DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

ロマチェンコ、格下を一蹴(WBOフェザー級)

2015年11月20日 00時08分08秒 | 世界ボクシング
今月7日、米国・ネバダ州ラスベガスで行われた試合結果です。
WBOフェザー級戦:
王者ワシル ロマチェンコ(ウクライナ)KO9回2分35秒 挑戦者ロムロ コアシチャ(メキシコ)

*アマチュア史上最強のボクサーだったと呼び声が高いロマチェンコ。今回がプロに転向してから6戦目となりましたが試合毎に対戦相手の質が下がっていくのは気のせいでしょうか。試合前からウクライナ人の圧勝が予想されていた一戦ですが、その試合内容、結果ともに予想通りのものとなっています。保持する王座の3度目の防衛に成功したロマチェンコ。次戦でのビックマッチ出場はあるのでしょうか。

WBOウェルター級戦:
王者ティモシー ブラッドリー TKO9回2分49秒 挑戦者ブランドン リオス(共に米)

*王者の勝利は予想されていましたが、試合内容がワンサイドになるとは思われていなかったのではないでしょうか。2008年5月に初の世界王座を獲得して以来、試合間隔は比較的緩やかなものの常に強豪との対戦が続いていたブラッドリー。ダブついた腹回りのリオスには荷の重すぎる相手だった様子です。最後はボディー攻撃でリオスを沈めたブラッドリー。久しぶりの快勝劇を演じることに成功。WBOからは90日以内に指名挑戦者サダム アリ(米)と対戦することが義務付けられています。

ミドル級10回戦:
村田 諒太(帝拳)判定3対0(99-91、98-92、97-93)ガナー ジャクソン(ニュージーランド)

*ロマチェンコの同期生である村田。プロ8戦目にして米国デビューを果たしていますが、インパクトに欠ける試合内容だった様子。ロマチェンコは一戦毎にプロのリングに馴染んでいるようですが、村田は試合毎に影が薄くなっていってているのは気のせいでしょうか。現行のミドル級は頂上にゲナディー ゴロフキン(カザフスタン)がドッカリと居座っています。村田の世界デビュー(初挑戦)は、ゴロフキンが同級を去った後、と見るのが妥当でしょう。現在の村田に必要なことは戦力の増強ということですね。
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バンタム級のゴロフキン?暫定王座を獲得(WBAバンタム級:暫定王座)

2015年11月19日 00時19分27秒 | 世界ボクシング
今月7日、モナコで行われた試合結果です。
WBAバンタム級戦(暫定王座):
挑戦者ザナ ザキヤノフ(カザフスタン)判定2対1(115-113、116-113、112-116)王者ヨンフレス パレホ(ベネズエラ)

*「バンタム級のゴロフキン」という異名を持つザキヤノフ。これまでにユーラシア大陸を転戦してきましたが、27戦目にして暫定ながらも世界王座を獲得することに成功。本家との実力差がどれほどのものか、今後の活躍で明らかになっていくでしょう。

WBAウェルター級王座決定戦(暫定王座):
デビット アバネシャン(露)TKO9回1分50秒 チャーリー ナバロ(ベネズエラ)

*これまでにWBCの地域王座を集めてきたアバネシャンですが、世界王座獲得との第一ステップとしてWBAの暫定王座に着手。キャリアで上回るナバロを終盤に仕留め、同王座獲得に成功しています。
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この階級、この選手(辰吉 丈一郎:バンタム級③)

2015年11月18日 04時12分49秒 | ボクシングネタ、その他雑談
1990年代初頭からの約四半世紀、それぞれの階級で印象に残った選手を挙げていっております。記載上のルールは各選手、登場するのは1階級のみ。また、選んだ選手がその階級実力№1とは限りません。

今回登場するのはあの「浪速のジョー」こと辰吉 丈一郎(大阪帝拳)。いよいよ、という感じがします。個人的には日本人として一番思い入れのある選手になります。

   

辰吉に関して冷静に分析してみると、リング場でのパフォーマンスより、リング外での「ストーリー」がかなりの割合で取り上げられますね。それはそれでいいのですが(実際にファンとしては大歓迎)、ここではリング内での辰吉の実力を測ってみましょう。

