月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
コメントはゲスト・ルームにのみお書きください。

アンタレス・32

2018-08-14 04:14:25 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿な女は
ひとのものが欲しくてしょうがないのだ

自分には何もないから
何もしていないから
よそのいい自分をまるごと持って来て
すべてをすりかえようとする

自分を見ても
何もいいものは見えないから
むなしい馬鹿ばかりが見えるから
あっちがいい
あっちの自分がいい
あれを自分にするのだと
いたい美人を見て
頭の先から足の先まで真似をして
ほかの人間になろうとする

愛してなどいないのに
愛の人のまねをして
愛していそうなふりをする
それはきれいにまねをする

いい女になりたいのだ
とびきりの
いい女になりたいのだ
本当の自分など忘れ

人真似ばかりして
自分を馬鹿にして
自分以外のものになっている
馬鹿な自分など忘れ

自分ではない
最高の美女になりたいのだ




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンドロメダ・10

2018-08-13 04:13:35 | 詩集・瑠璃の籠

人の気持ちも考えず
いやらしいことをやれば
落ち目になるばかりだ

強権を振りかざせば
何でも思い通りになると踏んで
おまえは
人を傷つけるようなことばかりする
それでは人に嫌われて
はなれていかれるのは当たり前だ

何事にも
人の気持ちというものを
踏まないようにせよ
人が痛いと感じることを
しないようにせよ
それだけでおまえはすくわれる

自分の得ばかり考えて
人の気持ちを感じようとしないから
おまえはいつも嫌われて
ひどい目にあうのだ
もうたんと同じことを経験してきて
まだわからないのか

人と気持ちを合わせ
人と響きあい
痛いと感じる心を広げなさい
そうすればおまえは
神の心さえわかることができる

人の痛がることをせぬようになり
人のためによいことをするようになり
存分によいことになれる

自分のことばかり考えて
いやらしいことをするな
人間よ




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルヤ・41

2018-08-12 04:13:58 | 詩集・瑠璃の籠

愛しているものを
愛していないなどという
そう言う嘘ほど
悲しいものはありません

なぜそんな嘘をいうのか
それは神を信じていないからだ
まだ本当の愛の姿を知らないからだ
動物のように小さな
怖がる気持ちで
すべてを馬鹿にしてしまうからだ

どんなに小さなものでも
自分の言ったことには責任をとらねばなりません
ですから
あなたがたが
いらぬと言って断った愛は
二度と戻っては来ません

愛していたからそう言ったのだと
言い訳にもならぬことを言って
取り戻そうとしてもだめです
言ったことはとりかえることはできません

二度としないから返してくれと
言ってもだめです
あなたがたは知らねばならない
嘘を言えばどういうことになるのかを

神はあなたがたを
馬鹿にするためにつくったのではない
大いなる権力でもてあそぶために
つくったのではない
愛はいつも
愛のみを動機として行うのです
愛ゆえにこそ
神はあまりにも切ない創造を
わたしたちのために行ったのです

あることがあまりにもすばらしいからです

その意味も知らず
動物のような怖がる気持ちで
すべてを攻撃してしまう
だからあなたがたは
愛しているものに
愛していないと言って
それを支配しようとして
すべてを失ったのです

もう永遠に帰って来ない愛を
決してやってはいけないことのしるしとして
自分の魂に刻み付けなさい
そして永遠に愛していきなさい
決してかなうことのない恋を
永遠にあのひとにかけていくと
誓いなさい






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カノープス・40

2018-08-11 04:13:05 | 詩集・瑠璃の籠

人間が
山のように巨大な車を運転し
奈落のように深い車庫に入っていく

車庫の中には
銀毛の猿が一匹
煙管をふかしながら
車を見ている

ああ恐ろしい高級車だ
神の乗る車だ
それを人間が運転している
何を知って
それができると思っているのだろう

はるかな彗星の駅をめざし
車は車庫に入っていく
都市では
灰色の塔が竜になり
大量の鉛を吐しゃしている
苦い水が車庫に流れ込み
車は一瞬で溶けてなくなり
人間ははるか深い車庫の底に落ちていく

ああ深い奈落だ
もうはいあがってはこれまい
銀毛の猿はため息をつき
煙管で傍らのスイッチをたたく

黄金のシャッターが
車庫に降りる




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンタレス・31

2018-08-10 04:13:41 | 詩集・瑠璃の籠

人間は
大勢になると虚無になる
何にもなくなる

そのものをかこっていた
美しい魂の輪郭が消し飛び
奥底に飼っていた
苛立たしい獣がうごめきだす

自分は馬鹿だ
何もできない馬鹿だ
馬鹿より偉いものはない
逃げることはできない自分を捨て
おれさまにすべてをよこせ

人間を睨み続ける
獣性の闇の声が
人間をつかまえる
そして人間は
大勢の中に溶けて
翼の生えた虚無という
幻獣になるのだ

だれもいない
なにもないというものに
大勢でなるのだ
そしてあらゆるものに嫉妬し
すべてを食い尽くそうとする
ないからだ
自分にはなにもないからだ
狂気の熱の中で
いじらしい鼠の胃袋に
猛獣の食欲を与え
すべてを消滅させようとする

