五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

雀のお宿

2015年05月30日 | 第2章 五感と体感
雀のお宿 2015/05/30

アッシジの聖フランシスコは、彼が説法をしだすと鳥たちも集まってきたそうです。5,6年前私達家族はスロベニアの旅で二人のスロベニア人の神父さんに大変お世話になりスロベニアの主たる巡礼地を案内してもらいました。その時に訪れたブレッド湖の湖畔レストランで名物ケーキを皆で頂きました。ケーキの名はナポレオン。ミルフィーユを巨大化させたもので、フォークを突き刺すとポロポロとパイの屑が散らばり、旅仲間五人が座ったテーブルはみるみるうちに屑だらけに。
ケーキを平らげ話も弾み、そろそろトイレに。。。と、4人が席を立ち、一人の神父さんが荷物係りになり、そのテーブルは一人きりになりました。
暫くして母とテーブルに戻ろうとすると、ポツンと座わる神父さんのテーブルにたくさんの雀たちが乗っているではないですか。私達は雀が去るまで後方でその光景を眺めておりました。神父さんと云っても映画のようにいつも司祭服を着ているわけではありません。アロハなんぞを着て気楽な格好です。母と私は、「アッシジの聖フランシスコだね」とクスクス笑いながらもこの光景にとても温かいものを感じたのでした。
ここ二カ月、仕事の合間に見舞いに通い続けている某病院のパティオのカフェに座ると、スロベニアの旅で経験したテーブルにやってきた雀たちを思い出すのです。テーブルに着くと何気なく雀が近づいてきます。ためしにテーブルにケーキの小さな切れ端を置いてみると、ちょこんと乗っかり美味しそうに啄ばむのです。スロベニアの集団的啄ばみとは違い、日本の雀は少々恥ずかしがり屋で集団行動ではありません。一羽が乗ると他の雀は遠慮するのです。少しばかり大きなかけらを置くと、そこで啄ばまず、地面に一旦置いて少しずつ啄ばみ、残りは他の雀が頂戴していくのです。パイのかけらが散乱する光景ではないけれど、病院通いでこの雀さんに出会った人はなんと幸運でありましょう、と、思います。森羅万象の摂理について、如何なる時でも恩寵として解釈できる機会は与えられているのだと、この雀さん達を見てしみじみ思うのでした。

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