今から30年前の1993年11月6日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
IBF/WBAヘビー級戦:
挑戦者/前王者イベンダー ホリフィールド(米)判定2対0(115-113、115-114、114-114)王者リディック ボウ(米)
(再戦のキャッチフレーズは「返り討ちか、それとも復習か!?」)/ Photo: Wikipedia
*この試合からちょうど1年前、ボクシング史に残る大激戦を演じた両雄。一年の時を経て、再びフルラウンドに渡る大激闘を演じる事に。
前年にホリフィールドを破り、世界ヘビー級王座を獲得したボウ。その後戦わずしてWBC王座を放棄し、格下相手に2連続KO勝利を収めています。対するホリフィールドは、以前TKOで葬った相手に再び勝利を収めたとはいえ、最終回のゴングを聞いています。実力拮抗者同士の再戦となりましたが、試合前は勢いに勝るボウが「再び勝利を収めるのでは」という予想が多く聞かれました。
勢いに乗るボウはこの試合でも、「古豪を一気に仕留めてしまえ!」と言わんばかりに、試合開始のゴングと同時にホリフィールドに襲い掛かります。奇襲を受けたホリフィールドは足がバタついてしまい、「ひょっとすると、この試合は序盤で終わってしまうのでは?」と、前王者の無様な姿を想像してしまいました。しかしそこは歴戦の雄ホリフィールド。後手に回ろうとも自分のボクシングを崩すことなく、また勢い負けすることなくボウに対抗していきます。
固いガードに左ジャブからの右ストレート、そしてそれに続く左右の連打と、丁寧なボクシングを展開していくホリフィールド。必要とあれば大柄なボウと勇敢にパンチの交換をし、会場を沸かせます。
(丁寧で、勇敢なボクシングを展開したホリフィールド)/ Photo: Pinterest
一年前の対戦では、見事なボクシングでホリフィールドに快勝し、世界ヘビー級の頂点に立ったボウ。世界王者としての一年は、リング活動は格下相手とはいえ順調に防衛記録を更新してきました。しかしWBCのチャンピオンベルトをゴミ箱に捨てるなど、リング外では少々ゴタゴタ続き。この再戦では、お腹周りが少々緩みがちで、そのコンディションに疑問符が付けられていました。
仕上がり自体には何ら問題を感じさせなかったボウでしたが、ボクシング自体が勝ちを急いでか、かなり雑。そのため、接近した場面でポイントがライバルに流れて行ってしまいました。結果論になりますが、前回(1992年11月)の試合での勝利と、その後の2つの序盤KO勝利が、ボウのボクシングを少々狂わせてしまったのかもしれません。
前戦以上に競った内容でホリフィールドが雪辱に成功。各ラウンド、3分間の打ち合いは全く問題がありませんでした。しかしゴング後に両者が打ち合い続けるというラウンドが、少なくとも4、5ラウンドありました。まあこの両者が何度戦っても、激戦となる証かもしれませんが。
(ホリフィールド、雪辱!)/ Photo: Sports Illustrated Vault
シーザースパレスの屋外特設リングで行われたこの試合。7回途中に突如、空からパラシュートを付けてパラグライダー男が誤ってリング上に降り立ってしまうという大事件が起こりました。そのため、試合は21分の中断を余儀なくされてしまいました。11月になると砂漠のど真ん中に位置するラスベガスの朝晩は結構な冷え込みになります。試合再開後、試合は無事に終わりましたが、7ラウンド分の中断が試合の流れにそれなりの影響を与えたことは確かでしょう。
(空から人が降ってくるという珍事! しかしホリフィールド、相変わらず見事な背中をしています)/ Photo: Boxing News