そして人間は
激しい消化不良の痛みが来て
はじめて目を覚ます

あほうめ




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンゲテナル・14

2018-08-09 04:13:51 | 詩集・瑠璃の籠

小さな自分の枠に閉じこもって
人に勝とうとすれば
人を馬鹿にするしかありません

たとえ自分の持っているものが
蟷螂の斧のように小さくとも
馬鹿にしようとすれば
神を馬鹿にすることもできるのです

虚無の方が偉いのだと
自分で言えばいい
ただそれだけなのです

だがいつまでもそればかりしていては
人は本当に成長することはできません
言えばいいだけという
批判ばかりしていれば
自分は何の努力もしないからです

本当に大きな自分になろうとすれば
小さな自分の世界を破る努力もせねばならない
その痛みを乗り越えてこそ
本当の自分の空が見える

本当の自分の力が見える

人を馬鹿にすることばかりに
エネルギーを注いでいては
人間はいつまでも成長できない
小さな自分の枠の中に
閉じこもり続ける

言うことは簡単だが
あとでその責任をとらねばならないということを
どう考えているのか
自分の言ったことの責任を取るためにも
自分を大きくしていかねばなりません

もう簡単な理屈で
人を馬鹿にすることをやめなさい
たったそれだけのことで
偉そうにしている自分が
どんなに滑稽に見えるか
あなたにはまだまるでわかっていないのです




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トリアングルム・19

2018-08-08 04:14:10 | 詩集・瑠璃の籠

悲しみは
とおき宮にあずけ
きれいにこころを
あらいなさい

おまえの悲しみは
神がきよめてやろう
おまえは悲しくとも
悲しくはない
澄んだ幸せの中にいる

二度と馬鹿なことはしないと
誓ったあの日から
おまえのこころに
神の宮がある

つねに光さし
よき香をふくみ
おまえを照らしている

信じよ 神を
おまえの悲しみは
消えてなくならないが
それはうつくしいものに
なるのだ

逃げられぬおのれから
二度と逃げまいと誓った
あの日から
おまえのこころに
神のとお宮がある




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スピカ・46

2018-08-07 04:12:43 | 詩集・瑠璃の籠

まだ探しているのですか
言い訳を
自分の方が正しくなる
自分の方が美しくなる
その根拠を

そんなものなどありはしない
自分のしたことの真実を
まったく嘘にしてしまうことなど
できはしない

それなのにあなたはまだ
あまりにも自分が馬鹿になるのが
いやなばかりに
どこかに自分を逃がすことのできる
島はないかと
探しているのだ

人から美を盗んで
自分をきれいにした女は
どうあがいても美しくはありません
人から徳を盗んで
自分をえらいものにした男は
どうあがいても正しくありません

その事実は変えようがない
ありとあらゆる言い訳の泥を塗られても
決して変質しない
黄金の真実です

それなのにまだあなたは
どうにかして自分を逃がす穴はないかと
探っているのです
どうにかして
どうにかして
自分の方をいいものにできないかと

間違っているのは神の方なのだと



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レサト・2

2018-08-06 04:13:25 | 詩集・瑠璃の籠

嘘を本当だと
簡単に言ってしまえば
すべてがさかさまになるのです

馬鹿こそが賢いのだと
言ってしまえば
あなたは自分が
神よりも偉大なことができると
うそぶいたことになる

全部馬鹿の方が
賢いのにしてほしい
えらいことにして欲しい
そう願うだけで
すべてをだましたことになる

事実上馬鹿者どもに
この世界の創造をなした
神よりも偉大なことが
できるはずがありません
人間はどんなに努力しても
神より偉大なことはできません
なぜなら何かをするその自分すら
神のなした創造なのですから

馬鹿者の方が偉いのだ
何もないもののほうが金持ちなのだ
そんな嘘を言い募れば
あなたはどんどん虐げられていく
自分に自分を
虐げられていく

自分を神よりも偉大だと言ったことにより
神と同じことをせねばならなくなる
それはそれは大変なことになる

ちいさなものは
へりくだりなさい
正直でありなさい
うそをついてはなりません

たったひとかけらの嘘でも
それを本当なのだと言えば
絶対に
逃げることはできない神の壁に
ぶつからなくてはならなくなるのです




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジュピター

2018-08-05 04:13:32 | 詩集・瑠璃の籠

宇宙開発は
すぐにでもやめなければならない
愚行です

人類は
地球以外のところに
住むことはできません。

珍妙な機械をつくり
空にとばすことをやめなさい
星々が
それをいやがっていることが
わからないのですか

星々は無人の荒野ではない
彼らは
地球とはまるで違う
霊魂を持つ存在
あまりに高貴な存在
それが
地球人の傲慢をいやがっているのに
気付かないのか

あさはかな好奇心で
見ないほうが良いものを
見てはならない
その代価は
あまりにも大きい

人類の叡智などとほざいて
おそろしくあさはかなことをしている
それにあなたがたは
いつ気付くのか

宇宙開発を
すぐにでもやめなさい
膨大な金をかけて
膨大な罪を稼いでいることに
あなたがたは
いつ気付くのか




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする