
「朝顔に釣瓶(つるべ)とられてもらひ水」
加賀の千代女のあまりにも有名な句である。
「江戸しぐさ」の語りべ・越川禮子さんによると、この朝顔に対する繊細な気持ちを詠んだ句も、江戸の町方によると別の意味を読みとるのだそうだ。
朝顔に支えをせずに、釣瓶に巻き付かせてしまった「うかつさ」を、先読みが大切な商人にとっては、自身を戒める句として受け取ったという。
僕は本来の解釈が好きだが、そんな解釈はともかくとして、朝顔の鉢に涼しさを求めて、入谷では朝顔市が開かれている。

市の前日は強い雨に見舞われ、降りしきる雨の中、店舗作りが急ピッチで行われたが、今日は天候にも恵まれ、入谷鬼子母神の名で知られた「真源寺」を中心に、言問通りは午後5時からは歩行者天国にもなり、多くの人出で賑っていた。

朝顔市は8日まで行われ、いよいよ下町の夏が始まります。
2006.07.06