辰吉と言えば左ボディー。とくにコンビネーションから放たれるそのパンチは素晴らしく、いくつかの見事な勝利を呼び寄せています。

現役時代の前半に特に話題となったのがガードの低い喧嘩ボクシング。身長は164センチと同級ではやや小柄になりますが、リーチは何と178センチ。防御にもう少し注意を払い、その体型(リーチ)を生かすボクシングが出来ていればかなり違ったボクシング人生を歩めたのではないのでしょうか(それはほぼすべてのボクサーに言える愚論ではありますが)。

辰吉のここまで(?)の戦績は20勝(14KO)7敗(5KO負け)1引き分け。KO率はちょうど半分の50%となります。

1989年にプロデビューを果たした辰吉。その試合は6回戦に出場。2戦目以降は10回戦、または世界戦12回戦のみに出場しています。プロデビュー4戦目で日本王座を獲得。6戦目には曲者アブラハム トーレス(ベネズエラ)を相手に大苦戦の末引き分け。トーレス戦から数えて2戦後、WBCバンタム級王者グレグ リチャードソン(米)に挑戦し、中盤戦に王者の反撃に苦しみますが最終的には10回終了時にギブアップに追い込みます。当時としては日本ボクシング史上最短の8戦目で王座奪取に成功。



大記録を打ち立てた辰吉ですが、ボクサーとしてはこの8戦目で終わったのではないでしょうか。その後暫定王座を含め2度WBCバンタム級王座に返り咲くことに成功しますが、辰吉の話題となれば、常にリング外での、怪我を中心にした悲劇的エピソードが先行。リングにたち続けましたが、調整試合が挟めないためかリング上での実力の上積みが出来ないキャリアに終始したような感があります。



再び「もし」になってしまいますが、もし日本ボクシング界が網膜剥離を含め、目の怪我への対応策(医療面、ルール等)がしっかりしていればどのようなキャリアを作れたのでしょうかね。辰吉には自分自身への特例だけではなく、その方面でボクシング界と戦ってほしかったです。

さて、リング場のボクサーとして、他の日本人世界バンタム級王者たちを列挙して見ました。それらの選手たちと比較した場合、辰吉はどれぐらいにランキングされるのでしょうか?

ファイティング原田(統一/防衛回数4)
新垣 諭(IBF/1)
六車 卓也(WBA/0)
辰吉(WBC王座を3度獲得。1度は暫定で最多/通産防衛記録は2)
薬師寺 保栄(WBC/4)
戸高 秀樹(WBA暫定/0)
長谷川 穂積(WBC/10)
亀田 興毅(WBAレギュラー/8)
山中 慎介(WBC/9)
亀田 和毅(WBO/3)

実力番付1位は原田、2位は長谷川、3位山中というトップ3は間違いないでしょう。

まずは原田。当時(1960年代)、全8階級、世界王座認定団体は1つの時勢で王座を獲得。しかも王座を奪った相手がいまだにバンタム級史上最強と言われているエデル ジョフレ(ブラジル)。原田の日本ボクシング界での地位は永久に不滅といっても過言ではないでしょう。防衛回数は僅かに4ですが、当時の世界ランキングの層は現在とは比べものにならない厚さ。バンタム級の世界王者は一人で、下のスーパーフライも、上のスーパーバンタムも存在していなかったのですから。一言で言えば現在の世界挑戦者とはレベルの違う(もちろん原田が対戦した選手のほうが高い)相手を下し防衛回数を伸ばしていったのですから。しかも原田はバンタム級王座を獲得してから失うまでの3年弱の間、6度の世界戦に加え7度の無冠戦を行い、そのすべてに勝利しています。その7つの無冠戦ですが、驚くことにすべて12回戦で戦っています。



現在無冠とはいえ、スーパーバンタム/フェザーで現役続行中の長谷川。世界戦では2連敗中(連続TKO負け)と不調が続いていますが、バンタム級王者時代は無類の強さを見せていました。10連続防衛に加え、5連続KO/TKO勝利も収めており、事実上の王座統一戦で逆転TKO負けを喫したとはいえ、マッチメーク次第では更なる防衛回数更新が望めたでしょう。さらに王座在位時は同級最強と長らく謳われていました。



