DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

ロサ、疑惑の判定勝利(WBAミニマム級:レギュラー王座)

2022年01月10日 05時30分37秒 | 世界ボクシング

昨年12月21日、ドミニカで行われた試合結果です。
WBAミニマム級戦(レギュラー王座):
挑戦者/前暫定王者エリック ロサ(ドミニカ)判定2対1(116-109、113-112、112-113)王者ビック サルダール(比)

*この試合が行われたのは2021年師走。ロサがプロデビューを果たしたのは2020年10月。アマチュアで約360戦ものとんでもないキャリアがあるとはいえ、若干二十歳の選手がプロ4戦目(2021年7月)で暫定王座を獲得し、次の試合でレギュラー王者に昇格。今回ロサが破ったサルダールは、ドミニカ人より5倍ものキャリアの持ち主で、WBAレギュラー王座を獲得する前にWBOのベルトも腰に巻いた経験のある歴戦の雄。そんな強豪を相手にフルラウンド戦い、僅差ながらも判定勝利。しかもこの若者は2度のダウンを奪っています。

ここまで読み返してみると、カリブ海からとんでもない新鋭が登場したように思えますが、ところがどっこい。けっこう酷い地元選手びいきのレフィリングと判定でした。

サルダールが積極的に出て、まずはペースを握ったこの試合。しかし3回、ロサがサウスポー(左構え)からの左ストレートできれいなダウンを奪っています。

中盤の6回に第一の問題が起きました。その回の中盤、サルダールの右がロサのボディーに直撃しダウンを奪い返します。ロサはダウンを喫した際、片足がリング外に出るアクシデント。問題はここで、リング外の人間(カメラマンかな?)がロサを助ける形で彼の足をリングに戻してしまいます。どんな事情であれ、リングの外に出てしまった選手を助ける行為は禁止されている筈。しかもこの問題はそれだけに留まらず、レフィリーは何故だかダウンとは見なさずカウントを数えません。それだけでなく、何を血迷ったのかドミニカ人の休養の時間すら与えてしまっています。

第二の問題は9回に起こりました。クリンチの際、サルダールが押し倒される形でキャンバスに倒れこみます。不思議な事にレフィリーは、パンチが当たってもいないのに比国人にダウンを宣告。この試合の主審を務めたギレルモ ピネダ(パナマ)は30年以上経験があり、世界戦を裁くために何度も来日している中々腕前の良いレフィリー。しかしこの試合に関していえば、かなり腑に落ちる腕前をさらけ出してしまいました。

10回には明白なダウンを奪ったサルダール。ダウン以外の場面でも比国人が優勢に試合を進めていたように思えたのですが、出された採点は新王者誕生を支持。師走のお祭り騒ぎの時期に行われたためか、この試合の判定とレフィリングについての悪評が聞かれる事はナシ。後味の悪い試合となった感は否めません。

何はともあれ、14連続防衛を続けているノックアウト CP フレッシュマート(タイ)との一戦への切符を手にしたのはロサ。出来れば「フレッシュマート対ロサ」戦は、ドミニカ以外の地で行われて貰いたいものです(願わくばタイでもなく第三国で)。

 

昨年末から世界王座、日本関連の王座と非常に活発な最軽量級戦線。2022年1月10日現在の、ミニマム級王者たちのは下記のようになります。

WBA(スーパー):ノックアウト CP フレッシュマート(タイ/防衛回数14)
WBA(レギュラー):エリック ロサ(ドミニカ/1)
WBC:パヤン プラダブスリ(タイ/1)
IBF:レイ クアルト(比/1)
WBO:谷口 将隆(ワタナベ/0)
OPBF(東洋太平洋):メルビン ジェルサレム(比/0)
WBOアジア太平洋:重岡 優大(ワタナベ/0)
日本:空位

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