が温めていてくれた
あの故郷に
男よ
おまえは帰っていくことはできないのだ




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ブラキウム・4

2016-07-05 04:27:41 | 詩集・瑠璃の籠

愛してなんかいないんだと
そういうことにしたいのに
どうしてもそれができないから
君たちは愛するものを憎むのだ

軽く恋愛ができる
馬鹿な女ばかり大事にして
本当に好きな女を
馬鹿にしてばかりきたから
永遠に女を失うことになったのだ

愛するもののいない
絶望の荒野を
君たちは生きなければならない
失ってしまったものは帰らないからだ
どんなに謝っても無駄なことだ
本当に後悔しているのなら
そんなことくらいわかりそうなものだが

絶望の荒野に愛を灯すために
真実の女はこの世界に来ていた
どんなに男に馬鹿にされても
いつかは愛してくれると信じて
やってきた
だが男はそれを
完全に馬鹿にしたのだ

男は
ピグマリオンのように
ガラテアを最初から作り直さねばならない
愛の真実を
自分で作らねばならない
そのためには
自らが女にならなければならない

かつて愛してくれた
女の愛を理解するために
女のように愛さなければならない




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レグルス・5

2016-07-04 04:25:54 | 詩集・瑠璃の籠

悪魔というものは
救いがたいマザコンのガキだ
どんな暴力的な悪さをしても
ママが何とかしてくれると思っている
絶望的につらいことになれば
ママの後ろに隠れればいいと思っている
それで悪いことばかりをする

いずれはすべてがだめになると
わかっていながら
馬鹿が馬鹿をやめなかったのは
いざとなればママに頼ればいいと
思っていたからだ
だがそうなってみれば
もうママはいなかった
とっくの昔に
犯して殺していたからだ

悪魔はそういうことになってみても
まだ自分のしたことを認めることができず
ママが何もしてくれない
何もしてくれないと
泣いているばかりで
何もしない
助けてほしいのに
だれも助けてくれないと言って
自分以外の全存在をなじっているのだ

どんなに大変なことになっても
愛が自分を何とかしてくれると
馬鹿は思っていた
その愛を馬鹿にしきれば
それはなくなってしまうのだということが
わからないはずはないに
絶対に認めようとしないのだ
それでなければ自分が困るからと
そういう理由だけで

それが悪魔というものだ




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ブラキウム・3

2016-07-03 04:26:47 | 詩集・瑠璃の籠

なんでこんなにつらいのか
なんでこんなに苦しいのかと
人間はよく自問しますが
それは
自分の罪から逃げているということによって起こる
現象のひとつです

苦しいのは
自分がなしたことが返ってくるのが
いやだからなのです
そのことを無理に打ち消して
逃げている心はいつも
自分の苦しさの理由がわからずに
なんでこんなにつらいのか
なんでこんなに苦しいのかと
繰り返しているのです

本当に
愛によって正しいことをしていれば
苦しいことなど何もないはずなのです
それなのに
生きることがあまりにもつらい
苦しいと感じているのは
あなたがたの中に
過去になした罪の影があるからなのです

なぜ生きることがこんなに苦しいのか
神は人間のために何もしてくれないのか
人間を馬鹿にしているのかと
人間はいつも疑念を抱くのですが
それは神のせいなどではない
やらなければならないことから逃げている
人間の心のせいなのです

生きていることが苦しいからと
神が自分に存在を与えたことそのものに
恨みをぶつける人もいますが
ならば消えていけばいいと言えば
それは嫌だという
それが人間というもの

もはや遅すぎるという感じはあるのですが
もう一度やり直しなさい
すべてを改めて
自分の中の罪の影に取り組みなさい
そこを改めれば
改め始めれば
あなたがたの苦しみは
大方なくなるでしょう

なんでこんなにつらいのか
なんでこんなに苦しいのかと
そういう疑問が自分の中にわいてきたときは
自分の中にこそその理由があるのだということを
思いなさい





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