長谷川の後継者の地位を確立し、防衛回数も9まで伸ばしてきているWBC現役王者の山中。最新のアンセルモ モレノ(パナマ)戦の大苦戦は致し方ない所。長谷川が対戦していてもモレノには苦戦を強いられていたことでしょう。



辰吉が長谷川、山中の位置できないのは何と言っても両選手ともサウスポーという事。辰吉はサウスポー対策がなってなかった代表的な選手でした。スーパーバンタム級で挑んだダニエル サラゴサ(メキシコ)は曲者中の曲者。辰吉戦以前は非常に過小評価されていた選手です。ある意味サラゴサは辰吉に恩恵を受けたといっていいでしょう。ポーリー アヤラ(米)戦は6回で負傷判定という消化不良のものでしたが、この試合でのサウスポー対策は悪くはありませんでした。しかしアヤラファイタータイプだったため、はそれほどサウスポースタイルを有効に使う選手ではありませんでした。



4番手を選出するのは中々難しいですね。ここに入る候補グループとして辰吉、薬師寺、亀田兄弟になるでしょう。

薬師寺は辰吉戦の勝利だけでなく、辺 丁一(韓国)との2連戦(連勝)での成長をもっと評価されるべきではないでしょうか。

和毅は今年、WBAレギュラー王者ジェームス マクドネル(英)に僅差ながらも連敗を喫してしまいました。しかしそれ以前のWBO王者時代、海外で世界戦3勝(1KO)を記録。今後の活躍次第では、日本バンタム級史上4番手の地位を確立出来るかもしれません。

興毅についてはWBAレギュラー王座の8連続防衛(2KO)は明らかに作られた記録/マッチメークという批判もあるでしょう。しかし辰吉(というか大阪帝拳が)にも興毅のようなマッチメークが出来ていれば、と少々惜しまれます。

少々厳しい言い方/書き方になってしまいますが、新垣の獲得した王座は創成期のIBF。現在でいうとIBO、またはそれ以下。六車は王座決定戦に勝利して王座を獲得。不運な形で王座を明け渡すも、その後世界王座奪回はなりませんでした。戸高の暫定王座は、その興行をマッチメークした帝拳ジムの政治力が成したもの。現在のWBA暫定王座の悪しき先例です。

 

辰吉の獲得した王座(獲得した順):
日本バンタム級:1990年9月11日獲得(防衛回数0)
WBCバンタム級:1991年9月19日(0)
WBCバンタム級暫定王座:1993年7月22日(0)
WBCバンタム級:1997年11月22日(2)

リング外での事柄を抜きにして辰吉を見た場合、あくまで実力は平均的な世界王者だった、といわざるをえないでしょう。また辰吉を通し、名選手/名王者を作るのはそのボクサーの持って生まれた資質以上に、マッチメークなどの外からのサポートも非常に重要だという事が不可欠という事が明らかになりますね。安定王者辰吉 丈一郎は夢物語に終わってしまいましたが、その後の日本ボクシング界にとっていい教訓になったのではないでしょうか。

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東京(2015年の大晦日)

2015年11月17日 00時24分42秒 | 世界ボクシング
今年の大晦日に大田区総合体育館で予定される試合です。
WBAスーパーフェザー級戦(スーパー王座):
王者内山 高志(ワタナベ)対 挑戦者オリバー フローレス(ニカラグア)

WBAライトフライ級戦(レギュラー王座。現在、この王座が同級の最高値):
王者田口 良一(ワタナベ)対 挑戦者ルイス デラローサ(コロンビア)

*これで大晦日に、日本3大都市で行われる3つの興行が決まった事になります。現在までに4つの世界戦が発表されていますが、主要4団体に加え、スーパーやらレギュラー王座が存在すると、世界戦の水増しという印象がどうしても拭えませんね。せめて東京の興行では、日本の世界王者対レギュラー、暫定王者達とのWBA内での王座統一戦を実現させてほしかったです。
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大阪と名古屋(2015年の大晦日)

2015年11月16日 00時41分18秒 | 世界ボクシング
今年の大晦日にエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で予定される試合です。
WBAフライ級戦(レギュラー王座):
王者井岡 一翔(井岡)対 挑戦者ファン カルロス レベコ(亜)

*4月に激闘を演じている両者による再戦。予想通りにこの日に立場を変えての再戦が行われる運びになりました。


同日、愛知県立体育館で予定される試合です。
WBOミニマム級戦:
王者田中 恒成(畑中)対 挑戦者ビック サルダール(比)

*田中は実力があり、世界王者ながらも今後の成長が期待できる選手です。しかしこの挑戦者、9月にWBOのアジア・太平洋王座を獲得するまでは8回戦を戦っていた選手です。

IBFミニマム級王者である高山 勝成(仲里)もこの日に参戦すると思われますが、どちらの興行に出場するのでしょうか。
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アンドレ ワード、ライトヘビー級戦線に参戦(色々:11‐15‐15)

2015年11月15日 01時28分16秒 | 世界ボクシング
最近(2015年11月15日ごろ)のニュースです。

1)6年前にWBAスーパーミドル級王座を獲得して以来、かなりゆったりのペースながらも同級の強豪達を退けてきたアンドレ ワード(米)。この度保持してきた同王座を返上し、強豪がひしめくライトヘビー級に正式に転向することを表明しています。

ボクシングファンにとって、セルゲイ コバレフ(露)、アドニス ステベンソン(カナダ)が猛威を振るっている階級にワードが参戦することは大変に喜ばしい事ですね。ただ、それでも今週末21日に予定されていた無冠戦は行ってほしかった、というのが本音です。

このままWBAからスーパー王者に認定されている選手たちが揃ってそのベルトを返上したら、さぞ面白い事になるでしょうね。

2)ワードと比べるとかなり実力が違ってしまいますが、日本のスーパーミドル級第一人者である清田 裕三(フラッシュ赤羽)が来月11日、マイケル シガーラキ(インドネシア)を相手に保持するOPBF(東洋太平洋)スーパーミドル級王座の3度目の防衛戦を行います。

3)以前ワードと同じ王座を保持し、現在は2階級下のスーパーウェルター級で戦っているアンソニー マンディン(豪)が先週11日にチャールズ ハトレイ(米)と対戦。合計4度のダウンを奪われ11回TKO負け。これまで保持していたWBC同級のシルバー王座を手放しています。

4)来月18日、WBAクルーザー級暫定王者のベイブト シュメノフ(カザフスタン)が元IBF、WBC同級王者のクジストフ ブロダルチク(ポーランド)を相手に、7月に獲得した同王座の初防衛戦を行います。争われる王座には???ですが、対戦カード的には中々のものではないでしょうか。ちなみにブロダルチクが実戦を行うのは、昨年9月にWBC王座を失って以来のものとなります。

5)河野 公平(ワタナベ)の格下王者であるルイス コンセプシオン(パナマ)が来月17日に地元で9月に獲得している暫定王座の初防衛戦に臨む事が発表されていましたが、この度挑戦者も決定しています。コンセプシオンに挑戦するのは、元WBA/WBOライトフライ級王者のジョバンニ セグラ(メキシコ)。セグラは昨年9月、一つしたのフライ級2冠王のファン フランシスコ エストラーダ(メキシコ)に挑戦し、11回TKO負けして以来のリング登場となります。

セグラは15ヶ月前に行われた最後の実戦、しかも一つ下の階級でTKO負けを喫していながらも、世界戦に登場出来るのがWBA暫定王座。同じくブロダルチクも黒星後、15ヶ月ぶりの試合で即挑戦できるのがWBA暫定王座。何とも価値のない世界王座でしょうかね。

6)スーパーフライ級のWBA暫定王座戦と同じ興行では、WBAスーパーフェザー級の暫定王座決定戦も行われます。その試合に出場するのは、ジェスリール コラレス(パナマ)とファン アントニオ ロドリゲス(メキシコ)。
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今週末の試合予定

2015年11月14日 00時19分59秒 | 世界ボクシング
2015年11月第2週末の試合予定です

*今週末から来週金曜にかけて、世界のどの地域でも、WBAの暫定王座戦も含め、大きな興行は予定されていません。

例年ですと11月、特にこの第2週末には、大きな興行がいくつか行われてきています。しかし今年は例外のようですね。しかしその反動からか、来週末から年末にかけて多くの好試合が目白押しです。
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小原、悔しい引き分け(スーパーライト級)

2015年11月13日 00時16分28秒 | 世界ボクシング
先週末7日土曜日、米国・フロリダ州で行われた試合結果です。
IBFスーパーライト級挑戦者決定戦:
小原 佳太(三迫)引き分け1対0(115-113、114-114x2)ウォルター カスティーリョ(ニカラグア)

*この試合が行われる前に王座の交代劇が行われたIBFスーパーライト級戦線。強打者エドゥアルド トロイアノフスキー(露)が技巧派のセサール クエンカ(亜)をTKOで下し王座奪取に成功しています。

 

そのトロイアノフスキーへの挑戦権を賭けた一戦は、日本はおろか、東京都外で初の試合となった小原が終始主導権を握る試合内容に。しかし結果は小原側から見て手痛い引き分け。米国である程度その存在をアピール出来たでしょうが、結果は伴わなかったようです。この結果により小原陣営がどのような路線を求めていくのか?出来ればカスティーリョと再び米国内で拳を交え、明確な勝利を掴んでほしいですね。

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無効試合の可能性あり?(IBFスーパーライト級)

2015年11月12日 01時03分49秒 | 世界ボクシング
先週4日水曜日、ロシアで行われた試合結果です。
IBFスーパーライト級戦:
挑戦者エドゥアルド トロイアノフスキー(露)TKO6回2分44秒 王者セサール クエンカ(亜)

*何とも消化不良な形の王座交代劇となったこの一戦。22戦全勝で19ものKO/TKOを築いてきたトロイアノフスキーが勝利したこと自体は喜ばしい事です。しかし試合の終わり方がさっぱりとしませんでした。拮抗した試合を繰り広げていた両選手。5回終了時までの採点も2対1(49-46、50-45、47-48)と挑戦者が支持されていましたが分かれたものでした。

問題の6回、強打の挑戦者がパンチを振るいながら王者に迫ります。この階級終了間際、ロープ際で両者が重なり合う形になり、下に位置していたクエンカがそのままフロアに崩れる形に。その後レフェリーと王者の間に何らかな会話が持たれていたようですが、言語が通じないのでしょうか、ハッキリしない王者の態度を見てレフェリーが試合をストップしてしまいます。これまで48勝(2KO)2無効試合という記録を残してきたクエンカですが、思わぬ形で初黒星を喫してしまいました。

王者の反応も良くはありませんでしたが、レフェリーの対応も褒められるものではありませんでした。ひょっとするとこの試合の結果がトロイアノフスキーのTKO勝利から無効試合に変更する可能性があるのではないでしょうか。ただ、両選手が重なりあう前に挑戦者のパンチが当たっていた事実もあります。


WBAクルーザー級戦(レギュラー王座):
王者デニス レベデフ(露)TKO8回1分22秒 挑戦者ラフィーフ カヨデ(ナイジェリア)

*4月のユーリ カレンガ(コンゴ/仏)に続き強豪を迎えて防衛戦を行ったレベデフ。試合前の予想通り、実力伯仲者同士の好試合が展開されました。ジャブの突きあいで始まった一戦。暫定ながらもヘビー級で世界戦を経験している大柄なカヨデが若干有利なスタートを切ります。

しかし2回からはレベデフが左ボディーを中心に的確なパンチを当てポイントをゲットしていきます。7回、右から左をきれいに当て吹っ飛ばす感じでダウンを奪ったロシア人。続く8回に仕上げにかかります。まずは左をドンピシャに顎に当て2度目のダウンを奪うと、同じパンチでダウンを追加。最後は連打を浴びせレフェリーストップ。白星を一つ加えると共に、保持する王座の5度目の防衛に成功しています。


WBCヘビー級シルバー王座戦:
王者アレクサンデル ポベトキン(露)TKO12回50秒 挑戦者マリウス ワフ(ポーランド)

*今回の興行のメインを飾ったのがこのヘビー級戦。元WBA王者でもあるポベドキンは既にWBC王者デオンティー ワイルダー(米)への挑戦を確約されています。ワイルダーが201センチの長身選手であるため選ばれたのが202センチのワフ。3年前にウラジミール クリチコ(ウクライナ)の持つ統一王座に挑戦し、大差判定負けを喫するもタフネスを見せ付けたしぶとい選手です。

ポベドキンはあくまでポーランド人をワイルダー戦への踏み台にするつもりだったのでしょうがどうしてどうして。挑戦者のタフネスに手を焼き、最終回にワフの負傷によるTKOのため何とか勝利を手にすることが出来ました。しかし何とか勝利したといっても、ポベとキンの出来自体は悪くはありませんでした。

来春にもワイルダーへの挑戦が実現すると予想されるポベドキン。その試合結果は、開催地如何で決まるでしょうね。


IBOクルーザー級戦:
挑戦者オラ アフォラビ(英)KO5回1分44秒 王者ラキーム チャキエフ(露)

*これまでに2度WBOの暫定王座を獲得してきたアフォラビですが、正規王座獲得までは至っていません。今回ロシアの地で実力者チャキエフをKOし、2度目のマイナー王座を獲得することに成功。まだまだメジャー王座獲得への意欲が衰えていないことを示しています。


WBCクルーザー級シルバー王座決定戦:
オランレワジャ ドルロドラ(ナイジェリア)TKO2回2分29秒 ドミトリー クドゥリアシェフ(露)

*すごい試合でした。両者が打ち合うというより殴り合いを展開し、お互いのタフネスを比べあったのですから。最終的にはナイジェリア人が我慢比べに勝ちTKO勝利を呼び込んでいます。初黒星を喫したクドゥリアシェフですがこのロシア人、1年前にかつて同級で安定政権を築いていたファン カルロス ゴメス(キューバ)を22秒で破った選手でもあります。


クルーザー級戦が盛り沢山だった今回のロシアでの興行。注目度が非常に低いクラスですが、多くの実力者が存在し、試合内容も充実しており無視できない階級だと思います。
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戦い続けるジェームス トニー(色々:11‐11‐15)

2015年11月11日 02時18分19秒 | 世界ボクシング
最近(2015年11月11日ごろ)のニュースです。

1)8月にチャールス エリス(米)という無名の選手にに大差の判定負けを喫している3階級制覇を達成したジェームス トニー(米)。エリスはその試合が初の10回戦出場という選手で、トニー戦後の戦績は10勝(8KO)3敗1引き分けという40歳。そんな選手に敗戦を喫したため、もう引退をするのかと思われたトニーですが、12月4日にカナダで次の試合を予定しています。今回トニーが対戦するのはエリック バホエリ(Bahoeli)という地元の選手で、ここまでの戦績が11勝(7KO)5敗(4KO負け)という選手です。バホエリは昨年4月、英国に渡り豪州のルーカス ブラウンと当時空位だった英連邦とWBCユーラシア・太平洋王座を争い5回TKO負けを喫している選手です。ちなみにトニーはその1年前にブラウンと対戦し大差判定負け。ブラウンを挟んで両選手の実力を比べてみると五分五分、といったところでしょうかね。

2)これまで日本スーパーバンタム級王座を保持していた小國 以載(角海老宝石)が同王座を返上。今後は世界に標準を合わせるそうです。

3)小國が返上した王座は、12月21日に久我 勇作(ワタナベ)と石本 康隆(帝拳)の間で争われます。

4)小國の同僚である高山 樹延もこれまで保持していた日本ウェルター級王座を返上しています。高山も上を目指していくそうです。

5)WBCヘビー級王者デオンティー ワイルダー(米)が1月16日、米国・ニューヨーク州で3度目の防衛戦を行います。現在のところ挑戦者は未定です。

6)河野 公平(ワタナベ)の格下王者であるルイス コンセプシオン(パナマ)が来月19日、地元で9月に獲得している暫定王座の初防衛戦に臨みます。挑戦者は決定していません。

7)順当に勝ち星とKO勝利を増やしていっているニュージーランド出身のヘビー級ジョセフ パーカー。これまでに6つものアジア・太平洋地区の地域王座を獲得してきています。今年すでに4試合を行っているパーカーですが、12月5日にダニエル マーツ(Martz)と、そして1月23日にはジェイソン バーグマン(Bergman)との試合が決まっているようです。
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